宝石は海を羨んだ。
「あなたはいいね。色んな場所を見れるから。」
「あなたはいいね。美しい青を持っているから。」
「あなたはいいね。色んな生物に慕われているから。」
宝石は比べた。
比べて、恨んで、自分を貶した。
宝石は知らなかった。——————
海もまた、その唯一無二の輝きを羨望していることを。
2 人は結局知ることはなかった。
自分だけの美しさを。
「ないものねだり」ўциа
あなたなんて好きじゃない。
雪が積もりそうなLINEの返事も、
みんなで遊んでいる時にスマホを見るの横顔も、
寝坊して笑っている声も、
写真写りが悪いのも、
好きじゃない。
それでも、
あなたの桜よりも儚い横顔に、
あなたの運動神経の良さに、
エッジのかかった声に、
手の温かさに、
私にだけ心を許しているようなその所作に、
私は、宝石よりも輝きを見出してしまっているのでしょうね。
「好きじゃないのに」ўциа
夢を見た。—————-
テーマパークに行った。
外れに海があった。
私は美しい蒼を目の前に感じ
水の中に溶け込もうとした。
でも、地面が見えなくなったからやめた。
テーマパークに戻った。
私は友達がいないことに気づいて
心に鎖が巻きついた。
すぐそばで飲み物を買って待っていてくれてるのに。
私はもう、夢ですら人を信じれなくなってしまったんだね。
みんなはそばでずっと待ってくれていたのにね。
「怖がり」ўциа
私たちを想い咲いた花。美しいでしょう?
水滴を反射し煌めき、
鮮やかな花弁が咲き乱れ、
青々しい葉がつき、
芳醇な匂いがする。
所詮それだけなのですよ。
その花は重みが全くない。
花言葉は’’憐れみ”だそうですね。
本当に腹が立つ。
そんな花、私たちには要りません。
あなたの花は、私たちの花とは大違いだ。
「同情」ўциа
枯葉に構っている暇なんてないんですよ。
踏んだ雑音も、その色も、私には関係ないでしょう?
私にはもっとやるべきことがあるのです。
それを探さないといけない。
あなたたちみたいな人の手を取っている場合じゃないのですよ。
もう、触れていい距離じゃないのです。
残念でしたね。
私はこの道を踏み潰す覚悟はもう出来てます。
このあなたたちとの思い出の道を。
あなたにそれができるのですか?
「枯葉」ўциа