風鈴の音ともに蝉が鳴いている。
私は上京したての若者だ。クーラーは勿体無いからと金遣いの荒い私でもお金の大切さを痛いほど知り節約のため窓を開け、親から送られてきた風鈴をつける。
不思議と風鈴は自分を落ち着かせ気のせいか涼しくしてくれる。
元々は資格のため上京してきたものだから都会の知識などはゼロ、小学生や中学生の時に習ったお決まりの知らない人について行かないなどしか知らない。
勉強やお金、仕事で毎日ぎゅうぎゅう詰だ。
学校では教えてくれなかったぞなんて思い寝転がりながらスマホを見る。
対してオシャレに興味がない自分によくオシャレ動画が流れるのは嫌味だろうか?スクロールしてもスクロールしても、イエベだのブルベ?だのよくわからん単語をつらつらと並べ美人な人たちが喋っている。こんなんだけでこんなにいいねもらえんのかよ。そんな私は非モテ発言しか頭に出てこない。
顔の前に性格だよなーこう言う奴ほど周り見下してんだろ。
素直に美人を褒めればいいのにいらないところで負けず嫌いを発揮して腹を立てる。
そんな思いを打ち消すかのように風鈴が鳴る。
時計を見てみると何かを始めるには丁度いい時間だった。
重たい体を起こしため息をつきながら辺りを見渡す。
「掃除…するか…」
いつぶりだろうか掃除をするなんて、お母さんがいつも掃除をしてくれていたので掃除なんかするはずがないしする時間すらもなかった。
気晴らしには丁度いいかも。
さ、今日も頑張りますか。
7/12/2025, 11:18:17 AM