同性愛、注意。
夏が来た。君と過ごす夏だ。
…と言っても君は俺の事を知らないと思うケド。
俺は君のことを何でも知ってるよ。
通ってる高校、友好関係、家族編成、住所、利き手、好物、趣味、特技、志望校、全て調べてきたからね。
おっと、そろそろ下校時間だ。今日は部活がない日だから急がなければ。
度無し眼鏡をかけて、街に溶け込む普通の服装。
でも少し大きめのサイズで。カメラを隠すためにね。
どれだけ小さいものを購入してもやはり生で持つわけには行かない。
あ、来た。今日も1人だね。ふふ…大丈夫。俺がいるからね。
いつもの道を進んでいく。
撮れるときは取り敢えずシャッターを切る。
君は何処を切り取っても絵になるからね。
通学路も学校も家も、ずっと写真を撮ってきたけどどれ一つとして同じものはないから。
あ、でもお気に入りは体育でバレーボールをしてたときかな。ボールを上に上げてたから腰のラインがより際立ってて…最高だったよ。裸の君も見てきたけど体操服ってやっぱり特別だよね〜。
……あれ、今日は珍しく買い食いするんだ。やっぱ夏だから体力使うもんね。何買うのかな。お、アイスか。何味かは知ってるよ。バニラでしょ?ふふ…やっぱり。
あ〜もう可愛いな。買い物に慣れてないから緊張しちゃって。店から出てきたときのやりきった顔!あ〜堪んない。
そしてまた帰路につく。セミの声が鼓膜を揺さぶる。汗がじっとりと張り付いて気持ち悪い。(でもそのお陰で君が更に…良い)暑さに頬を火照らす君が俺を刺激する。
夏の全てが君を輝かせ、俺を挑発させる。
棒アイスの包装を細い指でピリピリと破る。
……そして先を軽く咥え、先端を舐め取る
セミの声はもう届かない。
夏の暑さも吹き飛んでしまった。
アイスは途端に溶かされる。
ポタポタと白い液が滴り落ちる。
その雫を受け止めようと棒アイスを斜め上に、そして下側をぬるりと舐め取る。
そして大きく口に含んで、歯で勢い良く齧り取る。
セミの合唱がまた鼓膜に突き刺さる。太陽の光が肌をじっとりと湿らす。
と、焦って己の下腹部を確認する。
やべっ…勃ッ…
これではただの不審者ではないか。人目を気にしつつ、何食わぬ顔で自宅へと戻る。
……まだ興奮は収まっていない。
8/12/2025, 12:54:06 PM