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4/27/2024, 2:57:14 AM

その日、幻想世界ファンタズマに流星が落ちてきた。
神が命を捧げて呼び寄せた異世界の希望。
その名を龍馬と言う。
あの神に蹴り落とされるとジェットコースターの安全ベルトを付けないで落ちているかの様な浮遊感が俺を襲っていた。随分高いところらしく5分ほどぼっとしていると地上が見えてきた。
このままでは俺死ぬのでは?と思いましたが流石にあの神もそこに配慮して何事もなく地上に降りることができた。辺りを見渡すと村があったので近づいて行くと先程の流星に警戒されているらしく村に中々通してくれなかった。
埒が開かないので脅してやろうかと俺があの流星だと言うと顔つきが神妙な顔に変わって俺を村へと歓迎してくれた。その日全世界に流星の救世主が降臨したと話題になった。
そしてかの救世主の為胸に手を当てて項垂れた。
流星に願いを込めて。

この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

4/25/2024, 2:37:35 PM

深い闇の下光輝く星々に照らされて神は言った。
何百億年と続く終わりなきこの世界に一粒のバベルを落とさんと。
「さぁ始めよう楽しい楽しいゲームの時間だ」
天の神が決めたことなどいざ知らず下界の人間は今日ものうのうとした一日を送っていた。
天気は快晴。そんな美しい青空の下で全力疾走している男がいた。彼の名は難波龍馬。高校一年生。そして現在進行形で遅刻中である。始業まであと5分。家から片道10分くらいだから間に合わないのは確定している。それでも走った。彼は自分とメロスを重ね合わせて酔っていた。3分くらい走って疲れたのか立ち止まった。チャンスだなと思いボタンを押した。すると彼を円が取り囲み地面が割れてその中に落ちた。
語り部が変わる。視界は変わり難波龍馬へ。
泥沼に引き摺り込まれるような感触であった。
おかしい。俺は自分の体をペタペタと触り始めた。
今度は頬をつねってみる。痛い。夢ではない。
どうやら本当にこの空白のような世界に来てしまった様だ。周りを見渡すと唯一齢10歳ほどの少年がいた。
声をかけようとするとその前に少年の方が歳に似つかわしくない低く威厳のある声で言った。
「おい、小童、ルールを知っているか?」
いきなり小童扱いをしてかつルールなんて簡単な言葉を知っているかと聞かれて少し怒りを覚えた。
だが俺の心中など知らんと言わんばかりに
「簡潔に言おう。お前は神の遊戯、つまり私の遊戯に招かれた。だからお前にはこれから私の遊戯に付き合ってもらう。」と言ってきた。遊戯という言葉にも引っかかったがそれよりもこの目の前の少年が神だというのが信じられなかった。質問攻めにしたかったが、
実行する前に「異論は認めん」と自称神に下へ蹴り落とされてしまった。視界が暗転し再び元の語り部へと帰る。先程あの人間が言っていた少年もとい神は
『最後』のティータイムを楽しんでいた。するとそこは彼の友神がやってきて話をした。
「…お前本当に良かったのか?」友神が問い詰める。
「何のことだい?」神はシラを切る。
「いくらお前でもルールを破れば消滅することぐらい知っているだろう。」
そう。神は絶対的な存在であるからこそ絶対的な法がある。しかるべくしてもしかの法を破ろうものなら消えてしまうのだ。
「それでも私はやったのさ。暇だったからね、精々見ておいてくれ。遊戯のために狂った愚かな神の末路を。」神は笑った。自嘲の笑みだった。
「そんな事はない。確かにお前は神随一の遊戯狂いだが同時に人も好きだったではないか。今回の遊戯も自分の世界を救うための布石だったんだろう?」
「さて何のことかわからないな、私は自分の好きなことをやったまでさ。おっとそろそろお迎えが来た様だ。この世からは永遠にお暇させてもらうよ。」そう言って一柱の遊戯狂いであり人好きの神は消えた。
残された神のコートを眺めた友神は
「馬鹿な奴」と呟き去って行った。
物語は終息する。しかしこの物語は生き続けるだろう。言葉と読み手がいる限り。
この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。

