名無しのきらり

Open App

「ごめんね。」
思わず、泣きながら君に言ってしまった。
ただただショックだったのに、君の顔を見た途端に涙が溢れ出して。
私たちの夏は終わってしまった。私のせいだ。
なんとなく君に付いていったあの日、私の人生は大きく変わった。人生に宝物の様な3年間が加わった。
全ての始まりは君だった。
それなのに最後の夏、私はレギュラーで君はベンチだった。
君を県大会に連れて行きたかった。これは私のエゴだ。
それなのに君は、私をそっと抱きしめて言った。
「よく頑張ったね。」
君も、泣いていた。

「ごめんね」

5/29/2023, 2:57:40 PM