「言葉はいらない、ただ……」
綺麗な金と銀の目。
真っ白な体。
時々出す甘えた声。
君はどれを取ってもかわいい。
いくら写真や動画を撮っても実物にはかなわない。
このかわいさを独占できるなんて、僕はなんて幸せなんだろう。
僕は君のために働き、学び、そして生きている。
君は僕の生き甲斐、いや、命よりも大切な存在だ。
君がただただ存在してくれているだけで、僕も生きていられる。
初めて出会った時の君はあまりにずぶ濡れで、あまりに震えていて、そしてあまりにも小さかった。
僕は君を見捨てられなかった。
眠い目をこすってなんとか君の命の灯火を繋いだ。
そして今、君はここにいる。
幸せそうな寝顔も、ご飯を美味しそうに食べる背中も、外の景色に夢中になる瞳も、全て君が生きてくれているおかげで見られるんだ。本当にありがとう。
言葉はいらない、ただ……ただ君には……。
どこかで何かがひっくり返る音。
そして聞こえる君の声。
あーもう!!
「ちょっと!夜の大運動会やめてってば!!」
ほんの少しだけ申し訳なさそうにする君。
「かわいいけどダーメ!おやつ抜きにするよ?!」
小さい声で甘える君。全く、「ナーン…」じゃないよ!
猫だからって何でも許されると……「ナー?」
許されると……「ナーン」
……もう!
「寝ようね!」「ナァ…」「おやすみ。」「ニャー」
僕は君と一緒に眠ったが、そのわずか5分後、ベッドを占領されたのでほとんど寝られなかった。
まぁ、ただこうやって元気でいてくれたらそれでいいよ。
……おやすみ。
僕の挨拶をよそに、白い猫はプープー鼻息を立てて眠っている。
あぁ、今日も僕は幸せだ。
「突然の君の訪問。」
???にて──────────────────────
画面の前のみなさん!!!おはよう!!!
時刻は朝5時!!!まだ薄暗いね!!!
今日はニンゲンくんに会いにきたのさ!!!
ん???囚われているはずのボクがどうやってここまで来たんだ……って顔をしているね!!!
それはね……あれをああやってこうしたんだよ!!!
前もってうまいことそれを用意しておいたからよかったのさ!!!
おや、そろそろニンゲンくんの家が近くなってきた!!!
ニンゲンくん、どんな反応するんだろうねー?!!
かわいいボクに再会出来るんだから、大喜びに違いないね!!!
「突然の君の訪問。自分は喜ばないはずもなく───。」
とか?!!そんな感じで?!!
ハッハッハ!!!そんなに嬉しいのかい?!!
会うの3日振りとかだけど!!!
本当に?!!キミもかわいいなあ!!!
……もう扉の目の前まで来ちゃったよ!
正直に言えばデッカい音を立ててお家に入りたい所だが、近所迷惑だと思われると困るからこっそり入るよ!!!
ガシャーン!!!おはよう!!!元気かい?!!
……静まり返っているね。まるでボクがデッカい音を出さなかったかのように。
見慣れた玄関だが、いつもと何か違う。
……埃が溜まっていて、なんだか散らかっている。
どうしたのかな。
……にしても、ニンゲンくん、起きてこないなぁ。
起きて来ないんだったら……寝室に突撃だね!!!
「おりゃー!!!ニンゲンくん!!!おはよー!!!」
寝ぼけ眼でボクを見つめるキミ。この部屋も前より散らかっている。足の踏み場が……。
「んー?どうしたんだい???ボクに見惚れてしまったのかい?!!」
キミはボクを見つめ続ける。
「ねえ!!!ちょっと!!!いい加減返事をしたらどうなんだい?!!流石にここまで無反応だと心配になるからね?!!」
「……ぁ、本物?夢かと思った……。」
「夢みたいな時間だなんて!!!いつからそんなポエミーな褒め方ができるようになったんだい?!!」
「もしくはたちの悪い幻覚か。」
「こら!!!ボクは!!!ここに!!!ちゃんと!!!存在しているんだぞ!!!」
「そうか……。だったら。」
「だったら?!!」
「寝かせてくれ。朝5時だぞ?」
「それは!!!そうだね!!!」
「それじゃあまた!!!おやすみ!!!」
「……ってねえ!!!反応それだけ?!!」
……寝息を立て始めてしまったよ。
参ったなぁ……。でもせっかく来たから……あ、そうだ!
