「2人だけの秘密。」
そう言って僕の唇に人差し指を押し当てる君。静かでどこか気味の悪い薄暗さに僕の鼓動だけがうるさく響く。喉の音を鳴らし、静かに君を見つめる。僕に何か言いたげな表情で君も僕を見つめる。そして君の言った“2人だけの秘密”が僕の中で繰り返し再生される。2人…だけ…!僕と君しかいない僕を見てくれてる!
「…約束、できる?」
言われた言葉に犬のように返事をする僕はまるで僕じゃないように思える。でも今はそんなことどうでもいい。
こうしなきゃ君に見てもらえない、こうしなきゃ君は褒めてくれない。依存しているのはとっくにわかっている。気づきたくないから僕は依存を恋と名乗る。
好きと言ったら迷惑だろうか?愛して欲しいと言ったら嫌われるだろうか?
僕は僕だけの秘密を頭に閉じ込める。
「秘密守れたらご褒美あげる」
君からの僕に向けられた言葉に気絶しそうになるも、子供のように興奮気味で喜ぶ。あーきもい
月日が経って約束も守れ、2人だけ、2人だけで君と会う約束をした。
早速君からきた言葉は“星が綺麗だね”
僕はそれが何を意味しているのかわかっていた。
わからないふりをして僕はそうだねなんて答えてしまった。君にとって迷惑かもしれないけど、だけど、好きだったんだよ?
「明日って晴れるっけ?」
7/15/2025, 1:50:25 PM