ミントチョコ

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12/14/2024, 12:34:38 PM

題 イルミネーション

イルミネーション

「ねえ!見て〜!キレイだよ、イルミネーション!」

そう君が楽しそうにはしゃぐから、僕は君に笑いかける。

「そうだね」

確かに、周りはカップルが沢山いて、皆、巨大なクリスマスツリーから四方に伸びる色とりどりのカラフルな光ファイバーが輝くイルミネーションに見惚れてる。

そして、中央のスクリーンにはプロジェクトマッピングが映っていて、オーロラ色の星や、キラキラ光るサンタとトナカイが街を走っている幻想的な光景が立体的かつ色とりどりに映し出されている。

君はイルミネーションが大好きだから、このイベントが告知された瞬間に僕にメッセージ送ってきたよね。

そんな君が可愛くて二つ返事で了承したけど、やっぱり来てよかったって思う。

イルミネーションも綺麗だけど、何より横に輝く笑顔の君がいてくれるから。

それだけで今週の仕事の疲れが今吹き飛んでる。

君が隣ではしゃぐ姿を見るのって、僕には結構なご褒美だな、なんて考えてる。

「つれない返事だなぁ、このキラキラ達、見てる?」

君はちょっとぷぅっと頬を膨らませて僕を見る。

「見てる」

主に君の方をね、っていうとイルミネーション見てってブーイングが起きそうで、無難な返事を選ぶ。

「そっか」

僕の返事に君はすぐに笑顔で機嫌を直して腕に手を絡ませる。

ちょっと、この可愛い生き物、何とかして欲しい。
君のぬくもりに幸福感が溢れまくる。

「一緒にイルミネーション来れて嬉しい、また来年も来たいな」

君が瞳をキラキラ輝かせて僕の顔を見る。

「うん、また来よう」

僕の返事は短いけど、内心は君といられる幸せに溢れているよ。

たくさんたくさん君に愛を伝えたいけど、照れくさくて伝えられないこともある。

こうして君が笑顔でイルミネーションを見ている姿に、僕を見つめる瞳に、優しく繋ぐ手のぬくもりに、僕からは伝えられないのに君から愛情をたっぷり注がれている気がする。

・・・僕も君に伝えたい。

「今日、とっても可愛かった。いつも大好きだよ。僕の彼女でいてくれてありがとう」

そう言ったら、君は喜んでくれるだろうか?
僕に眩しい笑顔を向けてくれるだろうか。

そんな期待を抱きながら、僕は彼女の瞳を捉えて口を開いたんだ。

沢山の色とりどりの優しい光たちに包まれながら。

12/13/2024, 12:48:23 PM

題 愛を注いで

愛を注いで

私は足りない。

愛が足りないの。いつも不足してる。
誰にも愛されない気がしてる。
人生でいつも1人だと思ってしまう。

だからいつも試してしまう。
私のこと好きなのかどうか。

それで、やっぱり分かる。相手は私のことなんて好きじゃないんだって。

「私、誕生日にはあのこないだ言ってたブランド指輪とネックレスが欲しいな」

「え、まだ俺学生なんだけど・・・」

大学になった私は相変わらず試してしまう。
そんなことしたって仕方ないって思うけど、他にやり方を知らないの。


「えー、私のこと愛してるなら買ってくれてもいいじゃない?それとも愛してないの?」

「いや、そりゃ愛菜のことは好きだけど・・・」

「じゃあどんなことしても買ってくれるはずだよね?彼氏でしょ?ね?」

「・・・分かったよ・・・」

渋々言う彼氏の腕に抱きつく。

・・・これで愛されてるって実感できる。
無理しても私の為に動いてくれたんだから、私のこと愛してるって証明だもんね。

彼氏が暗い顔でため息を吐いている表情を私は見逃してた。 


次の週、私は大学のベンチで沈んだ顔で座っていた。

なぜなら一昨日、いきなり彼氏から別れようって言われたから。

プレゼントとか高すぎだし、ワガママだし、私の存在が重荷だって言われた。

こういうことが何度もある。


ほらね、ほら見なさいよ。
みんな私のことなんて嫌いなんじゃない。

私のこと好きでいてくれる人なんて誰もいないんじゃない。

私の望み一つ叶えてあげたいっていう気持ちなんてないんだから。

だから、私も世界が嫌いなのよ。

好かれなきゃ好きになんてなれない。


「あっ、ねえねえ、プリント取ってくれる?」

そんな破滅的な気持ちでいた私の耳にいきなり声が聞こえてきた。

声の方を見ると、ひらひら風に飛ばされてるプリントを頑張って追いかけてる男性が近づいてくる。

掴もうとしては、風に翻弄されてる。

その光景が可笑しくてクスッと笑うと、私は足元にやってきたプリントをすくい上げると、男性に手渡す。

「追いかけっこ、お疲れ様」

「あはは〜カッコ悪いとこ見られちゃったね」

・・・なんだろ、この人全体的にほわほわしてるな。
猫っ毛で笑顔が何か可愛い。

「このプリントね、あ、見てみて、これね、来週絶対落とせないテストのプリントなんだ、君も取ってる?」

「私は取ってない」

