たまに、ふとこんなことを考える。
目を開けると周りには一面海しかない。
波が顔にかかって苦しく、生き物の気配は無い。
海は冷たくも暖かくもないちょうどいい温度で、
顔にかかる波の音は、息苦しいが、心地よく美しい。
苦しいのはひと思いにと諦めて目を閉じる。————
目を開けると海の上にある謎の建築物のすぐ近くにいる。
懸命に泳いで建築物に登る。
床はツルツルとしていて角が丸い階段が何個も建っている。
体がひえたら寒いだろな。お腹空くのかな。
そんな不快感と不安が心をよぎり目を閉じる。————
目を開けると道路の真ん中に立っている。
空は晴天だけど、現実味を帯びていない。
海外のようなピンクの壁の家が何軒があるが、人はいない。
ノイズを帯びた道を、行き宛もなく私は歩き続ける。
遠くに誰かがいて怖くて目を閉じる。————-
目を開けるとゲームセンターにいる。
電気は着いているが、人の気配は無い。
ゲームのBGMだけが鳴り響いて、ラップ音がたまに聞こえる。
お金も持っていないから何もすることがない。
足音が聞こえた気がして目を閉じる。————-
「ドリームコア」の世界に行ってみたい。
でもずっと出れないのは怖いから嫌だ。
それでも、もしあそこに自由に行き来が出来るなら、
私はずっとあそこにいるでしょう。
「夢を見てたい」ўциа
いっつも一緒にいた私たち。
これからもずっと一緒にいれると思ってた。
そんな思いは、私の願いでしか無かった。
大好きなあなたたち2人は両想いだった。
私は、どうしても
心から喜ぶことができなかった。
このままでいたいと思ってたのは私だけだった。
酷く、偏った自分の本音を、私は飲み込めなかった。
このままずっと、気づかないで。
そばに居て。—————-
私はどこまでも傲慢でわがままだった。
2人を思って流れた雫は祝福の色なんかじゃなかった。
心でずっと願っていた2人の幸せは、
本当は私を苦しませるものだと気づいてしまった。
本当に私は。どこまでもわがままで傲慢で醜かった。
「幸せとは」ўциа
街中は鮮やかな赤に包まれている。
みんなの笑い声の数だけ街には暖かい光が灯っていた。
1人はバイトにいそしみ、
1人は大切な人と綺麗な町あかりを眺め、
1人はかけがえのない友人とゲームをしている。
予定なく友達とLINEをしている私もまた目を瞑って思い出した。
あの日の街に流れる華やかな音楽を、
あの日降り積っていった冷たく暖かい雪を、
暗黒の夜に鼓動をともした煌めきたちを、
プレゼントに胸を踊らせ布団にくるまった温かさを、
私はこれからも、誰と過ごそうとも、この日が大好きなんだろう。————-
いつの間にか口元は微笑んでいた。
「遠い日のぬくもり」ўциа
シャラン—————。
シャラン—————。
光で何も見えない外から舞う光りの粒に合わせ、
澄んだ神楽鈴の音が鳴り響く。
雪なのか。桜なのか。
分かりそうで分からないこの光の粒を私は体で受け止めた。
美しく整備された床板と朱色の柱
まるで私は選ばれた光の巫女のようだ。————
この特別感をいっぱいに空気とともに吸い込んだ。
なれるはずのない夢を心の隅に弾き、
今この場所にいる事実だけと手を握った。
目を閉じて祈った。
このずっと、これからも、永遠に回廊が終わらないことを。
冷たくも暖かくもない風になびく髪を感じながら、
私はまるで光の巫女のように、厳かに足を進めた。
「光の回廊」ўциа
空は確か澱んでたかな。
部活のみんなでご飯を食べに行った。
また孤独を認識させられる気がした。
それなのにあなたは、
ナゲットを1つくれた。
ふざけてくれた。
笑ってくれた。
袖の中に手を突っ込ませてくれた。
30分も立ち話に付き合ってくれた。
あなたの袖の中は人の温もりがしてホッとした。
ここに居ても良いって言ってくれてるみたいだった。
こんな日々がずっと続いて欲しい。————-
そんな叶わない泡沫の夢を私は捨てることなく留めた。
帰りの空は、オリオン座が良く見えた。
「心の片隅で」ўциа