椋 muku

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生まれてからどんな形であれ親や周りからの「愛情」をもらって人は育つ。いつしか人は愛を知りいつか出会う誰かと愛を育んでいくのだろう。そうして愛情というものは巡り巡る。

さてさて、本日も私は君にやられっぱなしでした。何を?って、決まってるじゃいですか。ずっとドキドキされられっぱなしなんですわ、それが非常に悔しくてたまらない。ここまでくると君が「たらし」なのかと疑いたくもなる。でも君が甘えてくるのは私だけなんだ…少なくとも私が知ってるところでは。
君が寝てる授業中。頬杖をついているように装って熟睡してる。気づいてるよ、だってページをめくる手が動いてないんだもん笑
ペンでつんつん突っついて起こしてあげる。君がゆっくり目を開けて幸せそうに笑いながら私の方を見る。て、天使…!?

「なんでいつも起こすんだよ?他の席にすれば良かった」

って怒ったように掃除中に言い放つ。

「私に起こして欲しいから隣の席にしたんじゃないの?へーそんなこと言うんだー?」

本気で怒ってる訳じゃないのは分かりきってるから私もムキになったように返す。すると、君は照れたように嬉しそうに笑う。そのニヤニヤが隠せてなくて私に言い返せなかった事に気づいてないフリして掃除を続けた。

「前歩いてよ」

「やだー」

こんな会話、最近毎日してる。君が内履きのかかとを踏むから歩きたくないって言ってるのに、ね笑
君がまた私の腕を掴んで引き寄せる。あーほらまた私をドキドキさせようとしてる。人が少ないからいいけど…そんなんじゃなかったらとっくに振り払ってるからね?君が手を掴んでくれたくせに君から手を離そうとするなんて…そんな事していいと思ってるんだ?私は君の手を離すどころか強く握った。いつもの仕返し。たまには私にもドキドキして欲しいな、君がどう思ってくれてるか知らないけど。

筆箱を覗いた時、ふと思い出した。君が私の筆箱をよく持っていくこと。だから私は君の筆箱を使う。君のボールペンを使った時、書きやすくて心地よくて凄かった。なのに私は文房具なんて興味なくて書きにくいもの使っててなんか申し訳なくなった。だから君が使いやすいようなボールペンが欲しかったなってふと思ったのだ。だから買いに行った。シンプルだけど書きやすい。そんなペンだった。君のために買って君のために学校へ持っていく。私からのささやかな愛情。ボールペンを替えた理由は君には秘密だけど、全部君のためだよ。君からの愛情は沢山貰ってるしちゃんと受け止めてる。でも私からもたまには…本当はいつも倍以上で返したいけど愛情を贈らせて欲しい。大好きだよなんて言えないけど、私からの愛情、受け取ってね。

題材「愛情」

11/27/2024, 12:28:55 PM