sairo

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12/31/2025, 11:32:07 AM

夕暮れの空に、星を見つけた。
見つけた瞬間に、思わず駆け出していた。
捕まえたかったわけではない。追いかけたかったわけでもない。
ただ何もかもを星のせいにして、逃げたかった。

息が切れるのも構わず、星だけを見て走る。
辺りはすっかり暗くなり、自分が今どこを走っているのかも分からない。
遠い星に手を伸ばす。届かないと知っている。知っていて、求めている。
息苦しさに足元がふらついた。疲れた体は、そのまま前のめりになり、咄嗟に目を閉じた。
倒れる痛みを覚悟する。けれどもそれは訪れることはなく。

「なんだい、危ねぇな。気ぃつけんと、倒れるとこだったべな」

恐る恐る目を開ければ、目の前には星のように煌めく目をした誰か。
自分を抱き留め、呆れたように笑っていた。

12/30/2025, 9:48:56 AM

海の底に沈んでいくような、そんな静かな終わり。
手の中の宝物は粉々に砕け、もう元には戻せない。

小さく溜息を溢した。
誰もいない。ひとりぼっちの秘密基地。
結局、みんな忘れてしまったのだ。自分だけが子供で、みんなは大人になってしまったのだろう。

「仕方ない。大人になったんだから、仕方ない」

言い聞かせるように繰り返す。込み上げる涙を乱暴に拭い、歩き出す。
終わりなんてこんなものだと、無理矢理に笑ってみせた。

12/30/2025, 8:15:27 AM

目を閉じて、外の音に耳を澄ませた。
かたかたと、窓が音を立てている。音を立てて過ぎていく風に乗って、空高く舞う自分を想像して笑う。
見下ろす街並みはとても小さく、煌びやかだ。きらきらと色鮮やかな灯りを見ながら、速度を上げて飛んでいく。
街を過ぎ、山を越えて、そして海へと辿り着く。
風に乗り、さらに高く飛んでいく。
このまま、海の向こうへと。
そんな想像をしながら、苦笑して目を開けた。

12/28/2025, 3:34:03 PM

気がつけば、見知らぬ部屋で三面鏡を前に座り込んでいた。
窓から差し込む月明かりが三面鏡を照らし、暗がりに自分の姿を映し出す。表情もなく鏡を見つめるその姿は、まるで幽鬼のように虚ろだった。
鏡から目を逸らせずにいれば、自分の意思とは無関係に片手が上がる。鏡に触れようと、指先が近づいていく。
だが正面の鏡に映る自分は、凍てついたかのように動かない。虚ろな目をして、手が触れるのを待っている。

手が鏡に近づく。止めることもできず、逆らう意思もない。
微動だにしない、正面の鏡に映る自分へと指先が触れる、その寸前。

背後から伸びた誰かの腕が手を掴み、そのまま後ろへと引き倒した。

12/27/2025, 10:46:48 AM

雪の白に染められた道に、そっと足を踏み出した。
ぎゅっ、ぎゅっ、と雪が押し潰される音がする。振り返れば真っ白な世界に、足跡が続いている。
灯りなどなくても見えるそれに、不思議に思って空を見上げた。
空には白い上弦の月。煌めく星々が、やけにはっきりと見えていた。
満月でないというのに、随分と明るい夜だ。視線を下ろし周囲を見るが、光源は見当たらない。
ただ降り積もる雪が、月の光を反射して。
灯りのようにぼんやりと、夜の闇を白く照らしていた。

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