contradiction

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11/24/2025, 4:26:06 AM

題名:手放した時間

無意識に、見つめるのは、人工的な風景。
そのまま時間は過ぎていった。

ねぇなんで?
そう問いかける君の視線は、誰かを見つめていた。
それは、終わりを告げる合図でした。

気づいてしまった。
自分から君を手放したことを。

君はため息を吐いて言うのだ。
まるで貴方が自殺したみたいだ。

その言葉に全てを悟った。
わざとでした。
誤魔化してました。

私のせいです。
ごめんなさい。

謝りきれない嘘を吐いたんだ。
許されない罪を犯したんだよ。

ごめんなさい。すみません。

沈む夕日を見つめる君は苦笑して問いかける。

違うよ。貴方の責任ではない。この責任は誰のものでしょうか?

私は口をつぐむ。

私だよ。

君は言った。
君も結局私と同じじゃないか。
結局人間は人間なんだよなって気づいても、

私は罪人なんだ。
だから生きてきけないよ。

だったら一緒に生きようよ。

それも無理だよ。
君も罪人になってしまうじゃないか。

それで良いよ。だってみんな、一つぐらい罪は犯しているものでしょう?

でも私は…。

そう言って海へ君は飛び込んだ。

「ほら、一緒に入ろうよ。」

ちゃんと聞こえた声に私はうなずいた。

もう、時間は戻らない。
だから過去にしがみついても仕方がない。
ならこの手放した時間を、君と一緒に穴埋めしよう。

私が見た光景は─────

11/22/2025, 10:37:30 AM

題名:紅の記憶

パァンッと響いた音。

君は倒れていく。
そして綺麗に舞った紅色の液体。

全てがスローモーションに見えた。

僕のせい。あの時興味を持って危険なことをしなければ良かった。そのせいで君はタヒんでしまった。

そんな記憶は今日でおさらばしよう。
君の元へ急ごうか。

動かぬ足と、君の幻覚、終わっているのはきっと僕で、君は泣き笑い、話すんだ。

「ダメ」

ってさ。

嫌いなんだよ、嫌いなんだよ、全部が全て。
物を投げて、地面を叩いて、声を上げて泣いて、それを繰り返して我に返れないまま。
幻覚と幻聴と忌々しい自分に記憶が混ざって、頭がクラクラしているのは気のせい?
責任を投げて、君を消して、最後に自分も一緒に溶けてしまおう。
甘い考えは、とろけてしまうでしょう。
なので、誰にも邪魔はできない。

さよなら、を素直にできないまま。
紅で始まり終わるそんな記憶に、

蓋ができないまま、記憶に溺れる僕を、

君が助けてくれないか。

11/21/2025, 11:48:50 AM

題名:夢の断片

あの日聞かれた質問、将来の夢はなんですか。
幼い私はケーキ屋さんと答えた。

ある日先生は言った。
人生は何があるか分からないと。

ある日先生は言った。
将来をちゃんと考えなさいと。

その日私は先生の言っている意味が良く分からなかった。なぜなら未来が分からないのに、将来を考えるという、無駄なことをしていたから。そして、矛盾しているように思ったから。

幼い頃の私は、ケーキ屋さんになりたくなかった。
なぜなら夢がなかったから。

ずっと、現実が歪んで見える。
眼科に私は行った方が良いのかもしれない。

現実は、矛盾だらけだと知った日、ますます私は生きる意味が分からなくなった。

同時に怖くなった。

もしかしたら私の生きがいはどこかで矛盾しているかもしれないから。

矛盾していたらどうしよう。顔に手を当て、冷や汗を隠した。

ある日先生は言った。
矛盾は良くないと。

だから私は良くない。私はどうしたら良いか分からない。先生は何を言っているの?そしたらこの世界は良くないってこと?でも世界は幸せで溢れているのに、矛盾があったら平和にならないよ?
先生、先生、

私はどうしたら良いですか?

―私はその夢から覚めた。
―結局は夢落ちだった。
―あの頃純粋だった気持ちはもう、黒く汚れた。
―夢の欠片を一つ拾った私は苦笑して言った。

「眼科にでも行こうかな。」
という、くだらない冗談を。

11/20/2025, 11:34:36 AM

題名:見えない未来へ

※ささやかな約束の別視点です

「一生私を忘れないって約束してくれる?」
私がそう言ったのは、転校するからだ。
「いいよ。」
当然のように君は答えた。その当然は、当たり前で、私が言っていることがおかしいというように捉えることもできた。だから私は言った。
「そういや知ってる?」
「何?」
「忘れるって漢字は、心を亡くすって書くの。良く考えて作ってると思わない?」
「忘れるの漢字くら知ってるよ。何が言いたいの?」
あきれている顔から読み取れるのは、やはり私を不思議に思っているということだった。
「それはね、」
私は微笑して君の耳元でささやいた。

「いつか君も、私も約束も忘れてしまうんだろうなってこと。」

私は、あの時の約束をいつでも思い出せる。そして君の名前も全て。最初で最後の初恋は君だけで、私はもう恋をできない。恋をする回数を使い果たした、と思いたかった。

未来は見えない。

私は恋をした。

君はきっと私を忘れている。

だから

私と君の関係と約束は

切れてしまった。

11/19/2025, 11:43:55 AM

題名:吹き抜ける風

窓で外を見つめていると、冷たい風が顔に当たる。
外には、枯れ木が数本あるだけ。
他はいつもの見慣れた景色。

その景色を、特別綺麗だとは思えないが、ひたすら私は、無意識に見つめていた。

「──出席番号二十三番、おい二十三番。」
「は、はい…。」
慌てて先生の方へ目を向けると、
「これの答えは?」
と、聞いてくる。良く分からない。硬直したまま、周りはひそひそして、恥ずかしくて、口が開かない。
「分からない、です…。」
「珍しいな。そういやぼーっとしてたけど、風邪でもひいてるのか?」
「いえ、風邪ではありません…。」
顔がだんだん赤くなる。笑い声に関係ない話、私への評価、先生についてなど、いろいろ聞こえてくる。

うるさい。

うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!

聞こえてくる全てをかき消すように私はそう言い聞かせた。私は自意識過剰なんじゃないかな。そう思えば私がおかしい人みたいじゃない。嫌だ。そんなの認めたくない。

冷たい風が顔に当たる。

少し、冷静になれたのかもしれない。

私、何もできない。
きっと無気力状態だ。
期待して欲しくなかった。
話しかけて欲しくなかった。
陰口を言って欲しくなかった。
あざ笑って欲しくなかった。
期待はずれだと言って欲しくなかった。

止めて。

私は皆と同じ人間なんだよ。

お願いだからもう、

これ以上、

私に何も求めないで?

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