のねむ

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7/6/2024, 12:21:16 PM

友だちの思い出は、沢山ある。
今はもう、友だちの思い出の「思い出」部分だけしか残ってはいないが。

私が、友だちから無視をされても何も思わなくなったのは何時からだろう。絶妙に保たれてたバランスがゆっくりと傾いて行くように、はたまた、砂時計が気付かぬ間に全て落ちきってた時のように、ゆっくりと、しかし瞬く間に私は人としての感情を失っていた。

いや、失っていた、と言うとちょっと違うのかもしれない。ただ見栄を張りたくてそう言った可能性もあると、私は心のどこかで思っている。
自分の感情に鈍感でいた方が楽だと、自分自身を洗脳し始めた時から、本心がどこにあるのかが分からなくなった。
それに対しても、特に危機感や焦りなどはない。どうせ、長生きする気はないのだから、と死という逃げ道が常に目の前に佇んでいるせいで、何もする気が起きないのだ。


死は救済だ。それは、私にとってだけで多くの人にとっては、違うのだと思う。
死は、人の数だけ存在する。天使か悪魔か、大人か子供か、見る人によって姿を変える其れは、私から見ればもう一人の私だった。
死によって、私は完成するのだ、と厨二病も大絶賛のこの言葉を平気で吐けるほどに、心の底からそう思っている。


ああ、話が逸れてしまった。
私は大変仲の良かった(そう思っていたのは私だけかもしれないけれど)友だちに、無視をされた。
二人で遊びに行き、お揃いのものを買って、笑いあっていたのに。
話しかけた言葉に帰ってくる音は無く。それを何度か続けた後に、「嗚呼。やっぱり」と確信したのだ。
最初は、悲しかったのだと思う。けれど時間が経つにつれてどうでも良くなった。
私が何かしたのなら、謝りたいと思う。しかし、それすらも教えて貰えず、謝罪を受け取り許したくもないのなら、関わらなくて良いのだろう、と自己完結したのだ。

私と彼女の物語は、そこで完結した。
ならばもう、何かを考えることも感じることも必要ないだろう。
私は、友だちの思い出だけを手に取ることで、それで充分に満たされている。
それだけなのだ。それだけで、私は彼女に対して興味も感情も失った。その事実がとても悲しい。

友だちとして、とても好きだったし愛おしかった。
なのに、人間として信用も信頼もしてなかった。


これは別に、後悔でも懺悔でもなんでもないけれど、自分が自分じゃなければもっと上手く生きれていたのだと思う。
ごめんなさい。マトモに生まれていれば、人間としての感情が、もっとあれば良かったのかもね。
それでもまあ、仕方ないか。生まれてしまったんだから。私が私として。


じゃあ、またさようなら。
貴方が長生きすることを祈ってます。





───────────



これは、誰にも分からない呪いの言葉。
けれど、貴女からしたら祝福の言葉。



──────────



私は本を通して他人の人生を経験する人なんですが(多くはそうかも、)本の中に入って自分が全てを受けたように感じる、傷も胸も酷く痛む、のに、でもやっぱりそれはまがい物、授けられた物で、結局は返さなきゃ行けない。
男になったり女になったり、賢くなったり馬鹿になったり、犯罪者になったり。そうしても結局、現実の自分は何も無いただの人間。ちょっと悔しい。


今日は、「少女葬」と「贖罪」を読みました。
どちらを読み終えても、苦しくて胸のモヤモヤは決して取れず、数日は思い出してしまうだろうなと思いました。
昨日は、「滅びの前のシャングリラ」を。

何を読んでも、やはり死は救済としか映らない。
生きたまま何もかもを背負って生きる方が、死ぬよりも何十倍も難しい。

6/7/2024, 5:43:20 PM


「待ってたよ。ずっと」

夜はまだ起きている。だから、朝はまだ起きない。
薄暗い海の中で、君は月の光だけに照らされてぼんやりと、しかし力強く立っている。

「はは、遅かったか?」

ふわりと海の匂いを巻き込んで、風が吹く。
悪いなんて少しも思ってなさそうな顔で君が笑ったから、何となく許してしまいたくなった。
君の悪い癖と私の甘さの重なりは、お互いの凹んだ部分を埋めるように、心地良さへと変化する。