「そっか〜、詳しかったら教えて欲しかった〜!」

泣きそうな顔して私に訴えかける彼。

「え?そんなに自信ないの?」

「うん、絶望的、頑張って覚えようとするんだけど、何故か何度繰り返しても覚えられないんだよね、暗記のコツとか知ってる?」

「暗記のコツ・・・何だろう、繰り返すことだと思うけど、朝と夜とか時間おいて」

私は彼の勢いに飲まれて答えていた。

「ああ!そっか、時間おいてね、君って天才じゃない?!可愛い上に天才!!」

「可愛くなんてないよ」

大げさに褒められて、つい冷たく言い返す。

「え〜どこが?」

「え?」

すっごくびっくりされた顔をされて、私の方がむしろびっくりする。

「どこが可愛くないの?むしろ可愛さしかないよ?」

「ちょっ・・・」

何を言ってるんだろう、いきなり。

直球すぎる言葉に私が言葉を失ってると、楽しそうに、プリントを眺めながら彼が続ける。

「このプリント拾ってくれたしさ、暗記の方法教えてくれたし、君って本当に性格いいし、可愛いよ」

純粋な笑顔を向けられて思わずキレイ・・・とか思ってしまう。

何だ何だキレイって。訳わからない感情が湧いてしまう。

彼が純真な笑顔を向けてくるから、そう思うのかな。
オーラかな。

こんな子、初めて会ったかもしれない。

「お世辞でしょ」

とか可愛くないこと言ってるけど、彼が本気なのは、何となく分かった。
本心言ってくれてるんだろうなって。

「お世辞?何で?お世辞なんて言わなくてももうこんなに親切で性格良くて可愛いのに?」

「わー、繰り返さなくていいからっ!!」

何か、なんか調子が狂う。

「あ、そんな風に慌ててるのも可愛い」

「ちょっと、黙ってて欲しい」

私が動揺して何だかうるさい心臓を抑えながら言うと、彼は心配そうに私を覗き込む。

「大丈夫?医務室一緒に行こうか?」

「だ、大丈夫・・・」

何とか答えると彼はまだ心配そうな顔で私を見つめている。

「でも、胸が痛いんじゃ・・・?」

「大丈夫だから・・・じゃあね」

私が立ち上がろうとすると、動揺のあまりよろけてしまう。

「あっ!危ないっ!」

彼が咄嗟に私を支えて引き寄せる。

彼の顔が至近距離に迫る。

「大丈夫だった?やっぱり気分悪いんじゃない?心配だなぁ」

そう言いつつ、私のおでこに手を当てる。

「熱は、ないね。でも、やっぱり医務室、行く?」

「・・・大丈夫」

何だろう。動悸が止まらない。

変だ。変すぎる。

「じゃあ次授業?次の教室まで付き添うから教えて何の授業?」

「・・・情報処理」

抵抗できずに、素直に答える。

「うん、情報処理か、じゃあ一緒に行こう、付き添わせて、ね?」

・・・本当に不思議なんだけど・・・
私この人と一緒にもう少しいたいって気持ちになっていた。

手を差しだされて素直につなぐ。

・・・自分の気持ちがわからない。

全然わからないんだけど、何だか違う、今まで会った男性と違う、この人。

雰囲気も言葉も、私に刺さる。

楽しそうに、鼻歌を歌う彼を見て、思わず優しい気持ちになってクスッと笑ってしまう。

心がウキウキと弾むようなそんな感覚を覚える。

この人に何か買ってもらわなくても気持ちが伝わるって思ってしまった。
試さなくても気持ちが分かるって。

不思議な気持ちが沸き起こってきて、私自身びっくりだ。

何か恋が始まったわけでもないのに、ただ少し話しただけなのに。

私の中で、何かが急激に始まってしまいそうな予感が、止まることなく私の心をガンガンと打ち鳴らしていた。



12/13/2024, 5:37:43 AM

題 心と心

通じ合うものがあるなら
もし私の心が伝わるなら応えて欲しい。

そんなことを思っている今日このごろ。

相手はもちろん隣を歩く私の男友達だ。

「ねえ、こないだすっごく綺麗なイルミネーションの特集してたんだよ」

「ふーん、いいじゃん、友達と行ってきたら?」

「う、うん、そうだね、でもトモヤは?イルミネーション見たくない?」

「えー、寒いしなぁいいよ・・・」

ダメだったか。

イルミネーションは、インドアなトモヤには響かなかった・・・。

「あ、トモヤ、この間言ってた冒険映画、続編でたらしいよ!」

「そうなんだ」

「観に行かない?折角だしさっ」

「うーん、今月金欠だしな、レンタル出るまで待つわ・・・」

「え?そうなの・・・?」

これもダメか・・・。

「ねえ、じゃあ、お金もかからないし、家でゲームでもしない?」

「ゲーム?でも、ヤヨイと俺って趣味合わないじゃん」

「教えてくれれば・・・」

「いいよ、教えるのめんどくさいし」

・・・ダメだ。

とりつくしまもない。

私のメンタルは大打撃を受けている。
インドアだし面倒くさがりなんて・・・もともとの性格に加えて脈ナシとなれば私の出来ることは少ない。

というかとにかく誘うしか思いつかない私。

「そっかぁ」

はぁ、いつもと同じため息をつく。

トモヤは好きな子の誘いなら乗るのかな?

