のねむ

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9/25/2023, 11:47:53 AM

電車の窓から見える景色をずっと眺めていた。
電車は嫌いだ。沢山の人で溢れている駅のホームも、電車の走る音が大きすぎて、耳栓代わりのイヤホンから流れる音楽も聞こえなくなる、あの瞬間も嫌いだった。動悸がして、今この場所から逃げ出したくなる、そんな気持ちで埋め尽くされるから。
けれど、仕事先に行くには、電車に乗るしかないのだから、私はいつも仕方がなく、心を強く持ち動悸に気付かぬフリをして電車を待つ。

時間通りに到着する、憎たらしい電車に乗り込むのだ。
私はいつも同じ場所から乗り込みいつも同じ場所に立つ。座ることはしない。座ってしまえば、もう二度と立ち上がれなくなると思うから。座席に私の体を縫い付けられてしまった、いや、私が座席に溶けて行くような、そんな感じがするのだ。
だから、立って、ただただ自分のスマホから目を離さないようにする。そうしなければ、泣いて崩れ落ちそうだと思ったから。

だけど、この前、1本早い電車に乗ってしまった。
本当に何となく、ただただ気まぐれに、駅のホームに立った瞬間に来たから、乗ってみようみたいな感覚で乗ったのだ。
そしたら、いつも乗ってる電車よりもうんと、人が少なくて。どの席でも座ってどうぞみたいな感じだったから、立っている方が目立つと思って座ってみた。立てなくなったとしても、それはもうそれでいいのかも知れない、と思ったから、座ってみたのだ。
そしたら、目の前に電車の窓が見えた。
早く早く進む電車の奥に、顔も知らぬ人達が生きてる世界が広がっていて、私だけ世界から切り離されたようにも思えた。流れる建物や、橋の上を走った時の空の広さとか、美しさとか。世界を、人を怖がる私には、そんな当たり前の景色がとても綺麗に思えて、少しだけ泣いた。
耳栓代わりのイヤホンから流れる音楽も、映画のエンドロールに流れるような曲だったから、本当は私は今この瞬間死んだんじゃないかって。自分の人生のエンドロールが、実は今誰かのテレビの中で流れてるんじゃないかって、思った。
そんな縁起でもないことを思っていたら、いつも降りる駅に着いてしまった。現実に引き戻された。死んだのに、生き返ってしまった。悲しかったし、苦しかった。けれど、いつもよりも生きている実感が、生きていかなければいけないという実感が湧いてきた。


その日から、私はずっと、いつもより1本早い電車に乗る度、窓から見える景色を見ていた。その瞬間だけは、私はこの世界の何者でもない気がしたから。きっと、誰かの娯楽になってるのかも知れない。私のつまらない人生を見て、ポテチでもつまみながら笑って、エンドロールまで飛ばしたのかもしれない。
どうでもいいことだけど。
誰かの生きている美しい景色を、1人切り離された世界から見ることで、どこか救われたような気持ちになる、そんな人間もいるのだと、私の人生を見ているかも知らない、顔も知らない奴らに言ってやりたくなった。





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電車は嫌いです。動悸がして、目眩がして、死にたくなる。
けれど、仕事に行くには乗らなければいけない。唯一の救いは、向こうの駅のホームに貼ってある、隙間を守るエクレアみたいな子のポスター。可愛い。
けれど、やはり憂鬱。明日も乗ります。嫌だな。もしかしたら、いつもスマホを見ながら乗ってるあの人たちも同じことを思ってるのかも知れないな、と思うと、少しだけ私の見た窓の奥の世界を見せたくなります。傲慢ですが。
とても綺麗でした。キラキラと光る建物も、きっと当たり前にある存在では無いのだと思います。その先に生きてる人たちもきっと。


そういえば、刀の付喪神の.5ミュージカルをライブビューイングで見てきました。咽び泣きました。
人の本気の思いっていうのは、多分きっと人を救うんです。
多分私の窓の奥から見た景色が美しく見えたのは、沢山の人の、誰かの為の本気の思いで溢れていたから、だと思います。


いつも、読んで下さりありがとうございます。
最近は何も上手くいかなくて、悲しく苦しい日々を送っていますが、私の偏屈な考え方を読んで少しでも貴方が楽になれば、と思います。

