終わらせないで、この関係を。終わってしまったら私も君もきっと全部壊れちゃうから。終わらせてしまったのは私でも君でもなかった。時間という二人の間を流れるものが私たちを。私たちの心を引き離してしまったのだから。
「好きだったよ」
私のこと今まで一度も好きだって言ったことなかったくせに。曖昧な関係を保ったまま過ごしてきた日々に終わりがくるのは簡単だった。終わらせないでって願ってたのは君も一緒じゃなかったの?
「僕じゃ幸せにできない」
ありふれたセリフ。君じゃなきゃダメなの…とでも言ったら?いえ、君は最初から私と恋人になるつもりはなかったんでしょ。君の思ってる基準では幸せに出来なかったかもしれない。それでも私は十分幸せだったよ。こんなこと今思ってもどうしようもないのにね。
終わらせないで。友達以上恋人未満の関係が心地よくてお互いに自由気ままに過ごせてた。でも私と君を繋ぎ止めるものはもう無くなった。何度も君に伝えた「終わらせないで」。君が誓った「永遠」。さよならを伝えることはないと思ってたのに残念だったね。じゃあもうここに戻ってくることもないと思うからバイバイ、今までありがとね。
君の合鍵を置いて出ていったあの日。それから何年が経っただろう。君の連絡先を消せずに毎日眺め続ける癖はまだ残ってる。君は新しい人できたのかな。私は君に囚われたままだよ。君が誓ってくれた「永遠」を墓場まで持っていくつもり。終わらせないで。私は確かに言ったよね。過去の思い出に縋り付いて過去の君との終わることの無い関係を1人でズルズルと続けてる。もういい加減やめにしたいのに。ライターで火をつけるタバコ。君の好きだったタバコはすっかり私好みの苦さへ変わってしまっていた。
題材「終わらせないで」
11/28/2024, 1:53:45 PM