ミントチョコ

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題 心と心

通じ合うものがあるなら
もし私の心が伝わるなら応えて欲しい。

そんなことを思っている今日このごろ。

相手はもちろん隣を歩く私の男友達だ。

「ねえ、こないだすっごく綺麗なイルミネーションの特集してたんだよ」

「ふーん、いいじゃん、友達と行ってきたら?」

「う、うん、そうだね、でもトモヤは?イルミネーション見たくない?」

「えー、寒いしなぁいいよ・・・」

ダメだったか。

イルミネーションは、インドアなトモヤには響かなかった・・・。

「あ、トモヤ、この間言ってた冒険映画、続編でたらしいよ!」

「そうなんだ」

「観に行かない?折角だしさっ」

「うーん、今月金欠だしな、レンタル出るまで待つわ・・・」

「え?そうなの・・・?」

これもダメか・・・。

「ねえ、じゃあ、お金もかからないし、家でゲームでもしない?」

「ゲーム?でも、ヤヨイと俺って趣味合わないじゃん」

「教えてくれれば・・・」

「いいよ、教えるのめんどくさいし」

・・・ダメだ。

とりつくしまもない。

私のメンタルは大打撃を受けている。
インドアだし面倒くさがりなんて・・・もともとの性格に加えて脈ナシとなれば私の出来ることは少ない。

というかとにかく誘うしか思いつかない私。

「そっかぁ」

はぁ、いつもと同じため息をつく。

トモヤは好きな子の誘いなら乗るのかな?

私は脈ナシだから、こんなに頑張ってもいつも反応薄いのかな?

この心の寂しさは伝わらない限り続いちゃうんだね。

悲しい気持ちでトモヤを見る。

心と心がつながる日なんてこない気がしてしまう。

「あ、そうそう」

トモヤはそう言って、何かを私の手につかませた。

「?」

不思議に思ってみると、リボンに包まれたプレゼント。

「はいっ、ヤヨイ、もうすぐ誕生日だよな?その日会えるか分からないから渡しとくよ」

「えっ?!」

いきなりのプレゼントに私が固まってると、トモヤは続けて話す。

「ヤヨイのプレゼント買ったから今月は金欠だわ・・・」

「えっ、そうなの?じゃあ金欠って・・・」

「まぁ、誕生日なんだから、気にしないで受け取ってよ」

「うん・・・」

「いつもヤヨイには感謝してるからさ、ありがと」

「うん・・・・・」

あ、なんか泣きそう。こんな不意打ちずるい。


どう思われててもいいや。
友達でもなんでも。

今この瞬間のうれしい気持ちは私だけのものだから。

私今この瞬間、トモヤと確かに心が繋がったって思ったよ。

「ありがとう」

涙交じりの笑顔でお礼を言ってトモヤにビックリされたのは言うまでもない。




12/13/2024, 5:37:43 AM