彼とわたしと

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「もしこの世から犬が消えたらどうしよう…」
一緒に下校している時、君が唐突にそう言う。
君は犬が大好きで、それ以外愛せないと教えてくれた

「犬が消えちゃったら、すごく寂しいね」
私がいるじゃん、と思いながら寄り添ってみる

「けど…もしそれでも、犬がどこかで幸せならいい」
私も君が幸せなら…あとはなんでもいいかも、
と思いながらまた続く話を見つける

「世界が始まった時も犬は可愛かったのかな」
「うん!いつだってかわいいよ」
一番可愛いのは君なんだけど…と思って、

「じゃあきっと、世界が終わる時も可愛いのかな」
「そうだね。犬との生活は永遠が良いけど…終わりがあるからこそ輝くものだし」
確かに…、と思ってーーーー

今日のことを思い返しながら布団に入る。
君から犬への愛情は、わたしから君への愛情とそっくりだと思う。君が生まれた時も可愛ければ、今だってもちろん可愛くて、きっと君という華が散る時だって可愛い。というか、美しい。君との生活は永遠が良いけれど…。けれど、限りがあるからこそ1日を大切に、君を大切にできる。この世界に君が生まれてきてくれて、本当にありがとう。そして世界か、もしくは華が散ってしまうときも、最後まで愛させてほしい。

“世界の終わりに君と”

6/7/2024, 1:01:21 PM