4/24/2024, 10:15:04 PM

その日は雨だった。いつものように校門を抜け1人で家へと帰宅する。傘を忘れてしまったがどうということはない。これくらいの雨ならば大丈夫。
そう思っていました。雨足は私が1番目の交差点を渡る時に既に強く帰路の半分まで来るとゲリラ豪雨と見まごうくらいの大雨へと変貌した。
携帯で天気情報を見てみる。勘違いしないので欲しいのが私は学校に違反物を持ってきたわけでも私立の中学校に行っているわけでもない。
私は現役高校生である。
今日も今日とてぼっちで家へ帰ろうとしてこうなってしまったのだ。
「「はぁーついてないなぁ」」
え?声が被った事に驚いて慌てて向こうを見ると向こう側の人も驚いた表情でこちらを見ている。
彼女の名前は牧野桜と言った。彼女もこの近くの高校に通っていて雨のせいでここに雨宿りしにきたらしい。ついでに彼女も同じぼっち仲間である。
私達はすぐに打ち解け世間話をするぐらいの仲になった。それがやがて1月経つと友達となり2月経つと親友と呼べる仲になった。
今日も一緒に家に帰っていると彼女が突然、「私転校するの」と言い出してきた。
驚いて言葉が出ずにいると彼女は酷く申し訳なさそうにそして寂しそうに目を伏せていた。
彼女の前では心配したりして快く送ったが内心はとても乱れていた。たった1人の友人が居なくなってしまうなんて。
1人だけの帰路で私は目から雫を零した。

お題「雫」
この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
更新が遅れてすみません。

4/21/2024, 12:56:30 PM

遥か遠くの宇宙の外、空間が捻じ曲がってあらゆるものがひしめき合ってまさしく混沌とした空間、そこに彼は立っていた。時空を管理する彼はビックバンよりも遥か前からこの場所にいた。彼こそが所謂神である。神は退屈であった。ビックバンによりできた幾つ物並行世界を観測するのが。
神はある日思いついた。それはそれはとても面白いお遊戯である。神は早速その遊戯を実行した。
まず神が下界におりて囁くのだ。
未来を見たく無いか?と。一つ目の世界は愚かな欲に溺れて自滅した。二つ目の世界はやがて訪れる死の未来に恐慌した。三つ目の世界は生きる気力を失った。
世界を息をするように破局に導いた神がみると最後の世界になってしまった。
そしていつも通りの手段を使って問うた。
しかし彼らはそのすべてを断った。神は遊戯の通りには行かなかったが愉快だった。新しい玩具が手に入ったと喜んだ。この世界なら好き勝手しても耐えてくれるという期待があった。さあ遊戯を始めよう。

4/19/2024, 2:21:00 PM

春。新しい生命の息吹が感じられる瑞々しい草木の匂いがする季節。私は桜の化身と出会った。
あれは中学3年の頃である。遊びにかまけていた私は都立の受験に至って危ない状況にあった。今日も塾に行ってご飯を食べて寝るだけの一日になるだろう。そう思ってしまうと気分が重くなる。歩いていると桜並木に出た。どの桜も美しく流麗だった。だが一つだけ格別の木があった。その巨体は大地に深々と根を張り桜の散る儚さと何があっても壊れぬことのないような猛々しさが同居しているような木だった。時間を忘れてその桜を眺めていると一つの青い桜の花びらが落ちてきた。変わっているなと注目していたらその花びらは地面につくと同時に人の女の姿を取った。あまりにもショッキングな光景すぎて私が二の句も告げなくなっていると「ねぇ何をしてるの?」と話しかけてきた。
言葉喋れるんだ…。
彼女?に動揺していると彼女が自己紹介してきた。
予想通り彼女は桜の精で、花が散る頃にまた消えてしまうらしい。それから私は彼女と毎日通学路で話をした。楽しくてそれだけのために外へ出るほどだった。
そんなある日いつもの通り桜の木に到着するとそこに彼女はいなかった。驚いて桜を見ると花は全て散ってしまっていた。悲しくて寂しくて下を向いているとたくさんの花びらがどこからともなく飛んできて私を覆い隠した。綺麗な光景だった。さようならと言われといるとともにまた来年とも取れたものだった。
それから私は冬になってまたこの桜に来た。新芽がピョコッと生えてきて頼りなくとも力強い生命の息吹が感じられた。

お題桜散る
ここまで読んでくださってありがとうございました。
この物語はフィクションです。
更新が遅れて申し訳ありません。

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