無人島、うん。
「はい、コーヒー。ここ置いとくよ。」
「ん。あ、電話…」
四角い箱が俺のコーヒーから関心を奪う。
「あ、はい!もしもし。」
クソ…今からのんびりタイムなのによ。
良いことを思いついた。
と、いうかこんな場面での十八番。
スマホに近づけている耳の反対側に顔を寄せる。
「声、気をつけろよ?」
シワ一つないスーツを乱し、中に手を侵入させる。
中にある棒を掴み刺激する。
先端をグリグリと押しつぶすようにしながら上下に動かす。
必死で声を抑えながら応対する君が愛おしい。
絶頂直前で手を離す。
訴えるような視線を浴びたが気に留めてやるものか。
固くなった物の姿を露わにし、口に含む。
熱く、心臓の力強い鼓動を感じる。
と、いきなり頭を掴まれた。
「!?」
「もう、電話終わったよ?次僕の番ね。」
喉奥までギチギチに圧迫される。
乱暴に出し入れをされ視界がぼやける。
まるで口をレイプされているみたいだ。
頭がぼんやりしてきた所で喉奥に熱い液体が注がれる。
拒むことも出来ずそのまま喉を通っていった。
涙ぐみ、えずいているとまたもや頭上から声がした。
「ベッド、行こうか。」
「…コーヒー冷めるぞ。」
「僕らはまだ熱々でしょ?」
「秘密だよ。」
ある快晴の日の屋上での出来事だった。
オレには友達がいない。
勿論一匹狼なんてかっこいいもんじゃない。
ただのボッチ。話しかけられたらキョドってしまう。
一つ一つの言動に対して反省会を開く。
そして昼ご飯も勿論ボッチ飯。
教室で食べるのがつらいな…。
周りは駄弁ってる。1人黙々と弁当をつつく。
…惨めすぎるな……。
あ、屋上行けばいいじゃん。
陽キャは大体教室で食べてるし。
ワンチャン一人なんじゃね?
誰か居たら戻ろう。入り口から覗いてこよう。
屋上扉の前に立ち、ドアを少し開けてみる。
誰も居ない…な?
ほっと安心して一歩踏み出すと…目線の先に人が居た。
2人。いや、1人って言ったほうがいいのか?
合体。してる。しかも男2人。
突っ込まれてる方は気持ち良すぎるのか、全くコッチに気づいていない。
突っ込んでる方は腰の動きを止めない。見てんのに。
ヤバいだろアイツ。てか、誰だよ。別のクラスか、よかったわ。見られてんだぞ?止めろよ。気まずくなれよ。
コッチをガン見しながらガン突き。
そしてソイツは口元に人指指をやってこちらに微笑んだ。
誰が言うかよ。てか、話す奴いねーわ。
扉を閉めて。教室までの帰路につく。
あれは夢ってことにしよう。
……いや。教室には戻れない。
「クソッ…なんであんなんで…反応しちまうんだよ…」
膨れ上がった下腹部。惨めだ。
今夜、見知らぬ街に出かける。
友人らと成人を祝って居酒屋で呑んでいた。
内の1人が提案してほろ酔いの新規アダルツの俺らは夜の街へ歩みを進めた。
…かと言っても店にいきなり入る勇気もなく、ふらふらとただ歩いていた。
見知らぬ町。
俺等にとっては歩くだけでも充分に刺激的だった。
ネオンに包まれた夜でも最高に明るい街。
きらびやかな女が乳を揺らして歩き去っていく。
ふと、見知らぬ街に見知った顔を見つけた。
大胆な赤のタイトドレスに身を包んだ妖艶な女。
住む世界の差を見せつけられるような女だが、やはり顔はすっかり見知っている。
普段の服装とは真逆だ。
いい体してんだったらだしゃいいのにな。
これだから女ってのは分からねえ。
頭では冷静にしているつもりだったが、どうも体が動かない。
反射的に彼女に視線が吸い付いて離れない。
酔いはとっくに覚めていた。
赤いドレスの女の背中をネオンライトが照らしてた。
真昼に見たMidnight blue。