題 イルミネーション
イルミネーション
「ねえ!見て〜!キレイだよ、イルミネーション!」
そう君が楽しそうにはしゃぐから、僕は君に笑いかける。
「そうだね」
確かに、周りはカップルが沢山いて、皆、巨大なクリスマスツリーから四方に伸びる色とりどりのカラフルな光ファイバーが輝くイルミネーションに見惚れてる。
そして、中央のスクリーンにはプロジェクトマッピングが映っていて、オーロラ色の星や、キラキラ光るサンタとトナカイが街を走っている幻想的な光景が立体的かつ色とりどりに映し出されている。
君はイルミネーションが大好きだから、このイベントが告知された瞬間に僕にメッセージ送ってきたよね。
そんな君が可愛くて二つ返事で了承したけど、やっぱり来てよかったって思う。
イルミネーションも綺麗だけど、何より横に輝く笑顔の君がいてくれるから。
それだけで今週の仕事の疲れが今吹き飛んでる。
君が隣ではしゃぐ姿を見るのって、僕には結構なご褒美だな、なんて考えてる。
「つれない返事だなぁ、このキラキラ達、見てる?」
君はちょっとぷぅっと頬を膨らませて僕を見る。
「見てる」
主に君の方をね、っていうとイルミネーション見てってブーイングが起きそうで、無難な返事を選ぶ。
「そっか」
僕の返事に君はすぐに笑顔で機嫌を直して腕に手を絡ませる。
ちょっと、この可愛い生き物、何とかして欲しい。
君のぬくもりに幸福感が溢れまくる。
「一緒にイルミネーション来れて嬉しい、また来年も来たいな」
君が瞳をキラキラ輝かせて僕の顔を見る。
「うん、また来よう」
僕の返事は短いけど、内心は君といられる幸せに溢れているよ。
たくさんたくさん君に愛を伝えたいけど、照れくさくて伝えられないこともある。
こうして君が笑顔でイルミネーションを見ている姿に、僕を見つめる瞳に、優しく繋ぐ手のぬくもりに、僕からは伝えられないのに君から愛情をたっぷり注がれている気がする。
・・・僕も君に伝えたい。
「今日、とっても可愛かった。いつも大好きだよ。僕の彼女でいてくれてありがとう」
そう言ったら、君は喜んでくれるだろうか?
僕に眩しい笑顔を向けてくれるだろうか。
そんな期待を抱きながら、僕は彼女の瞳を捉えて口を開いたんだ。
沢山の色とりどりの優しい光たちに包まれながら。
12/14/2024, 12:34:38 PM