猫背の犬

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1/14/2025, 11:06:09 AM

なんだかどうしようもなくやるせなくなって、投げやりになった僕は、君の嘘に気づかないふりをした。きっと訪れることのない「またね」を気まずそうに呟いて、部屋を出ていく君の背中に、息を吐き出すようにそっと言った「さよなら」は、ひどく掠れていた。思えば、届かないことばかりだった。ほんとうは、どう思っていたのか。ほんとうは、どうしたかったのか。わかっているけど、わからないふりをしたまま、冬が深まっていく。春になる頃、僕はここから居なくなる。やがて君も僕を忘れてしまうだろう。出会った頃の思い出も、共有してきたいくつかの時間、交わした会話のすべてが雪解け水に浸り、希薄なっていく。たぶんこんなもの悲しい未来しか描けない僕らだったのだ。どのような行く末だったとしても、共通する思い出のすべてが、夏の日差しのようなまばゆい幸せだったらよかったのにね。

1/7/2025, 12:57:07 PM

追い風と共にやってきた「俺、結婚したから」は、鈍器みたいな衝撃を後頭部に与えてきた。それからすぐに痛みに似た嫌悪感が全身を駆け抜けていく。風よりも早く全身を犯す得体の知れない最低の正体は、絶望だってことをなんでか僕は知っていた。それでも受け止め難いものがある。頭でわかっていても、心ではなんとやらというやつだ、たぶん。内側から外側に走った透明な衝撃のすべては比喩で、実際の僕は無傷で綺麗なままだけど、やっぱり胸の中はずたずたに裂けて血が滲んでると思う。だって痛いんだ。胸の中にも、心臓の近くにも、存在しないはずの心が確かに疼いている。君へと振り返ったくせに、どうしてか僕は聞こえないふりをしてしまった。どうしようもなくてしょうがない僕を見つめて諦めたように笑った君は、あの朝と似ていた。青くて脆い、冬の朝。どこにも帰れない僕は、離れた場所から惨めにただただそれはそれは惨めにあの朝をうらめしく見つめながら生きていくしかできないみたい。

10/1/2024, 3:25:40 PM

たそがれに染まる街を見つめて、もう帰れないあの頃を恋しく思う。陽が沈むまで手を繋いでいたあの子は今、深い海の底で眠っているって誰かが言っていた。僕は相変わらずここで生きているけど、息苦しくて堪らないや。助けてとか誰にも届かない嘆きは、ぬるい缶コーヒーで安直に流し込む。僕は、きっと明日も同じように過ごすんだろうなあ。涙が零れてくるけど、どうしてか温度はない。それどころかとても冷たい。ひょっとしたらさっき流し込んだ缶コーヒーの方がぬくいかもしれない。あーあ、ちゃんとした「人」で居たかった。きっと叶わないことだろうけど、今夜もしも星が流れたら、願ってみようかな。

7/24/2024, 1:35:06 PM

見せかけの友情に振り回されて、青春のすべてを棒に振った俺に、青き日の思い出なんてあるわけないよ。

7/21/2024, 11:30:16 AM

自由がほしい。息ができる場所へ逃げたい。もう誰にも示唆されたくない。構わないでほしい。興味のない言葉を興味のあるふりしてヘラヘラと媚びへつらうことは疲れた。したくない。もうしたくない。ほんとごめん、実は最初から君のことは好きじゃなかった。もう僕を見つめないで。傷つけ合う前に、さよならをしよう。

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