目を閉じる。
窓から見える空は、色を持たない色に包まれ
なんにもない学校の時を過ごし、
部活でまわりと比べて空を仰ぎ、
ふとしたタイミングで孤独を感じ、
泣くことも出来ずに、
布団に入る。
目を開ける。
目の前はノイズのかかっ他パステルカラーに、
温度のない風を感じ、
美しい城に、底のない海に。
人のいないこの場所に。
私は、今日もまた、観た酷い悪夢の夢を描く。
「こんな夢を見た」ўциа
——————。
深い世界に入る衝撃とともに、音が濁る。
美しい泡の呼吸が、
私に驚いて現れる姿が、
水光を反射し煌めく光が、
私の世界に不快感と諦めと美しさを積もらせる。
呼吸は、苦しくない。
上の方が、もっと息苦しいからでしょう。
一面に広がる蒼が私を深くへと誘う。
深く。もっと深く。
ここには美しい鰭も、きらめく鱗も必要ない。
そこに、生命の息づく気配は聞こえない。
ふと、上を向く。
上に行くにつれ、碧に変わる水の色を、
虹を微かに含んだ光粒を、
この瞳にちゃんと写す。
あぁ、なんて美しいのでしょうか。
上に、戻ってみたくなってしまいましたね。
「海の底」ўциа
あなたたちとたくさんの時間を過ごしましたね。
初めて教室で出会った時の雲も、
初めてご飯を食べに行った時の味も、
初めて一緒にカラオケに行った時の音も、
初めて一緒に映画を見た時の感情も、
初めてあなたたちと秘密を話し合った時の温度も、
言うのが怖くてはぐらかしたあの夜も、
ひとりで全てを諦めて逃げたあの日も、
全てが美しく、消えそうなくらい脆い思い出です。
これからもこんな日々を続けてくれますか?
私はこんな願いにも、ずっと軽い蓋をし
隠し続けようとするのでしょう。
もう、こんな蓋でもしまいこめてしまうこの想いたちに。
この、淡くぬるい泡沫を逃がさないために。
「美しい」ўциа
この世界は美しい。
空にきらめく数多の宝石。
光を飲み込み、たくさんの生き物を飼う広大な水溜まり。
空に突き刺すように天高く盛り上がった地面。
私たちには聞こえない声で歌う生き物。
歴史を紡ぎ未来へと突き進む生き物。
この世界は本当に美しい。
それでも
この世界は何よりも残酷だ。
何回だって羽根を広げたって
足に着いた碇を抜けることはできない。
その度に私は自分の翼の小ささばかりを憎んだ。
夢は夢のままが1番良いと知っているのに
私は知りたい気持ちを止めきれずまた羽根を広げる。
美しく理想郷であるはずのここは、
私にとってはただの鳥籠であり、海底に過ぎなかった。
「この世界は」ўциа
私はここが大好きなはず。
そのはずなのに私はふと考えてしまう。
どうしてあなたばかり目を向けられるの?———
クシャクシャにしてゴミ箱に捨てる。
どうしてあなたたちが泣くの?————
海の奥深くに投げ込む。
何度も捨ててきた。
何度も何度も何度も何度も。
それでも、それらは新しい形となって戻ってきた。
どれだけ完璧に捨てていても、
その度にもうひとりの私は
その形を嫉妬と好意で直し、
私の手の届くすぐ近くへ還していった。
「どうして」ўциа