9/24/2023, 3:50:26 PM

形の無いものを、私は愛している。
例えば、誰かの声だったり。

人間を忘れる時、人は声から忘れると昔何かで読んだことがある。それを読んだ時、私は言葉に出来ない気持ちに息を奪われていった。
私は自分の声が嫌いだ。いいや、声と言うよりも喋り方だろうか。滑舌が悪く、どこか駆け足気味に息が先に出る、吐息厨と言うのとは少し違う、調子に乗ったような喋り方なのだ。喋る相手によっては多少変化はあるけれど、それでもどこか調子に乗っている雰囲気は残ってしまう。よく裏返るし、変な笑い声もだす。本当に嫌いだ。
そんな、私の大嫌いな声を、人は一番最初に忘れてしまうらしい。こんなにも、私の心を煩わす大嫌いな存在は、人にとって一番最初に消えてしまうような、ちっぽけなものなのだと。
羨ましいと思った。それと同時に、許せないとも思った。


人は他人を見る時に、自分がコンプレックスに思っている部分をよく見るらしい。
私も、相手の声や喋り方をよく見ていた。多少の見下し、馬鹿にした瞬間、お世辞、そういうちょっとした当たり前に隠す感情や、大好きだなとか、尊敬とか、本心みたいな、隠さなくてもいい感情も、全て声や喋り方に出る。
人の本心や本質というのは、大体は声や喋り方に出ているのだと私は思った。
話が面白くない人は、大抵同じトーンで、間で、喋るように、どこか共通した何かがあるのだ。
人間の、そのちょっとした不完全さも私は好きだと思った。


だから、胡散臭い声を、喋り方をしたあの人や、人を常日頃から馬鹿にして、見下して、だけども人との関わりを心から楽しんでいるあの人や、機嫌が悪くなると一気に声質が変わるあの人や、喋る人全てに楽しんで貰おうと、孤独を感じさせたくないと強く思うあの人の、声や喋り方、全てが私は好きなのだ。
見た目じゃない、あの人たちの本質を見るのがとても楽しいのだ。
きっと、この人たちも私と同じくらい自分の声を不愉快に思っているかもしれない。だけど、心が籠っているからこそ、誰かの心に響くんだろう。
その事実が、何よりも愛おしかったし、私の救いでもあった。



人は、人を忘れる時に、声から忘れる。
やはり、羨ましいと思った。許せないとも思った。勿体ないとも、思った。相手の本心や本質を、喜怒哀楽を感じられた声を忘れていくのは。心の籠った、声から忘れていくのは。
人は、私が死にたくなる程、体の感覚が無くなるほど、悩んだ声を、いとも簡単に忘れていく。



私は、今でも沢山の人の声を覚えている。顔も匂いも殆ど覚えていないような人達の、声だけを。
その中には、深夜ラジオから流れるような声で、桜の似合う春のような穏やかな喋り方をした彼もいた。
私を精一杯見下して、馬鹿にした人もいたし、私に対して何も思っていないような人もいた。
それが大好きだった。頭の中の中まで覗けている気がしたから。


顔や匂いとか、そんな自分の綺麗な想像や思い出で補える部分ばかりを人は覚えていくのだと思った。
改善できるような、形のあるものばかりを覚えていくのだと思った。
人の本心や本質は変えられない様な大きなもので、それは目には見えない。形の無いものだと思った。
顔や匂い、そんなものではなくて、掴むことすら、二度と同じものを見つけることすら出来ない、とても大きく苦しいものなのだ。
だから、私は形の無い、唯一無二の人の声を愛している。







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コンプレックスは、良く言うと、個性です。
他の誰も持っていない自分の、自分だけの証。
私もきっと、もっと上手くやればこの声も使い物になるのだと思います。でも、話が下手で、調子に乗っているので、だめかもしれませんが。

顔も見えない人達の、声で沢山救われてきました。人を馬鹿にしている言葉を吐きながら、人を愛しているような人も沢山居ました。
声には不思議な力があります。
声一つで、何かが変わります。喋り方一つで、何かが変わります。それなのに、人は声から忘れていくのです。
本当に、馬鹿な生き物だと思います。きっと、私も忘れていくのだと思います。綺麗な思い出ばかりに気を取られて、彼らの本質すら見失う。そんな日が来るのだと思います。
人間だからこそ、覚えることが出来る。
そして、また忘れることすらも出来てしまう。
面白いですね。

