椋 muku

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11/28/2024, 1:53:45 PM

終わらせないで、この関係を。終わってしまったら私も君もきっと全部壊れちゃうから。終わらせてしまったのは私でも君でもなかった。時間という二人の間を流れるものが私たちを。私たちの心を引き離してしまったのだから。

「好きだったよ」

私のこと今まで一度も好きだって言ったことなかったくせに。曖昧な関係を保ったまま過ごしてきた日々に終わりがくるのは簡単だった。終わらせないでって願ってたのは君も一緒じゃなかったの?

「僕じゃ幸せにできない」

ありふれたセリフ。君じゃなきゃダメなの…とでも言ったら?いえ、君は最初から私と恋人になるつもりはなかったんでしょ。君の思ってる基準では幸せに出来なかったかもしれない。それでも私は十分幸せだったよ。こんなこと今思ってもどうしようもないのにね。

終わらせないで。友達以上恋人未満の関係が心地よくてお互いに自由気ままに過ごせてた。でも私と君を繋ぎ止めるものはもう無くなった。何度も君に伝えた「終わらせないで」。君が誓った「永遠」。さよならを伝えることはないと思ってたのに残念だったね。じゃあもうここに戻ってくることもないと思うからバイバイ、今までありがとね。

君の合鍵を置いて出ていったあの日。それから何年が経っただろう。君の連絡先を消せずに毎日眺め続ける癖はまだ残ってる。君は新しい人できたのかな。私は君に囚われたままだよ。君が誓ってくれた「永遠」を墓場まで持っていくつもり。終わらせないで。私は確かに言ったよね。過去の思い出に縋り付いて過去の君との終わることの無い関係を1人でズルズルと続けてる。もういい加減やめにしたいのに。ライターで火をつけるタバコ。君の好きだったタバコはすっかり私好みの苦さへ変わってしまっていた。

題材「終わらせないで」

11/27/2024, 12:28:55 PM

生まれてからどんな形であれ親や周りからの「愛情」をもらって人は育つ。いつしか人は愛を知りいつか出会う誰かと愛を育んでいくのだろう。そうして愛情というものは巡り巡る。

さてさて、本日も私は君にやられっぱなしでした。何を?って、決まってるじゃいですか。ずっとドキドキされられっぱなしなんですわ、それが非常に悔しくてたまらない。ここまでくると君が「たらし」なのかと疑いたくもなる。でも君が甘えてくるのは私だけなんだ…少なくとも私が知ってるところでは。
君が寝てる授業中。頬杖をついているように装って熟睡してる。気づいてるよ、だってページをめくる手が動いてないんだもん笑
ペンでつんつん突っついて起こしてあげる。君がゆっくり目を開けて幸せそうに笑いながら私の方を見る。て、天使…!?

「なんでいつも起こすんだよ?他の席にすれば良かった」

って怒ったように掃除中に言い放つ。

「私に起こして欲しいから隣の席にしたんじゃないの?へーそんなこと言うんだー?」

本気で怒ってる訳じゃないのは分かりきってるから私もムキになったように返す。すると、君は照れたように嬉しそうに笑う。そのニヤニヤが隠せてなくて私に言い返せなかった事に気づいてないフリして掃除を続けた。

「前歩いてよ」

「やだー」

こんな会話、最近毎日してる。君が内履きのかかとを踏むから歩きたくないって言ってるのに、ね笑
君がまた私の腕を掴んで引き寄せる。あーほらまた私をドキドキさせようとしてる。人が少ないからいいけど…そんなんじゃなかったらとっくに振り払ってるからね?君が手を掴んでくれたくせに君から手を離そうとするなんて…そんな事していいと思ってるんだ?私は君の手を離すどころか強く握った。いつもの仕返し。たまには私にもドキドキして欲しいな、君がどう思ってくれてるか知らないけど。

筆箱を覗いた時、ふと思い出した。君が私の筆箱をよく持っていくこと。だから私は君の筆箱を使う。君のボールペンを使った時、書きやすくて心地よくて凄かった。なのに私は文房具なんて興味なくて書きにくいもの使っててなんか申し訳なくなった。だから君が使いやすいようなボールペンが欲しかったなってふと思ったのだ。だから買いに行った。シンプルだけど書きやすい。そんなペンだった。君のために買って君のために学校へ持っていく。私からのささやかな愛情。ボールペンを替えた理由は君には秘密だけど、全部君のためだよ。君からの愛情は沢山貰ってるしちゃんと受け止めてる。でも私からもたまには…本当はいつも倍以上で返したいけど愛情を贈らせて欲しい。大好きだよなんて言えないけど、私からの愛情、受け取ってね。

題材「愛情」

11/26/2024, 11:47:40 AM

頭がボーッとしてる。手も顔も火照ってる。風邪は引いてない。でも私の身体が微かな熱を帯びている。君が触れたあの時から。

君の隣の席。それは有料でもおかしくないほど供給が多い。君が答えをまんま写してる教科ごとのワーク。私は取り上げることが出来る。君が授業中に寝た時。私が起こしてあげられる。私が隣じゃなかった時は答えを取り上げられることも無かったし起こしてあげるのも私じゃなかった。気のせい?私に答え取られた時にニヤつきが隠せてない表情も起こされた時の幸せそうな表情も。君の気持ちって意外に素直なんだね。
移動教室をしてもなお私の隣に座る君。今日の理科の実験は変化した色が青か緑か。たったそれだけの事で言い合ったね。君が青だって言いながら私の顔に近づいてきたのはびっくりした私をからかうため?私にもたれかかってくるのは私をわざと困らせるため?
移動教室から教室へ戻るとき。君は私にかまって欲しくていつも内履きのかかとを踏んでくるよね。私を追いかけてきた君がそうすることなんて分かりきってるから君の後ろを歩いてた。前を歩いてって言われたけど抵抗し続けたら手を掴んで引き寄せて隣で手を繋いで歩いちゃったね。私の反応楽しんでるの?それとも君も私に触れたいって思ってくれてるの?

