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7/16/2025, 3:13:35 PM

真昼の夢。
私は自室…で目を覚ました。
長い長い夢を見ていた気がする。良い夢とはいえない、かと言って悪い夢ともいえない。私はすぐ夢を忘れてしまう。そんな私でも特に記憶に残る夢だった。所々忘れてしまったところはあるがローズマリー…だっけ…?その花がよく身近にあったことをよく覚えている、そしてよく私にくれた子がいる。少し見たことあるような、ないような?
何か忘れちゃいけないこと忘れてる気がする…
すると急に部屋のドアをガラガラと開け白衣を着た男性、その男性の…お手伝い?みたいな人が私に話しかけたり記録を撮ったりしている。少しパニックになっているとお手伝いの人に背中をさすってもらいすごく落ち着き安心できた。数分後用が済んだのか静まり返った部屋に男性は座り母に説明していた。
どうやら私は事故に遭い長い間“記憶喪失”だったのだ。そこから時間をかけ、たくさん自分の情報を教えてもらったり自己紹介されたりしたがせいぜい名前を覚えることで一苦労だった。
病院の周りを散歩するのに許可が降りた日早速私はお気に入りスポットを見つけた。周りは静かで空が澄み、自然が生き生きとしている。
いつしか疲れ切った自分の休みの場としてくるようになった。
記憶はまだ完全に思い出しているわけでもないし、家族や友達に支えてもらってることはわかるが少し静かにして欲しいという…我儘な気持ちもある。まず自分が事故にあったことをしっかりとわかっていない。事故はお昼時に起きた。私と同い年の子が車に轢かれそうになったところを私が突き放し、その子ではなく私が事故に遭ったと簡単に説明されていた、私もびっくりだ。普段人助けを好まない自分がするということが、でもなぜか助けたいと思った。
視線を落とし辺りを眺めていると既視感のある花があった。ローズマリーだ。その瞬間頭が痛くなり記憶が一気に入り込んできたようだった。
「思い出した…思い出したよ!忘れちゃいけないこと、」
あまりにも衝撃的だったのか自分の口から出た言葉にもう一度実感する。
どこか既視感があった花は嘘かもしれないがなぜか助けたいと思ったあの子からもらった花だ。小さい頃確か…幼馴染でよく花を摘んで遊んでいた。お父さんの急な転勤で引越しを言えず離れてしまったことを今でも後悔している。あの時は本当に申し訳なかった、長い夢は走馬灯?
座ってる場合じゃないと思い立ち上がりあの子を探そうと決心する。横から聞こえるニュースを聞き流し、

正午交通事故で高校一年生の……がなくなりました。

あの子はきっと真昼の夢を見て




7/15/2025, 1:50:25 PM

「2人だけの秘密。」
そう言って僕の唇に人差し指を押し当てる君。静かでどこか気味の悪い薄暗さに僕の鼓動だけがうるさく響く。喉の音を鳴らし、静かに君を見つめる。僕に何か言いたげな表情で君も僕を見つめる。そして君の言った“2人だけの秘密”が僕の中で繰り返し再生される。2人…だけ…!僕と君しかいない僕を見てくれてる!
「…約束、できる?」
言われた言葉に犬のように返事をする僕はまるで僕じゃないように思える。でも今はそんなことどうでもいい。
こうしなきゃ君に見てもらえない、こうしなきゃ君は褒めてくれない。依存しているのはとっくにわかっている。気づきたくないから僕は依存を恋と名乗る。
好きと言ったら迷惑だろうか?愛して欲しいと言ったら嫌われるだろうか?
僕は僕だけの秘密を頭に閉じ込める。
「秘密守れたらご褒美あげる」
君からの僕に向けられた言葉に気絶しそうになるも、子供のように興奮気味で喜ぶ。あーきもい
月日が経って約束も守れ、2人だけ、2人だけで君と会う約束をした。
早速君からきた言葉は“星が綺麗だね”
僕はそれが何を意味しているのかわかっていた。
わからないふりをして僕はそうだねなんて答えてしまった。君にとって迷惑かもしれないけど、だけど、好きだったんだよ?
「明日って晴れるっけ?」

7/12/2025, 11:18:17 AM

風鈴の音ともに蝉が鳴いている。
私は上京したての若者だ。クーラーは勿体無いからと金遣いの荒い私でもお金の大切さを痛いほど知り節約のため窓を開け、親から送られてきた風鈴をつける。
不思議と風鈴は自分を落ち着かせ気のせいか涼しくしてくれる。
元々は資格のため上京してきたものだから都会の知識などはゼロ、小学生や中学生の時に習ったお決まりの知らない人について行かないなどしか知らない。
勉強やお金、仕事で毎日ぎゅうぎゅう詰だ。
学校では教えてくれなかったぞなんて思い寝転がりながらスマホを見る。
対してオシャレに興味がない自分によくオシャレ動画が流れるのは嫌味だろうか?スクロールしてもスクロールしても、イエベだのブルベ?だのよくわからん単語をつらつらと並べ美人な人たちが喋っている。こんなんだけでこんなにいいねもらえんのかよ。そんな私は非モテ発言しか頭に出てこない。
顔の前に性格だよなーこう言う奴ほど周り見下してんだろ。
素直に美人を褒めればいいのにいらないところで負けず嫌いを発揮して腹を立てる。
そんな思いを打ち消すかのように風鈴が鳴る。
時計を見てみると何かを始めるには丁度いい時間だった。
重たい体を起こしため息をつきながら辺りを見渡す。
「掃除…するか…」
いつぶりだろうか掃除をするなんて、お母さんがいつも掃除をしてくれていたので掃除なんかするはずがないしする時間すらもなかった。
気晴らしには丁度いいかも。
さ、今日も頑張りますか。

