題 静かな情熱
私の心は穏やかだ。
まるで海みたいだ。
炎のように燃えたかった気がする。
情熱の赴くまま人を愛したかった気がする。
それでもあなたといる時はとてもとても波が凪いでいて
静かすぎて、心地よくてまるで寝てしまいそうで。
でもほかの人にはそんなことはなくて。
あなただけなんだ。
だからそう思うの。
あなたが特別だとかんじるのは。
他の人には感じないものを感じるからだって。
その気持ちは不思議な感覚。
もしかして前世からの知り合いなのかもね。
懐かしいような、この場所にあなたといる事がまるで決まっていたかのような。動かないような。
だからこそここにいたくなる。
いつまでもあなたとこの優しい海に浸るような感覚で
ずっとずっとここに居ようよ
題 春風と共に
わぁ、春風、あったかいね!
私が言った言葉にあなたはふっと微笑む。
「うん、暖かいね」
あなたの笑顔に嬉しくなって私も笑顔になる。
「ねぇ、桜が綺麗だよ、みてみて、沢山降って雪みたい」
わたしが指差した先をあなたはゆっくりと見上げる。
桜色の薄い花びらがひらひら、はらはらと私たちの前を柔らかく旋回して落ちていく。
「うん、綺麗だね、ちょっと寂しいけど」
あなたの少し寂しげな表情に、私も悲しい気持ちになってしまう。
「桜が全部散っちゃったら寂しいね・・・」
私の寂しげな表情に気づいたあなたは、わたしの頭に軽く手を乗せた。
「でも、また来年一緒に見よう、君と一緒にまた見たいな」
ふわっと頭のあたりが柔らかく優しく感じる。
あなたの触れた所がほんのりと暖かくて、私は胸の辺りに明かりが灯ったような気がした。
「うん、来年も一緒に見たいな・・・その先もその先も一緒がいいな」
私が照れながら切り出すと、あなたの顔がとっても優しくなる。眼差しが柔らかすぎて眩しい。
「そう言ってくれて嬉しいよ。僕も同じ気持ちだ」
ひらひらと周りを舞い踊る桜色の花弁達。
私たちはそんな中、まるでお互いしか存在しないかのようにお互いをただただ見つめていた。
題 涙
涙なんて拭いてよ、前向いてよって君は言うけど
いとも簡単に言うけど
そんなこと出来るはずない。
僕の気持ち分かるはずない。
そんなこと誰にも分からない。
だから僕は軽い敵意さえ覚えてしまう。
この気持ちを分かりもしないのに全てを片付けようとする君に。
前を向けるならとっくにしてる。
涙を出さなくていいならこっちだって泣きたくない。
それでもさ、出ちゃうものは仕方ない。
悲しいのは仕方ないでしょ?
だから、ただここで立ち尽くしてる。
悲しみにくれ(੭ ›ω‹ )੭ながら動けない。
僕のこの悲しみはどうしたらなくなるの?
消えることなんて一生ないんだろうね。
染み付いて染み付いてそれでも
いつかは薄くはなるはずだから。
薄い色になることを願って
今は涙にくれることしか出来ないんだと思うんだ。
それが今の僕なんだよって君に伝えたいな。