因みに。単純に私、声フェチなんです

9/22/2023, 3:46:50 PM

貴方の声が聞こえる。幻聴なのは、分かっては居るがそっと聞こえた方向を見てみた。が、やはりそこには誰も居らずただそよ風に乗ってカーテンが揺れているだけだった。

そういえば、貴方の部屋にはカーテンが無かったことを今思い出した。日差しが強い日でも、豪雨の日でも、どれだけ朝日が早く出る時だって貴方の部屋にはカーテンがなかったから、それが可笑しくて笑ってしまった。少し、変わっている人なんだと思うけれど、私はそこもきっと、大好きだった。


貴方の声は、深夜の本当に数人しか聞いていないようなラジオから流れていそうだと思う。万人受けするような声では無いけれど、だけど私のような寂しく沈んだ夜に耐えられないような人達には、救われるような、傍に居てくれるような、御伽噺のような声に聞こえていた。
ずっと傍にいる訳では無いけれど、祖父の家に遊びに行った先の神社の中の大きな木の影で、見つけ出した人間か分からぬような存在。たった、ひと夏の記憶な筈なのに、永遠に心の奥に残る。トラウマにも似た、そんな感覚なのだ。
きっと、笑われてしまうかもしれない。
たったひと夏の、たった一瞬の存在に捕らわれるような私を、貴方に、もしくは貴方では無い誰かに、笑われてしまうかもしれない。
けれど、忘れることは出来ないのだから、仕方がない。


そういえばそんな貴方は、「人はとても美しい」と言っていた。
貴方の心が美しいから、美しく見えているだけだと思った。心の汚い私には人はとても醜く愚かに見えるから。そう言うと、貴方は笑って
「勿論、愚かだなとも思うけれど。それでも、いや、それだからこそ、美しいんだよ。」と、言った。
その声色が、何処か悲しそうでだけど愛おしそうで、胸が苦しくなる。けれど、その言葉に共感することは出来なかった。

私は人の汚い所を沢山見てきたし、私もそんな汚さを溜め込んだ様な人間だ。ちょっとした事で直ぐに揺れ動く心も、弱い心のせいで強者に頭を下げ続ける心も、全て醜いと思った。
何時だって、今の自分の足を引っ張るのは、過去の自分だ。その愚かさが嫌いだった。
そんな人間を、それでも貴方は美しいと言った。

「揺れ動く心も、媚びへつらう姿も、自分の為、他者の為。人間故の行動だからね。単調さは面白くも無ければ、美しさも見出せない。その愚かさや醜さが合ってこそ、人間は完成する。だから、ね?美しいでしょう。」

やはり、何処か悲しく愛おしい声色で、だけど晴れやかに笑ってそう言う貴方に、やっと私は「まあ、確かに」と、共感出来たのだった。





貴方は、人間が好きで、だけどとても嫌っていた。それは多分自分自身にもそうだったと思う。
それ故に、人間の良し悪しをずっと見つめていたのだろうか。私よりも何歩も先の景色を見てきたのかと思うくらい、大人びた(というよりも人外じみていた気もする)言葉を吐き出し続けていた。



貴方は自分の声が苦手だと言っていた。
けれど全て貴方の声だったからこそ、覚えていた。寂しい夜に何となく聞いた、ラジオから流れてきた何気ない寄り添う言葉のようで。
たったひと夏の事なのに、心に永遠と残る出来事のように、貴方の声が私の心に大きな傷を残していった。
大きな傷は治ったって、跡は残る。その跡のせいでずっと記憶が着いて回る。苦しいけれど、そんな苦しさが貴方の形を綺麗に成しているようで、とても好きだ。
貴方は消えたけれど、貴方の言葉や貴方への感情はずっと残っている。
今も、ずっと耳奥で木霊する貴方の声は、私をクスクスと笑っているような気がした。






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お久しぶりです。
すみません。何も書けないようになってしまいました。だから何となく気持ちを吐き出してみました。
なので、特になんの意味もない空っぽの文字です。ただただ、思いをつらつらと書いただけです。起承転結もない私の人生のような文。


多分、きっと、気がした、そんな曖昧な言葉が好きです。私自身が曖昧で、形を成していないような人間だから、です。そんな私の中に唯一しっかりと形を成しているのが、貴方からの全てで、そんな貴方が消えた今も貴方を消せない私はとても、愚かで醜い。勿論、揺れ動く心も媚びへつらう心も持っている。けれど、そんな私を貴方はきっと今も「美しい」と笑うのだろうな、と心の中にいる貴方を通して思います。


貴方の声が、笑い声が今も消えないのです。
思い出して泣くことは少なくなったけれど、やっぱり、息苦しいです。
この前、バ先の先輩が私のコンプレックスに触れてきました。話題に少し出ただけ、けれど、その少しで私は体の感覚が無くなるくらいのものでした。
こんな時、貴方が居れば、笑って忘れることが出来たのだろうと思います。

例えば、もう二度と、貴方に会えないとしても、貴方が何処かで前みたいに笑っていてくれれば、それだけで私の人生はハッピーエンドです!!

