その日は雨だった。いつものように校門を抜け1人で家へと帰宅する。傘を忘れてしまったがどうということはない。これくらいの雨ならば大丈夫。
そう思っていました。雨足は私が1番目の交差点を渡る時に既に強く帰路の半分まで来るとゲリラ豪雨と見まごうくらいの大雨へと変貌した。
携帯で天気情報を見てみる。勘違いしないので欲しいのが私は学校に違反物を持ってきたわけでも私立の中学校に行っているわけでもない。
私は現役高校生である。
今日も今日とてぼっちで家へ帰ろうとしてこうなってしまったのだ。
「「はぁーついてないなぁ」」
え?声が被った事に驚いて慌てて向こうを見ると向こう側の人も驚いた表情でこちらを見ている。
彼女の名前は牧野桜と言った。彼女もこの近くの高校に通っていて雨のせいでここに雨宿りしにきたらしい。ついでに彼女も同じぼっち仲間である。
私達はすぐに打ち解け世間話をするぐらいの仲になった。それがやがて1月経つと友達となり2月経つと親友と呼べる仲になった。
今日も一緒に家に帰っていると彼女が突然、「私転校するの」と言い出してきた。
驚いて言葉が出ずにいると彼女は酷く申し訳なさそうにそして寂しそうに目を伏せていた。
彼女の前では心配したりして快く送ったが内心はとても乱れていた。たった1人の友人が居なくなってしまうなんて。
1人だけの帰路で私は目から雫を零した。
お題「雫」
この物語はフィクションです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
更新が遅れてすみません。
4/24/2024, 10:15:04 PM