私は脈ナシだから、こんなに頑張ってもいつも反応薄いのかな?

この心の寂しさは伝わらない限り続いちゃうんだね。

悲しい気持ちでトモヤを見る。

心と心がつながる日なんてこない気がしてしまう。

「あ、そうそう」

トモヤはそう言って、何かを私の手につかませた。

「?」

不思議に思ってみると、リボンに包まれたプレゼント。

「はいっ、ヤヨイ、もうすぐ誕生日だよな?その日会えるか分からないから渡しとくよ」

「えっ?!」

いきなりのプレゼントに私が固まってると、トモヤは続けて話す。

「ヤヨイのプレゼント買ったから今月は金欠だわ・・・」

「えっ、そうなの?じゃあ金欠って・・・」

「まぁ、誕生日なんだから、気にしないで受け取ってよ」

「うん・・・」

「いつもヤヨイには感謝してるからさ、ありがと」

「うん・・・・・」

あ、なんか泣きそう。こんな不意打ちずるい。


どう思われててもいいや。
友達でもなんでも。

今この瞬間のうれしい気持ちは私だけのものだから。

私今この瞬間、トモヤと確かに心が繋がったって思ったよ。

「ありがとう」

涙交じりの笑顔でお礼を言ってトモヤにビックリされたのは言うまでもない。




12/11/2024, 3:07:03 PM

題 何でもないふり

何でもないふりであなたのことを盗み見る。
気づかれてないかな?

うん、大丈夫。

・・・でも、なんだか楽しそう。

友達と楽しく話してて、ちょっとだけ寂しい。

あの場所に私がいられたらいいのにって。

私とあなたと他の友達と・・・。

一緒に笑いあえたらいいのにって思う。

私の居場所はまだあの人のそばになくて、友達という座でさえ掴めないでいる。

だから動くことも出来ないし、あなたからの言葉も貰えない。

こうしていつも見ているだけ。

目が合っちゃうと凄く動揺する。

ずっと見てるから、たまに目が合うけど、あなたは、気にせずにすぐに目を反らすけど・・・。

私はその日1日がそれだけで幸せの絶頂みたいな

そんなドキドキとドクドクとフワフワとほわほわが混ざり合った気持ちになる。

なんて幸せなんだろう。

こうして、交われない切ない気持ちもあるけれど、あなたがいる教室も私の恋心も。

こんな気持ちは初めてで、切なさも心地よさもあって。

その気持ちを教えてくれたあなたに感謝する。

ありがとう。私の人生に現れてくれて。

こうして見ているだけで幸せだよ。

こっそり心で囁きながらチラッとあなたを見る。

あなたは少しも気づいてないけど、ここにあなたのこと想っている人がいるっていうこと、いつか気づいてくれるといいな。

12/8/2024, 11:47:12 AM

題 ありがとう、ごめんね

いつも見てくれてありがとう
でも・・・ごめんね。

言いたくないんだけど、嫌だったんだけど、言わざるを得なかった。

だって好きな人がいたから。

応えたかったよ。あなたはとても大事な友達だったし、いつも相談できる心強い相手だった。

小学校からずっと一緒だったよね。

高校のいままでクラスは同じだったり違ったりしたけど、何か縁があって。

あなたと一緒にいると、安心できた。

知った顔があると何だか安心出来るじゃない?

そんな感じだったの。

あなたと一緒に過ごした行事、帰り道、テストの答え合わせしたことなんて、些細なことが頭に浮かぶ。

でも、好きな人は別にいて。

心惹かれてしまっているから。
いつもいつも目に入る度にドキドキする。

振り向いてなんてもらえないかもね。
だって人気者だから。

女の子達や男の子達のグループに引っ張りだこのあの人は、私の憧れであり好きな人なの。

好きだけど叶わないとどこかで思ってる。

思ってるけど諦められなくて、そんな時あなたに告白して貰えて、こんなに些細な暖かな気持ちが湧き上がるのに、それでも応えられない自分がいる。

どうしても憧れの気持ちが、ドキドキするトキメキの気持ちが抵抗する。

あの人を好きな気持ち、あきらめないでって。

私はあの人がいいんだって。


・・・苦しいよ。

今まで一緒にいたのに、もう気まずいよね。

友達ではいられないって言われてしまった。


それなのに裏切れない自分の心・・・。


ごめんね

ごめんね


そしてありがとう、とっても感謝しているよ。
今まで一緒にいてくれてありがとう。

さようなら。

本当はまだ一緒にいたかったな。

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