9/14/2023, 1:34:35 PM

命が燃え尽きるまで、許しを乞う事は致しません。許して欲しいとも、思いません。
私は、許されないことを致しました。

私は男性の方が嫌いです。(勿論全員という訳ではありません。)
それは、生まれつきのものでは御座いませんけれど、けれど私の心の中に絡みつき一生離れない程のもので御座います。
理由は、本当に単純なもので御座います。私の大切な、大切なあの女人への性的な嫌がらせをしたから、という本当に単純で分かりやすいものなのですが、けれど私の心の中ではそれだけで嫌いになれるくらい大きく、難解なもので御座います。



「ただ、お尻を少し触られただけよ。」

そう女人は、仰っていましたけれど、私は許せませんでした。ただ。少し。だけ。その一言一言が私の心を蝕んでいきました。何故、そう仕方がないことだと笑えるのでしょうか。私がもし、触られたのならばまるで龍の逆鱗に触れたかのように暴れ回り、御相手方を皆殺しにしなければ気がすみませんもの。いえ、皆殺しというのは嘘ですけれど、それでもそれくらいの地獄を見せなければ許せないのです。
それは、勿論自分相手だけではなく私の大切な方がそのような目にあっても、同じように思います。
ですから、自分の事を卑下したかのように、仕方の無い事だと笑う女人の事を、有り得ないと心の中で少しだけ馬鹿に致しました。

お尻を触られた、その事実を隠してただ何時もの様に仕事をする姿を見て私は不思議に思いました。大きな声で言えば、宜しいのに、と。それから、もしかしたら恥ずかしくて言えないのではないか、と。
それならば、私が言って差し上げようとも、思いました。
今思えば私は頭が狂っていたのだと思います。いやらしい人間なのだと、今なら自分に言って差し上げれますが、その時は私は正義の心に満ち溢れておりましたから、そっと女人の為と思い声を上げ、性的な嫌がらせは辞めて差しあげなさい、だなんて、自分が偉い人だとでも思ったかのように、ただただ言い回ってしまいました。

私は愚かな人間なのです。もう一度言いますが、私はこの命が燃え尽きるまで許しを乞うことは致しませんし、許して欲しいとも思いません。ただ、私と同じ様な傲慢で愚かでいやらしい人間が生まれなければと思うだけに御座います。


女人は、私に「正義感と目立ちたがりを混合してはいけません」とそっと教えてくださいました。
私が言い回ってしまった故に、後ろ指を刺され同情の目で見られ、男性の方からはヒソヒソとうるさい蝿のような声で噂されるようになられました。
女人は、大層お美しく、鋭く何もかもを見透かしたようなお綺麗な瞳に真っ黒な長い髪の毛を纏う、まるで日本人形のようなお方でした。元々その美貌で周りの人から、注目を集めていたのですが、あれから更に注目を集めたようでその視線やうるさい蝿に我慢が出来ず、何時しか仕事をお辞めになられました。


これは、女人から聞いたことでは御座いません。しかし、あれから長い時間が経った今だからこそ、思うのです。
お美しい女人は、きっと全て慣れていたのだと思います。少しお尻を触られるのも、嫌がらせされるのも、それを指摘した結末も。美しさはきっと、何事も引き寄せるのです。それを容姿も性格も醜い私は知らずにおりました。恥じておりますが、それを謝ろうにも、もう既に女人本人には謝れる関係では無く、ただただ苦しむばかりなのです。
きっと、女人も私と同じように、暴れ回り皆殺しにしてしまいたいという思いはあったのだろうと、思いたいのです。
許されたいとはおもわないのです。ただ、私の無知を知って同情をして欲しいのです。女人に嫌われたくは無いのです。
嗚呼、このような時まで私は、自分のことばかりを考え、保身に走ってしまうのです。愚かで醜く、いやらしい。早く自分が死ねばいいと、恥じを感じるから思うのです。