「どうせまた、賭け事でもしていたんでしょう?」

黒いズボンの後ろポケットに、くしゃくしゃになった新聞が入っている。
君の趣味は、確か馬だっただろう、そう呟くと、あちゃーやっちまった! と、後ろポケットに手をやり新聞を引っ張り出した。

「勝敗は?」

ふ、と全てが闇に包まれる。
月が顔を隠してしまったみたいで、君の表情が上手く読み取れなくなってしまった。

「面白いくらいの惨敗だ」

ぱしゃっ
遠くの方で魚が跳ねた。

「……そう」

ゆっくりと、月が顔を出し、君の広げた新聞に光を注いだ。
確かに、それは面白いくらいの惨敗かもしれない。

見開き一ページ、大きく載せられた無機質な文字。
【桜の木の下で男性の遺体発見】


「見つけられるとは、思わなかったんだけどなぁ」

ぽつり、呟く。
君の吸い込まれるような暗い黒い瞳が、私を捕らえる。


「……なぁ、約束しただろ?」
「……嗚呼。そうだったねぇ」


酷く不安定な声だ。縋るようで、なのに手を取って救い上げて欲しいとは思っていない。
答えなど、求めてはいないのだろう。だけど、答える。

波の音に負けない様に、聞こえるように、声を出して。


「いつかまた会おうって、約束しただろ」
「うん、うん。そうだった筈だよ」


ひとつひとつ、何も間違いなどないのだと、肯定して安心させてあげるのだ。
赤子に話しかけるように、優しく。やさしく。


「俺は、約束を守れたか?」
「……それは、分からない」


約束、とは、いつから呪いになるのだろうか。
守れぬ約束など、最初から結ばなければ皆、無責任に幸せでいられるのに、

「……人は何故約束をするのだろうねぇ」

ざぷん、波が変な音を立てて泡を立てた。
それを二人して見て、何となく目を合わせたら、それが可笑しくて笑いが込み上げてきた。


くすくす、はは、二人の笑い声が薄暗い海に響く。
どうやらその声で、朝が起き始めたようだ。
それは、私達の終わりの合図でもある訳で、こうしちゃいられない、と呼吸を整える。



君が言う。

「もし来世があるなら、また会おう。約束だ」

「なんで今、約束をするのかなぁ」

「はは、悪い」

そう言う癖に、悪いなんて少しも思ってなさそうな顔で笑うから、何となく許してしまいたくなった。


「そりゃあさ、未来に期待したいから、だろ」


きっと何度繰り返しても、同じことをしてしまうんだろうな。
世界の終わりに君と、生きていた。



そんな気がしている。





─────────────────

それが、二人の約束。




約束は、呪いなのか、はたまた祝福なのか、願いなのか。
人によって変わってしまうことだけど、それが誰かの生きる理由になるんだろうなと思います。
義務になれば、辛いけれど、辛ければ辛いほど忘れられない物になる。
それが、酷く美しいなと思います。




久しぶりに書くと、難しいですね。本を読まなくなってしまったから、言葉が出なくなりました。
元々頭の回転が遅い上に、言葉の選び方や種類が最悪なのですが、本を読むと少しだけ上昇するんですよ。
影響されやすい体質ってのが、そんなとこにまでって感じですが、



浮上しない間に沢山ありました、けど、眠たいので今日はここで。

おやすみなさい。良い夢を。

5/28/2024, 10:01:40 AM

調子に乗って半袖半ズボンにしたけどさ、まだ寒かった。

3/22/2024, 3:35:52 PM

バカみたいだ。
20歳になれば、何か変わると思ってた。

忘れられない人達を、懐かしいと思えるんじゃないかって思ってた。
綺麗なものに心をずっと覆われて、毎日を現実として受け入れられない自分が、変わるんじゃないかって思ってた。
忘れられないのに居ない日々に慣れていく自分から、目を背けられるんじゃないかって思ってた。
けど、何も変わらなかった。

