銀杏を目一杯身につけたイチョウの木を尻目に私は並木道を歩いていた。手には古ぼけたフィルムカメラが収まっていてそのずしりとした重さが自分の思い出、つまり写真たちの重さのように感じられた。
友達にはフィルムカメラなんか何故もっているのかとよく聞かれるが私はその答えを返すことはできてなかった。確かに携帯の方がすぐどう撮られたのか分かるし補正もされている。
そしてトドメを指すように枚数制限に果てしない差がある。
スマホの方が圧倒的にいい。フィルムカメラの完敗である。でもそれでも私はフィルムカメラが好きなのだ。どうしてだろう。時代に置いてかれた感がして可愛く思えるからだろうか。
現像するまで何が映るか分からない神秘的な面があるからだろうか。
あるいは枚数が少ないからこそ命を込めれるからか。
その全部か。私には分からない。でも私はフィルムカメラが好きである。
そうして写真を撮り続け気づくと空はオレンジ色になっていた。
帰らなきゃ。そう思って帰り道に急ぐ。
すると路傍の石に転んでカメラのシャッターを押してしまった。写真はどうなっているか分からないけどもそのまま家に帰り全ての写真を現像した。
そして現像した写真たちをつぶさに見ていき転んだ時の写真を見た。それは大して華やかな風景でなく近くの公園にありそうな風景だった。
しかしそれをずっと見続けていると中央の花が力強く咲いていることに気づく。そしてそれを祝福するように日光が辺りに降り注いでいた。
成程。私がフィルムカメラが好きな理由が分かったかもしれない。
私は一期一会が好きなのだ。フィルムカメラは偶然の宝石箱なのだ。
お題もう二度と
ここまで読んでくださってありがとうございました。
更新久しぶりです。
3/24/2025, 1:48:14 PM