再三にわたりお伝え致しますが、私はこの命が燃え尽きるまで、許しを乞う事は致しませんし、許して欲しいとも思いません。
しかし、無知で学がない私はそのような失敗がないと、知ることが出来ないのです。許して欲しいと思う訳がありません。ですが、どうか私をお嫌いにならないでください。私は可哀想な女なので御座います。






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この前、バイト先の綺麗な方がお尻を触られましたとおっしゃってました。少しヤンチャな男子中高生だったと思いますが。

咄嗟に「は?お尻を?!」と叫んでしまった私に、彼女はしっ!と止めたのですが、その時は何故止められたか分からず、そこから数日考えて、もしかしたら慣れていたのかも、とか、恥ずかしかったから、とか大事にしたくないから、とか沢山考えましたが、私は彼女とは違う人間なので完璧には分かりません。(私なら、大暴れします。相手に許しを与えると、調子に乗る可能性があるからです。何度も繰り返し、別の方が被害になんて、そんな可能性があるから。)

彼女はきっと、沢山悩み苦しんでいると思います。そう簡単に割り切れるものでもないと思います。他人の為に、そして自分の為に我慢するしか無かったのかと、思います。
私はそれを理解できず、大きな声で叫んでしまったのです。無知で、とても恥ずかしい。
そして、保身に走る様な自分がどこかにいる事が、許せないのです。そんな気持ちを少し織り込んで、書いてみました。
自分中心で自己満足な人間は、無意識で人を傷付けてしまうからこそ、自分の恥じさを知った時に誰かから許しを与えられては行けないと思うのです。

9/13/2023, 1:36:45 PM

夜明け前、私はふと目を覚ました。
君の声が聞こえた気がしたから。もしかしたら、それは夢の中で聞いた君の声だったのかもしれない。
けれど、どこか懐かしくて寂しくて、なぜだかムカムカしてしまったから一言怒鳴ってやろうと口を開いた。そしたら、間違えて目を開いてしまったみたいだ。起きなければ良かった。
ずっと寝ていたら、まだ君の声を聞けたかもしれないのに。

君が消えてから、私は後悔ばかりしている。
きっと、意味が無いのに君と再会できた日のことを考えて、涙ばかり流す練習をしている。
さよならの無い別れ方は確かに希望を持てるけれど、何度も新しい季節を受け入れる度に、絶望が降り積もる。馬鹿みたいだ。明確な別れがないと諦めがつかないような人間からすれば、生き地獄のようで。ただただ、また会えるかも、明日はきっと、明後日はきっと、そんな独り言をずっと心の中で呟いている。
私は、きっと君が好きだ。
恋とか、愛とかそんな言葉で片付けれる様な感じではなくて、もっと曖昧で矛盾を沢山含んでいて、台本もなく結末も決まっていないような1人芝居をしている間抜けな感じなのだ。
君は、人からの好意を受け取れないといった。逃げたくなると。だから、私から逃げたのだろうか。もし、私が好きと言葉にしなければ、君を生きる理由にしていると、言わなければまだ君はここに居たかもしれなのに。
そんな後悔ばかりを散り積もらせて、私は毎日布団へ潜る。

夢は好きだ。過去の君に会えるから。
私の夢は、視覚も聴覚も痛覚も現実と同じようで、見る景色も聞こえる音も、人に刺された時の痛みでさえも鮮明に明確に見せてくれる。
君が居なくなった日のことも、君が私の前にまた現れてくれるようなことも、何度も夢の中で見たけれど、やっぱり慣れることはなくてただただ苦しかった。
だから、今日聞いた君の声は、何処か過去で見たいつもの君のようだったから、懐かしくて仕方がなかった。
夢から覚めなければいい。何度も心に言い聞かせて眠っては見たが、望んでいない憂鬱な朝ばかりきてしまう。
神様は意地悪だ。そして、こんな時ばかり神様の存在を思い出す私も多分きっと意地悪だ。





君は、今も元気でしているだろうか。
ちゃんとご飯を食べているだろうか。あの綺麗な、桜の森の木の下で、三味線を弾き、長い髪の毛を纏め、目に移る全ての人の幸福を願っているのだろうか。
どうか、私のこの重い思いが、貴方を苦しめていませんように。それだけを祈って、私はまた目を閉じた。





─────────

おやすみなさい。きっと、貴方も良い夢を見てるよ。

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