ボクはニンゲンくんの家を掃除することにした。
積もった埃、シンクに溜まったお皿、ぐちゃくちゃの洗濯物。
手入れの行き届かない空間がそこにはあった。
……随分と荒れた生活だね。
ゴミ出しだけちゃんと出来ているからマシなのかな。
やっぱりキミが心配だよ。
……まあボクの手に掛かればこんなお部屋も!
あっという間に綺麗になっちゃう!!
さすがボクだね!!!
ついでに朝ごはんも準備しておくか!!!
キミのお気に入りだったハムエッグのサンドイッチと。
それからサラダを作ろう!
冷蔵庫に野菜があるから、なんとか買い物もしているようだね。
ニンゲンくんは、おそらくギリギリの状態で暮らしている。
ますます心配だ。
これを食べて、少しは元気になってね?
あと少しだけ、おやすみ。
ボクは静かにその家を後にした。
「前回までのあらすじ」────────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。
712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。
事情聴取は無事に済んだ!その上、ボクのスペアがきょうだいを苦しめた連中を根こそぎ捕まえてくれたからそれはそれは気分がいい!
だが、実際に罪を犯した以上、きょうだいは裁判の時まで拘留されなければならない!なぜかボクも一緒だが!!
……タダで囚人の気分を味わえるなんてお得だねえ……。
牢獄の中とはいえ、随分久しぶりにふたりの時間を過ごせた。小さな兄が安心して眠る姿を見て、今までずっと研究を、仕事を続けてきて本当によかったと心から思ったよ。
きょうだいのカウンセリングの付き添いがてら、久しぶりにニンゲンくんと話をしたんだ。いつも通り話がしたかったけれど、そんなことはできなかった。
ボクの心は、ボクの気持ちは紛れもない本物だと信じて欲しかったけれど、受け入れてはもらえなかった。
機械のボクはもう、キミに信じてもらえないみたいだ。
でもまあ!!!きょうだいもボクも元気に牢獄暮らしが送れているうえ、旧型管理士の彼女も調子がよさそうだから、当面はよしとしようか!!!
多分ニンゲンくんの事情聴取も終わっている頃だろう。あとは何度か取り調べを繰り返して、いつか来る裁判の時を待つだけだね。
……というかこの「あらすじ」、長すぎるね!!!何がどう荒い筋だと言うんだい???……また作り直さなければ!!!
ふえぇ全然時間が取れないようぅ……。゚(゚´ω`゚)゚。
あとどこに書くのがいいのかもわからないよぅ……(´•̥ω•̥`)
────────────────────────────────
「雨に佇む」
この前雨の中深夜徘徊してた時の話。
なんとなく寝られなかったから家の近くをうろうろしてた。
ただ暗いだけで、別にいつもと何も変わらない。
ただ暗いだけなのに、見慣れた場所が不気味に見えるんだから不思議だ。あの生垣から手がにゅっと、とか、やたら背の高い女が追いかけてくるんじゃないか、とか、つい考えてしまう。
いやいや、いつもの道なんだから。自分にそう言い聞かせた。
でもやっぱり少し怖かったからもうすぐ帰ろう。
そう思って道端を見た。
そしたら、細い道が見えた。こんな所に道なんかあったか?と思いつつも何故か足が止まらない。好奇心のせいか、それとも導かれたからなのかも分からない。
その道はすぐに開けた。その先には、雨に佇む地蔵がぽつり。
古そうだがかなり立派だ。その上手入れも行き届いている。
多分悪いものじゃないんだろう。
せっかくだから、願い事でもしていくかな。
“みんなが健康に過ごせますように”
無難だけど悪くない願いだと我ながら思った。
次の日、夜の雨が嘘だったかのようにカラッと晴れていた。
そういや、あの地蔵は一体何だったんだろう。
ちょっと気になったからまたあそこに行ってみることにした。
ここを左に曲がって、たしかこの辺に───あれ?