ただいつもと同じように、起きて仕事して寝る。それだけだった。何も変わらない。バカみたいだ。
20年も生きてきたのに、目標も無い。したいことすら見つからない。自分の中で自分が完成していないから、ずっとさ迷っているのだ。

根は優しい。中学生の頃に言われたその言葉がずっと頭の中で木霊する。
優しいのではなく、臆病で怖がりなのだ。
自分が傷付くのが嫌だから、嘘ついてのらりくらり交わして、私だけを守る。そんな人間なのだ。
だからこそ、根は優しいの言葉に囚われている。
あの子は気付いていたんだと思う。私が弱いということに。


性格が悪いから、死にたいのだ。
私の好きな人達が、大切な人達が、私のせいで傷付いていく。
だから、私の前からいなくなって欲しいのだ。私の居ない所でどうか幸せになって欲しい。
他者に対する愛はない。相手の態度ひとつで私の感情全てが変わる。
成長しない。ずっと、成長できない。
年齢がただただ積もっていくだけで、何も変わらない。



空が綺麗だと思うのも、桜が美しいと思うのも、夜の海が怖いと思うのも、全て生きて心があるからなのだろうか。



「産んでくれてありがとう」その言葉は言えなかった。
「育ててくれてありがとう」は言えた自分に嫌気がさす。


何となく、生きているこの日々が心地いいと感じる自分が
本当にバカみたい。




──────
3月20日に、20歳になりました〜🌸
お酒を飲んでみましたが、ジンライムが1番美味しかったです。

20になっても何一つ変わらない、という話を書きたかったんですが、何も思い浮かばず…。
生きているというのは、何とも難しいことですね。

思考がずっと暗い方向に向かうので、同じ文章ばっかり浮かびます。
明日は今日の自分より少しでも明るければいいなと思います。

ちなみに、のねむって名前はのーねーむからーを消しただけなんですよ^..^♩
割と安直


3/15/2024, 3:45:49 PM

星が溢れる。
黒の中から、キラキラと零れ落ちている。


人は死んだらお星様になると、小さい頃誰かに教えてもらった事がある。
あの星の中には、忘れられた人達もいるんだろうか。
容姿も声も忘れ去られ、名前すら呼ばれることの無い、どこにも漂えない人。
例えるなら果てしない海の中の流木だろうか。
いつか荒波に飲まれ潰され折れて、そして海の中に消えていく。きっと、そう。




キラキラ。
夜が闇を連れて降りてくる。
けれど、夜には穴が空いている。どこかから零れ落ちてくる光が、外の世界を教えてくれているようだ。

「ああ。そちらの世界はとても良いところだろう」


星を名前に飾った彼は、導かれるように空へ吸い込まれた。どこにいるかも分からないけれど、黒に負けない色で輝くあの星は、多分きっと彼だと思う。


忘れられなくてもいい、と思う。きっと、忘れなくてもいいんだと思う。あの美しい日々は、私の中の最高の恋だった。最大の失恋だったんだ。








どうか、君を忘れられない私を赦しておくれ。
だけど、君がいない日々に慣れる私を赦さないでいて。








───────

口にしなければ、きっと何を思っていてもいいんです。
忘れなければいけないことは、口にしなければ忘れているも同然なのです。だって私しか知らないのだから。


キラキラしてて、だけど眩しくない優しい光を纏う星は、彼に似ている。
もう二度と会えないけれど、名前を呼ぶことすら多分許されないけど、だからこそ、彼がそれを見て少しだけ後悔をしてくれたらいいなと思います。


生まれ変わりは無くてもいいです。
きっと、生まれ変わってしまえばもう二度と本当に見つけられないから。


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