なんでそんなに早く歩くの…一緒に隣を歩いてよ…💢
なんで応答もしてくれないの?💢どうして私に寄り添ってくれないの…?💢本当にこれだから…、。
部活に疲れて会話が進まなくて、君がスタスタ歩き始めた。君は早く家に帰りたいタイプでしょうがないのだけど…隣くらい歩いてよ。少しでも今日の最後に言葉を交わしたかった私は、分かれ道で「またね」と無愛想ながらも言った。そうすると君は黙って改札口を通って…私たちの今日を終わらせた。
今思えば、私が疲れていたのだから、君もすごく疲れていたんだろう。君と会話をすれば次第に癒やされるのだから、君の好きな話題を出して話を続ければよかった。いや…けれど、ここまで今までの反省を並べてきたけれど…あのまま君が黙って去れたのは、約束されている信頼があるからこそであり、素を出してくれていたのかもしれない。そう考えたら嬉しくて…やっぱり、君を大切にしなきゃとまた思わされる。開き直りとも読み取れるが、私はあの分かれ道の選択が最適解だったと思う。また通る君との数々の道を、そして君との最適解を、2人で導いていきたい。
“岐路”
「もしこの世から犬が消えたらどうしよう…」
一緒に下校している時、君が唐突にそう言う。
君は犬が大好きで、それ以外愛せないと教えてくれた
「犬が消えちゃったら、すごく寂しいね」
私がいるじゃん、と思いながら寄り添ってみる
「けど…もしそれでも、犬がどこかで幸せならいい」
私も君が幸せなら…あとはなんでもいいかも、
と思いながらまた続く話を見つける
「世界が始まった時も犬は可愛かったのかな」
「うん!いつだってかわいいよ」
一番可愛いのは君なんだけど…と思って、
「じゃあきっと、世界が終わる時も可愛いのかな」
「そうだね。犬との生活は永遠が良いけど…終わりがあるからこそ輝くものだし」
確かに…、と思ってーーーー
今日のことを思い返しながら布団に入る。
君から犬への愛情は、わたしから君への愛情とそっくりだと思う。君が生まれた時も可愛ければ、今だってもちろん可愛くて、きっと君という華が散る時だって可愛い。というか、美しい。君との生活は永遠が良いけれど…。けれど、限りがあるからこそ1日を大切に、君を大切にできる。この世界に君が生まれてきてくれて、本当にありがとう。そして世界か、もしくは華が散ってしまうときも、最後まで愛させてほしい。
“世界の終わりに君と”
新学期になって、新しい友人ができて、もちろん君にも新しい友人ができた。その子はすごくスキンシップの多い子だった。私はそれが憎かった。これまで私が我慢していた君が嫌がることを、何も知らないと盾にしていたのだから。もちろん嫌がっているので少しは嫌われているだろう。けれど、論点はそこではなく、断りきれない君をいいことにその汚い手でべちょべちょ触るなということ。
その女がいつになっても憎く、”最低の悪魔”だった。ことあるたびにあの女といるんじゃないかと悩んでは、君はそんな人じゃないと正気に戻る。私が一番なんだと、自分に信じて思い込ます。
数日後、君と一緒に帰ると「新しい友達ができたか?」という話題になった。君は「できたよ、けど、スキンシップの多い子で。その子だけじゃないけどさ、あんまり話したくないんだよね。疲れる」ときっぱり言ってみせた。その軸がある君がすごく愛おしくて、私だけという優越感に酔ってしまった。今まであれほど想い悩んできた悪魔なんて塵とさえ化さない。君の愛しい一言で、思い出すことも無くなった。どれだけ嫉妬心に蝕まれたとしても、君への愛は揺るぎなく、君は”最高の天使”なんだと確信した日だった。
“最悪”
六月。衣替えが始まって、長袖が綻んでゆく時期
君と昼食を共にしている時に聞かれた、「夏になるのに、制服半袖にしないの?」という問いに、なぜかパッと出てきたのは「長袖だって、折れば短くなって涼しいからね。」そんなことは微塵も思っていない。私だって半袖を着て君の隣を歩きたい。けれど、本当のことが口から出なかった。君とはこんなにも壮大な信頼関係が築かれていて、1番の友人だというのに。その時気付いてしまった。私は普通とは違うと理解して生きてきたはずなのに、今更本当のことを伝えて避けられたらどうしようかと、普通でないと知られたらどうしようかと、最後まで自分勝手で惨めな人間であると。
だって、どうしよう?。もし腕の傷跡を見られて、幻滅されて、こんなことをする人だと思っていなかったと思われたら?そもそも、信頼関係は築かれていると想っていたのが私だけだったとしたら。こんなにも愛してやまない君に嘘をついてしまった事と、過去の私への後悔、怒りが募り、その日は涙に溺れてしまった
翌日、落ち着いて考えてみた。どんなに好きであっても、全てを伝えなくたって良いのかも…しれない。少なくとも私の傷跡は、共に過ごして行く中でいつかは知ってしまうことだし、綺麗さっぱり消えるような跡ではない。それも含めて私だと、君だけの私だと知ってほしい。いつか、君がまだ知らない私の心ごと、抱き寄せてほしい
”誰にも言えない秘密”
狭い部屋
好きな人、とは、なぜだか、全てが完璧であると仮想してしまう。もし理想と少しくらい違ったとしても、それすらも愛おしいと思う。少なくとも、私は。
君と晩御飯を一緒に食べようと約束して、家に着き、ハンバーガーをデリバリーして、一緒にゲームをして、一緒にピアノ、ギターを弾いた。文章に起こすと、とても長いようで、けれど私にとっては一瞬だったんだ。君と過ごした日々はいつだってあっという間だった。お世辞にも広いとは言えない君の部屋で過ごす、この時間こそ永遠に続けば良いのに、、。そんなことを想っているのは私の方だけで、君はなんとも思ってない。けれど、君とのこの儚い時間がすごく愛おしくて、半年経った今でも時折思い出してしまう。
あの二人だけの部屋は、これから先も私を、いや、私達を励まし続ける。それは君がいない時、雲間から一筋の光が差すように私の心を照らしてくれる。私はここで何が言いたかったのかっていうと、たった1日の出来事を、こんなに幸せに語らせてくれる君のことが、好きで好きでしょうがないって、知って欲しかったんだ。