始まりはいきなりやってくるものだ。
死という終わりが突如来るようにまた始まりも突発的なのである。
私のように。
私の目の前には何もないまっさらな空間がある。
そしてその中心地には骸骨の仮面を被った黒ローブの人物がいる。
そいつは言った。
「私は死神。君を助手にしようとしているものだ。」
死神?助手?突然現れた単語に豆鉄砲を喰らったようになる。
数分経って私は気を取り戻す。
そして口をひらき死神からさまざまな情報を聞き出した。
曰く死神は名前の通り死を司り人の命を刈り取る者である。
曰く死神は人手がないから私に助手として働いてもらいたいらしい。
そして最後、私はどうやら死んだらしい。
私にはあまりそんな感覚がないが死神が刈り取ったらしい。
そして死神が答えを聞いてくる。
そして私は「はい」と答えた。
これが私の死神助手の第一歩だった。
お題始まり
ここまで読んでいただきありがとうございます。
更新随分していなくてすみません。
カツッカツッ、杖を使いながら暗闇をただ歩く。
いつものように耳から下げた鈴の音を頼りに障害物を避け、人を避ける。
そして街の外れにある安い雑貨屋で日々の生活用品を買い求める。
それが私の日常だった。
常に暗闇にいる私はかつて貴族であったが世間体を気にした親が私から貴族の称号を剥奪し、今はただの根無し草である。
音だけしかない私の世界では碌な暇つぶしもできずにただ遠い日の思い出を振り返るだけである。
今日、思い出したのは自分が貴族であった頃の記憶だった。華やかなパーティーで私は美しい音色に耳を傾けながらウェイトレスが持ってきたワインを飲んでいた。既に全盲だった私は親をはじめとした貴族から疎遠にされており、誰とも私は踊ったことがなかった。
その日も同じだろうと思って自分から誘わずに傍観を決め込んでいた。
そんな私に誘いかけてくれた人がいた。
顔もわからないし装いもわからない。
ただラベンダーの香りと鈴を鳴らすような綺麗な声だけ覚えている。
そんな懐かしい日を思って私は1人乾杯した。
女の心と秋の空とはよく言ったものだ。
私が中学から関わっている友達はこの頃になると
よく失恋をして私に愚痴を言ってくる。
私が口下手で発言を言わないのが都合がいいと思ったのか、私は彼女の公認の愚痴の聞き手になってしまった。
全く毎度毎度と彼女の方は愚痴を聞いてもらってスッキリするのだろうが、私は他人事だろうとも気が重くなってしまう。
愚痴っても現状は変わらぬと言うのに何故私を巻き込もうとするのか。
私の心も男だというのに彼女の不安や悲しみの出来事という雨雲に覆い尽くされて秋の空のようだった。
今日もカフェで彼女と会う。
そして愚痴の話を延々と聞かされ私は半分鬱になり彼女はスッキリする。
そんな対照的な2人の様子はとても面白いだろうなと思ってしまう。
お題秋恋
更新遅れてすみません。
私は恋愛物書けないので何が言いたいんだという文になってしまいました。
本当にすいません。
この世界では時間は自分で絶えず進んでいる。
そう思っているだろう。
これは世界の裏側の話。
誰にも見えない、世界から逸脱し時間の狭間で戦い続ける人達の話である。
透き通るような青空の下で歩いている人たちがいる。
何気ない日常の風景。
ただ違うのはその空間に時は流れておらず止まっている人たちの傍を黒い外套に身を包んだ人たちが通り過ぎていることだ。
水が流れるように火があらゆるものを焼き尽くすように森羅万象に定められた人間、その一族。
人類の為に生贄として捧げられた哀れな一族。
それが時告げという一族である。
そして全てで12人いる彼らの別名を円卓の騎士と呼ぶ。
もう誰もが忘れ去った一族。その一欠片を含む物語が「アーサー物語」である。
一番目立つ中心部に1人だけ白髪混じりの男が立つ。
彼の役職名はアーサー。時告げの一族の長である。
彼に名前はない。かつてはあったがこの世界に連れ去られる時、世界の全てから忘れ去られてしまったからだ。
チッチッチっとアーサーの持つ時計が無機質な音出しながら時を刻む。そして深夜0時に秒針が重なると、
「定刻だ、はじめよう。」
そう時を告げた。
これは毎日行われる世界を確定するためのお話。
お題時を告げる
ここまで読んでくださってありがとうございました。
「君は本当の夜空を見たことがあるかい?」
そう聞かれたのは私が大学2年生の頃、教授の展望台のお手伝いに来た時だった。
「そりゃ見たことありますよ。誰でも。」
至極当然の文字を貼り付けたような顔でそう返した。すると教授が悪戯っぽい笑みを浮かべながら「本当かな」と言いながら望遠鏡の席を私に貸してくれた。
私は天文学ではなく地学が専攻だったので星については少し齧った程度で実際に望遠鏡で天体観測をするのは初めてだった。
のぞいた時私は望遠鏡ではなく万華鏡を誤って見たしまったと勘違いしてしまったくらいその景色は美しかった。
一等星や二等星など光がバラバラで色もバラバラに夜空に散りばめられている様子は宝石箱をひっくり返したようだった。
この経験から私は地学から転科届を提出して天文学を専攻するようになった。
そしてそれから数年経ち私が天文学者になると私は2年ぶりに教授に会った。
教授はあの日と何も変わらずに穏やかな笑みを浮かべていた。
「どうかな。天文学者になって」教授がそう聞いてきた。
「毎日、楽しいです」と返す。
それから数回の会話を挟んで私と教授は別れた。
今も浮かべる教授の顔はいつもあの夜空と結びついてきらめいている。
お題きらめき
ここまで読んでいただきありがとうございます。
最近不定期で申し訳ないです。