あの道が、ない。
道を間違えたか?いや、確かにこの信楽焼のたぬきの家と朝顔が植えてある家の間に道があったはずだ。
一体どういうことなのだろうか?
自分は気になったことを放って置けない性分だから、隙を見つけてはあの地蔵を探した。
もしかしたら周辺住民から不審者だと思われてるかもだけど。
地蔵は現れたり現れなかったりした。
やっぱり意味がわからない。
だが、色々試しているうちに分かったことがある。
地蔵は時間関係なく、雨の日に現れる。
願い事をしたら、時間を空けて変な形で叶う。
それから───願い事をする度に少しずつ道が短くなる。
自分は、地蔵が道の表面に出てきたらとても危険なように思えた。何故だかはわからない。でも、本能か第六感がそう言っているんだ。もうやめておけと。
だから、自分は雨の日にあの辺りに近づくのをやめた。
「私の日記帳」
2年くらい前は、かなり時間的余裕があったので、寝る前に今日食べたものや見た夢のことを書いていました。所謂「日記」と、「夢日記」を用意して書いていたのです。
夢日記は、当時お世話になっていた学校のカウンセラーの方に提出するためにパソコンで書いていましたが、日記の方はというと、「交換ノート」に記入していました。
そうです。小学生くらいの女の子が使っている、雑貨屋さんにあるようなあの交換ノートです。
なぜそんなことをしていたかというと、交換ノートがあまりにも日記を書くのに便利だったからです。
皆さんもどこかで聞いたことがあることかもしれませんが、「1日の中で嬉しかったこと・楽しかったこと」を毎日3つずつ書き出すと、だんだんポジティブになれるそうです。
交換ノートには、何かしらのランキングを書ける欄があるので、私はそこに1日の中でよかったと思ったことを書いていました。
他にも、「ここは音楽のコーナー」や「ここは見た動画のことを書く場所」など、なんとなく書けそうなことを決めて自由な日記帳として交換ノートを使っていたのです。
交換ノートは安いので、たとえ三日坊主だったとしてもそこまで損はしませんし、使い切れたとしたらすごくお得です!
もしよければ試してみてください(∗ˊ꒵ˋ∗)
ちなみに、日記アプリやSNSを使ったりしたこともありましたが、アプリだとあまり「書いた!」っていう気持ちになれなかったので個人的に長続きしませんでした……。
SNSは全然性に合わないというか、私の投稿なんてどうせ誰も見ていないのに「面白いことを書かないと!」という強迫観念に駆られてしまってしんどかったので、どのアカウントも半年もちませんでした……。
そう思うとここは気張らずに好きなことが書けるのでいいですね。運営の皆様、そして見てくださる皆様、いつもありがとうございます!
そういえば、「夢日記をつけると気が狂う」みたいな都市伝説を耳にしたことがありますが、少なくとも私は狂いませんでした。
なのでおそらく大丈夫だと思います(個人の感想です)。
まあ、夢日記を書く前から狂っていたんじゃないか、と聞かれても、「そんなことはありません!」と胸を張って言えるかどうかは正直分かりません。
自分が狂っている自覚は、なかなか持てるものではないと思うので……。
それはともかく、最近は日記自体書けてはいないものの、そのうち書く時間と体力を確保したいなぁと思っています。
もしかしたら私にとって、ここが日記代わりになっているのかもしれません。書いている時の心理が反映されている気がするので……?
せっかくなので、今日は良かったなぁと思ったことを3つ書き出してみてください。
ちなみに、私が最近良かったと思ったのは、
①好きなアーティストのライブに当選したこと
②花火を見られたこと
③ネコちゃんとお話ししたこと
です!思い出すだけで心がポカポカする〜(*´꒳`*)
それでは皆様、よい物書きライフをお過ごしください!