7/12/2025, 10:59:19 AM

「一緒に逃げよっか?」
僕の目の前で口を開き、僕が今一番かけて欲しい言葉を話す君。
こんな理不尽に正解を求められ通り魔のようにくる言葉が普通のこの腐った世界に生きている君と僕。
よくやったよね僕たち。
この子は高校生からの友達で初めて会ったときは君から話しかけてくれた。親のせいで友達ができない僕にとってはとても嬉しかった。この子は完璧を目指して壊れちゃったみたい。
僕と一緒にしていいのかと思うほど僕より大変な人だ。でも君は僕と一緒って言ってくれる。
僕は救いの言葉に答える。
「うん」
君はわかっていたかのような顔をして微笑む。この歳にもなって逃げてもいいのだろうか?周りを裏切ってもいいだろうか?
「冒険だよ、何も悪いことはしてない」
僕の不安の方が大きいのに君の小さな言葉が僕の大きな不安を打ち消してくれる。
そこからはレストラン、公園、他にもいろんなところに行った。いつもより生きているのが楽しかった。そして生きている心地がした。君といると生きている意味がわかる気がする。
そこから僕たちは世界から逃げた。僕たちは冒険をしている。事切れるまで。
「さよなら、理不尽な世界」
「またね、大嫌いな世界」

7/9/2025, 11:55:44 AM

題名…天才

私は小さい頃からバスケをしてきた。小学校中学校、そして高三の今でもそう、もう高校三年生かーなんて友達と話して部活に向かう今日は新しい一年生が入ってくる日。ずっと続けていたから教えるのは慣れてるし一年生を見た時にそんなずっとやってるていう人はいなかった。
体育館について部活の準備をしていると早速一年生が体育館に入ってくる。一応副部長なため一年生に指示をして並ばせ自己紹介を始める。顧問は今日は予定があってこれないらしい。
だから私達で決めなければならない。
“簡単に基礎練やってミニ試合みたいなのしようかな”
と部長の口から放たれる言葉何年もやってて一番聞き飽きた言葉だ。中学生の時は基礎練なんてつまんないと思っていたがここまでくると慣れてしまった。
適当にドリブルだのなんだのしてる時一年生に教えてやれよーなんて言われたので渋々教えたら1人でできそうなやつを探して話しかける。
「バスケ初めて?」
「はい!」
と元気に返事をしているこいつが私はすごく嫌いになりそうだった。どうせすぐ辞めるでしょ。ていうか高校でやるとか舐めてんの?心の中でイライラを溜め込み口からは甘い言葉を囁く。
「こうするといいよ」
なかなか自分も鬼だと思った。少し難しいよねーなんて煽る言葉を決めている最中私の大嫌いな奴は軽々とこなした。
は?とは思ったけど仕方ないこんなの誰にだってあるしー、
「先輩ありがとうございます!」
他の奴らが寄ってたかって褒める。次第にあいつは天才と呼ばれるようになった。
自分のせいで上手くなるこいつが憎らしかった。
小学生の頃は初めて自分の顔よりもデカくて重いボールを持ち、泣き泣き怒られながらなかなか上達しない自分を恨んだのが思い出だ。だからこそ周りに追いつきたい一心でただボールを触り続けた。周りから上手い、天才!と言われることが日常だった。だからこそ自分より当たり前だか下手なこいつに負けたくない。
時間が経つごとにこいつは上達していった。監督も周りも大人も親も驚いていた。自分でもすごいと思ってしまった悔しくて悔しくて仕方がなかった。
とうとう3年の引退でみんなで記念にゲームをすることになった。一年、2年VS三年だ。
一年に三年のミスで一点取られてしまった。しかも嫌いなあいつに。ミスした奴はヘラヘラ笑っていた。うざかった、お前のせいで取られてるのに笑ってんじゃねぇよ。と言いかけた言葉をどんまいどんまい!次々!という言葉に変え放つ。
ボールを素早くドリブルし、相手を避ける。最後の壁が嫌いなあいつだった。素早くかわし、ダンクしたつもりだった。
横にはあいつの手があった。
「届いて…!」
力を振り絞りボールを押す。床に叩きつけられる音がした、あいつは勿論妨害でアウトだが私はそんなことより、自慢のドリブルを遮られシュートをあいつに蹴散らされた絶望の方が大きかった。私は天才ではなかった、ただ少し天才と言われただけの自分に酔っていただけだった。あいつは天才だ…
私が天才のあいつが嫌だったのは、自分自身が天才ではないことに薄々気づいてたから…
「先輩は天才です。努力の」
あんな奴に気付かされたのが苦しかった。あいつに言われたのが悔しかった。
私は立ち上がり荷物を持って体育館をでた。

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