私と違ってごつごつとした男らしい手に握られた感覚を身体が覚えてる。冷えた手が一瞬で燃えるような熱を帯びるあの感覚。君は罪な人だね、私はもう君じゃないとときめかないらしい。夜になった今でも帯びた熱が残ってる。頭の働きが低下して身体中が火照るような熱さ。熱にもなれぬ中途半端な微熱。

題材「微熱」

11/25/2024, 12:24:40 PM

ねぇ、太陽って英語でなんて言うの?

えぇ、小学生の時に習ったじゃん。覚えてないの?Sunだよ。スペルがエス・ユー・エヌ。

お題を見て最近こんな会話をしたなって思った今日この頃。ちなみに教えてあげたのは私です。
太陽。そんな言葉がふさわしい君との今日の思い出。言の葉を紡いでいきたいと思います。


さてさて、今日はテスト。月曜からテストなんて憂鬱で今日に限ってタロット占いも良くない模様。いつの間にか家を出る時間になって外へ出てみれば雨上がりのじめっとして、でも空気はキリッと冷えてるような不思議な天気だった。嫌な予感のする始まり。はぁーっとため息混じりに吐いた息は心なしかやけに白く感じた。
テスト勉強なんて昼休みにまでやるもんなのか?もうこんなにらめっこなんてしたくないし文字も頭に入ってこないし…

「俺も勉強するー」

気だるげな声で私の問題ガイドを取り上げる君。

「何すんだよー(棒)それなきゃ勉強出来んのだ、返したまえー」

「やだ。さぁ、勉強するよ。」

そうして君との無言の勉強が始まる。ペラペラと問題ガイドをめくる音。騒がしい教室の隅で私達にだけ聞こえてた音。

あーテスト終わった。帰りたー。自己採点とか面倒だな。そう思ってた矢先「席替えするから呼ばれた女子からこーい」って先生が呼びかけた。私の名前も呼ばれた。席を立つ時から教室を出ようとする時まで謎の視線を感じる。

「何?君の近くにして欲しいの?」

冗談交じりの言葉とともに君へはにかむ。

「…別に」

ありゃあ。こりゃあそっぽ向いちゃったか。適当に席を選び終え再び自己採点を始める。君も教室から出て席を選択してきたみたい。君と離れてもは良いけれど、せめて君の姿が見える席にはなりたいな…なんて私、欲張りすぎか。そして席が決まって貼り出されるとみんなで席移動。私は隣なんて正直誰でも良い…んだけ…ど

「えぇ?本当に隣にしたの!?」

「ん?ダメだった?じゃあ今からでも他の席に…」

「ダメ。私の隣がいいんでしょ?」

いたずらっぽく君に笑いかける。本当は君に隣に来て欲しくてここの席を選んだってことは秘密だけど。
今日の始まりは良くはなかったはずだった。でも君に会うだけで思い出にだってなっちゃうらしい。その後も君が私の手をとって…その、しれーっと手を繋いだり君のサブバッグを奪ってやったり…周りから公認カップルだって言われるくらいイチャつき倒した。

太陽が沈みゆく下で私たちは下校する。お互い友達と帰ってたはずなのに…君が私の横を走り過ぎていく。君の匂いが香ってこんなにも胸が苦しくなるのはなんで?私の太陽みたいな人。本当に沼らせてくるんだから…私にも沼ってよね、沼らせてあげるから楽しみにしてて笑

題材「太陽の下で」

※ほぼ関係ない話題でした笑
睡魔と格闘中にできた作品です笑

11/24/2024, 11:15:29 AM

毎日少しずつ寒さが増して冬が近づいてきてる。こんな寒い日にはセーターみたいな温かさが恋しくなる。そっか、もう冬なのか。

あー…うーん……冬といえばクリスマス。そんでもってクリスマスには赤い服を着てプレゼントだかなんだかを子供たちに無料配送(親負担)する奉仕活動を行ってるおじさんがいるとか。しかし、子供と大人の間を彷徨う青春を謳歌する年代からはそんなおじさんの存在など気にも止めないのだ。今や友達や恋人同士への贈り物をする風習の方が強い時代になったらしい。
さてさて、そんな贈り物について私は現在悩んでいる。君に贈り物をするべきか、、、いやでも君とは恋仲な訳でもないし、、、うーん。そこからが問題で話が進む気配は一向に見られない。とりあえずプレゼントについて検索をかけてみる。
マフラー。マグカップ。手作りスイーツ。
どれもパスだな。ちょっと重すぎやしないか。特にスイーツは…爆弾を作ってしまう自信しかない。でも手作りなら…あ、セーターとか?手編みセーターって…あーダメだ、私はそんなに女子力高くない。手編みセーターなんて柄じゃないもの作れないわ。あーもうやめにしよ。今年の贈り物はなしだ。君と恋人になってから沢山の贈り物をすることにしよう。

冬になればきっと君と帰ることがあるだろう。いや、どんな手段を使っても君と帰る。君のテレフォンカードを私が奪ったら、嫌だとか言いながら一緒に帰ってくれるもんね。たとえ贈り物をしなくたって君と私は十分仲良いし、大丈夫だよ!でも今年は友達としてじゃなくて異性として意識してくれないかな。今年は手、繋いでも良いよね?そう考えながらクローゼットにしまっておいたセーターを掘り出した。久々に着たセーターはすぐに熱を帯びた。ぬくぬくとしながら明日会える君のことについて再び考え始めるのだった。

題材「セーター」

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