「言葉はいらない、ただ……」
綺麗な金と銀の目。
真っ白な体。
時々出す甘えた声。
君はどれを取ってもかわいい。
いくら写真や動画を撮っても実物にはかなわない。
このかわいさを独占できるなんて、僕はなんて幸せなんだろう。
僕は君のために働き、学び、そして生きている。
君は僕の生き甲斐、いや、命よりも大切な存在だ。
君がただただ存在してくれているだけで、僕も生きていられる。
初めて出会った時の君はあまりにずぶ濡れで、あまりに震えていて、そしてあまりにも小さかった。
僕は君を見捨てられなかった。
眠い目をこすってなんとか君の命の灯火を繋いだ。
そして今、君はここにいる。
幸せそうな寝顔も、ご飯を美味しそうに食べる背中も、外の景色に夢中になる瞳も、全て君が生きてくれているおかげで見られるんだ。本当にありがとう。
言葉はいらない、ただ……ただ君には……。
どこかで何かがひっくり返る音。
そして聞こえる君の声。
あーもう!!
「ちょっと!夜の大運動会やめてってば!!」
ほんの少しだけ申し訳なさそうにする君。
「かわいいけどダーメ!おやつ抜きにするよ?!」
小さい声で甘える君。全く、「ナーン…」じゃないよ!
猫だからって何でも許されると……「ナー?」
許されると……「ナーン」
……もう!
「寝ようね!」「ナァ…」「おやすみ。」「ニャー」
僕は君と一緒に眠ったが、そのわずか5分後、ベッドを占領されたのでほとんど寝られなかった。
まぁ、ただこうやって元気でいてくれたらそれでいいよ。
……おやすみ。
僕の挨拶をよそに、白い猫はプープー鼻息を立てて眠っている。
あぁ、今日も僕は幸せだ。
8/30/2024, 1:10:05 PM