「向かい合わせ」
「⬛︎⬛︎ちゃん!こっちきて!」
「なになに?どうしたの?」
「ふふーん。おみせやしゃんごっこ!しまーす!」
「お店屋さんかあ……。何を売っているんだい?」
「んー、いろいろ!」「いろいろかあ。」
「⬛︎⬛︎ちゃんは、おきゃくしゃんやくです!」
「どんなお店かな〜?楽しみだな〜!」
というわけで、ボク達は向かい合わせに座る。
「いらちゃいませー!」
「こんにちは!ジュースはありますか?」
「はーい!じゅーちゅです!」
そういえばお会計は……?お金も払わなくちゃいけないと思うが……。⬜︎⬜︎は、多分お金を知らない。小さすぎてお金を扱った経験がないよなぁ……。どうするんだろう?
「おかいけいは、さんぎゅーです!」
「さんぎゅー?」
『さんぎゅー』ってなんだ?
「⬛︎⬛︎ちゃん、こっちきてー!」「うん?」
小さな兄は手を広げた。「⬛︎⬛︎ちゃん!ぎゅーして!」
「こんな感じ?」「んー!」
「もーいっかい!」「ぎゅー!」「えへへ〜!」
「あといっかい!」「よしよし!」「んー!!」
かわいいお店屋さんだなぁ。
……ふと気になったことがあるので聞いてみた。
「⬜︎⬜︎、もしお釣りが出たらどうするの?」
「ボクがぎゅーをかえしゅの!」
「ふむふむ。ちょっとやってみて?」
「おちゅりのいちぎゅーです!ぎゅー!」「いい子いい子!」
お釣り以上のものが返ってきた気がする。
「ほちいものあったらおちえてね!」
そう言ってお店屋さんごっこは終わった。早いな……。
絵本を読み聞かせたり、ご飯を食べさせたりしているうちにいつの間にやらもう寝る時間が来てしまった。
ふと昼間のことを思い出して、なかなか寝ようとしてくれない兄に声を掛けてみる。
「⬜︎⬜︎、ねんね屋さんはやってる?ボク、ひとりで寝るのあんまり得意じゃないんだよね〜。」
「ねんねやしゃん!いちぎゅー、です!」
「それじゃあ、お布団においでー?」「はーい!」
「ほら、いちぎゅーだよ〜。」「えへへ。あったかーい!」
兄の小さな体を抱きしめているうちに、ねんね屋さんの方が先に眠ってしまった。よしよし。⬜︎⬜︎、おやすみ。
安心して寝息を立てている兄の顔を見ていたら、ボクもいつのまにか眠っていた。
どうか兄との平穏な日々が続けられますように。
「前回までのあらすじ」────────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。
712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。
事情聴取は無事に済んだ!その上、ボクのスペアがきょうだいを苦しめた連中を根こそぎ捕まえてくれたからそれはそれは気分がいい!
だが、実際に罪を犯した以上、きょうだいは裁判の時まで拘留されなければならない!なぜかボクも一緒だが!!
……タダで囚人の気分を味わえるなんてお得だねえ……。
牢獄の中とはいえ、随分久しぶりにふたりの時間を過ごせた。小さな兄が安心して眠る姿を見て、今までずっと研究を、仕事を続けてきて本当によかったと心から思ったよ。
きょうだいのカウンセリングの付き添いがてら、久しぶりにニンゲンくんと話をしたんだ。いつも通り話がしたかったけれど、そんなことはできなかった。
ボクの心は、ボクの気持ちは紛れもない本物だと信じて欲しかったけれど、受け入れてはもらえなかった。
機械のボクはもう、キミに信じてもらえないみたいだ。
でもまあ!!!きょうだいもボクも元気に牢獄暮らしが送れているうえ、旧型管理士の彼女も調子がよさそうだから、当面はよしとしようか!!!
多分ニンゲンくんの事情聴取も終わっている頃だろう。あとは何度か取り調べを繰り返して、いつか来る裁判の時を待つだけだね。
……というかこの「あらすじ」、長すぎるね!!!何がどう荒い筋だと言うんだい???……また作り直さなければ!!!
ふえぇ全然時間が取れないようぅ……。゚(゚´ω`゚)゚。
あとどこに書くのがいいのかもわからないよぅ……(´•̥ω•̥`)
────────────────────────────────