頭がボーッとしてる。手も顔も火照ってる。風邪は引いてない。でも私の身体が微かな熱を帯びている。君が触れたあの時から。
君の隣の席。それは有料でもおかしくないほど供給が多い。君が答えをまんま写してる教科ごとのワーク。私は取り上げることが出来る。君が授業中に寝た時。私が起こしてあげられる。私が隣じゃなかった時は答えを取り上げられることも無かったし起こしてあげるのも私じゃなかった。気のせい?私に答え取られた時にニヤつきが隠せてない表情も起こされた時の幸せそうな表情も。君の気持ちって意外に素直なんだね。
移動教室をしてもなお私の隣に座る君。今日の理科の実験は変化した色が青か緑か。たったそれだけの事で言い合ったね。君が青だって言いながら私の顔に近づいてきたのはびっくりした私をからかうため?私にもたれかかってくるのは私をわざと困らせるため?
移動教室から教室へ戻るとき。君は私にかまって欲しくていつも内履きのかかとを踏んでくるよね。私を追いかけてきた君がそうすることなんて分かりきってるから君の後ろを歩いてた。前を歩いてって言われたけど抵抗し続けたら手を掴んで引き寄せて隣で手を繋いで歩いちゃったね。私の反応楽しんでるの?それとも君も私に触れたいって思ってくれてるの?
私と違ってごつごつとした男らしい手に握られた感覚を身体が覚えてる。冷えた手が一瞬で燃えるような熱を帯びるあの感覚。君は罪な人だね、私はもう君じゃないとときめかないらしい。夜になった今でも帯びた熱が残ってる。頭の働きが低下して身体中が火照るような熱さ。熱にもなれぬ中途半端な微熱。
題材「微熱」
11/26/2024, 11:47:40 AM