ひなまつり、よく小さい時に保育園から帰ってきて祖母と一緒雛壇を出し人形を並べたものだ。
飾る時になっては祖母特有の都市伝説を私に教えてくれた。
今となってはあり得ない話なのに昔はその話を聞いて本気で信じて怖がっていた。
兄のいる男勝りな私が唯一雛人形たちの前に座って女の子らしく振る舞った。そして雛人形の前ではみんな寄ってたかってカメラを向け可愛い可愛いと言っていた。勿論気分がいいこと以外の何者でもない時間だった。
君が僕に訴えるように泣いた。
それは主観的に見ればただのよくあるメンヘラチックなやつだ、でも僕はそうとは思わない。客観的に見てしまえば僕に何か訴えているようにも見え、助けを求めているようにも見える。
それでも、何か行動をしようとは思わなかった。というかしては行けないと思った。
主観的でも客観的でもない、本能的に君はいなくなると感じ取ってしまった。
「もし、もし私が遠くの街へ逃げたら貴方は追ってきてくれる?」
「もし、私がこの世からいなくなっても来世でまた見つけてくれる?」
「また名前を呼んでくれる?また私を彼女にしてくれる?」
異常ではなかった彼女は冷静だった。震えるはずの声は芯のあるはっきりとした声で自立していた。
ただ彼女の締め付けている心が泣いたのだ。
今僕が何か行動をしようと何か彼女を助けようとするのはきっと邪魔なことでしかないのだろう。これ以上何かしてしまったら崩れてしまうような気がして。
苦しむ彼女を前にただ無力な自分に呆れるばかりだった。
「当たり前だよ。見つけるよ。どんな姿でも愛すよ。どんな名前でも君が振り返ってくれるのら何千万回、何億回も呼ぶよ。」
ふと思いついた言葉をつらつら並べ綺麗事の盾を作る、こんな状況でも僕は自分に都合の良い結末しか考えられないのだ。
僕は汗をかいて夢から目覚める。
悪夢を見ていたようだ。
こんな形で君を思い出すのか。
僕は身支度をし彼女の墓場がある遠くの街へ向かった。
「待っててね」
先輩の卒業式が近づく今日この頃。
まだ雪が少し残り桜が満開の頃にはきっと入学式を終え新たな生活を迎えるのでしょう。
卒業式練習の中自分はそう考えた。
退屈で仕方のないことだが私は卒業式を台無しにしたくない、先輩達が築き上げてきたことを成し遂げたい気持ちでいっぱいだった。
私の寸法の合わない制服は先輩のようにかっこよく着こなすことができるのでしょうか。
私の将来の不安もプレッシャーに負けてしまう性格も先輩のように打ち勝つことができるのでしょうか。
現実逃避が得意な私が得意にできることなどもう現れないのですか?
先輩にはなれない、お手本になんてなれない、真面目にもなれない、
元気な子に弱音を吐いたんだ。
もちろん帰ってくる言葉なんて前向きで自分にはさらに苦しくなる言葉だった。
期待外れだなんて思ってないよでも、自分の弱さをもう君には見せないと思うよ。
苦しいよ、
生きることがどうしても辛かった。
人格を否定され、好きなことは馬鹿にされ、
結局自分という人間は誰かの踏み台としてしか使われてないということしかわからなかった。
幼少期に積み上げてきた苦しみは所詮誰かの好物にしか過ぎなくて、自分を見てくれる人など誰もいなくて。
期待をすればするほど首始まり、しなければしない分落っこちていく。
いくら今の状況を叫んだってみんな辛いからで終わらせてしまう。
みんな、みんな、みんな、結局は自分に向き合ってくれなかった。そんなに他人が大切なのかい?
我儘だって言えば我儘に見える、自分でも弱音を吐けば吐くほど苦しくなってる。
真面目にやっても不真面目にやっても結果は一緒。
みんな消えればいいさ