NoName

Open App
11/21/2022, 10:25:15 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十五話」

管理人は、信者の術が解けて元の姿に戻りました。
「…何なんでしたの?」
「フロンティアウォーカー、めっちゃ強いやん!…あ、せや。諏訪井トキヨ、脱税と違法建築の罪で逮捕や!」
「お、お巡りさん?!私、ケブバガミに騙されてただけで…」
「だからって、税金誤魔化す理由にならんで?連行や!」
「管理人さん、地獄で反省して下さい」
スモークは管理人に捨て台詞を言い、シリウスは管理人を警察署に連れて行きました。

「フロンティアウォーカー、強いね」
キトンは、スモークの方を見ていました。
「うーん、僕が見る限り、君達も十分強そうだよ?」
「スモークって、通常時と戦う時とでは人格が違うんですね?あまりにもカッコ良すぎます!」
ピエロは、キラキラした目でスモークを見つめていました。
「…何だよ、スモークばっかり」
ロードは、少しがっかりしていました。
「今回、活躍した勇者はスモークだから良いんじゃないか?」
カインドは、ロードをフォローしました。
「あのさ、俺達もフロンティアウォーカーのメンバーになって良いかな?三人だけじゃ戦力としては心細いからな」
ガバードは、カインド達に仲間になりたいとお願いしました。
「…良いぜ。俺達も三人だけじゃ心細かったからな」
「仲間は多い方が良いしな!」
「本当ですか?!ありがとうございます!」
ピエロ、キトン、ガバードは、フロンティアウォーカーのメンバーになりました。

「よー、久しぶりやな。置き手紙だけ残してどっか行ってしまうって水臭いやんか」
「スノーさん!何で三次元国に…」
背後から突然、スノーが現れました。
「ちょーっと、仕事の手続きの都合でな。他の四人は宿に戻ってる」
「四人って…あと、一人はどうしたんですか?」
「スカイは拠点で留守番しとる。前に全員で出かけてた時に泥棒に入られてもうたから、警備強化で誰か一人が留守番する事になったんや」
「泥棒って、ひょっとして…フリーって人達の事だったのでは無いでしょうか?」
「私達の誤解だったんですね…ごめんなさい」
梨々華と志那は、スノーに謝りました。
「よし、オレは許したる。ただな、オレ達帰られへんようになってん。陸海空路全て二次元国軍に破壊されてな…」
スノーは、顔に影を落としながら悲しみました。
「?」
「今、三次元国は二次元国と戦争中やて事、知らんのか?」
「え?!戦争中?」
「全く知りませんでしたわ…」
一同は、顔を真っ青にしました。
「みんな、騙されて連れて来られたんやな…」

11/20/2022, 10:56:11 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十四話」

「ちょうど良いですね。この豚婆に力を最大限に与えましょう」
ケブバガミの信者は、管理人に呪いを最大限に掛けました。
「グルル…」
管理人は、大きなイノシシの様な姿になりました。「まさに、豚に相応しい姿!」
ケブバガミの信者は、大笑いしました。
「この価値の無い石コロに一喜一憂されるなんて、哀れなババァだな!」
「…俺達が戦うしか無さそうだな」
「待った。相手の実力が分からないうちは俺達が戦った方が良い」
ロードを静止したアンバーが、戦闘態勢に入ろうとしました。
「その心配は必要ありませんよ。俺達はパズルよりも強いからな」
「あの人が居ない今、一般人の子達に合わせなくても良いんです」
フロンティアウォーカー達は、戦闘態勢に入りました。
「さあ、醜いイノシシよ。その怒りをぶつけ、滑稽に暴れなさい!」
ケブバガミの信者は管理人の尻を叩き、管理人は暴れ始めました。
「この人数だったら、『私』もたくさん必要でしょう」
ケブバガミの信者は、自分の分身を30人繰り出しました。

「カインド達、3人で大丈夫?!」
志那達は、心配しました。
「まぁ、見てなって」
カインドは回転斬りをして、10人位の信者の分身を一撃で倒しました。
「カインドって、こんなに強いのね…」
梨々華は、呆然としました。
「こんな敵、元々の技や術で倒せるぞ」
ロードは、
「アクエリアスボマー」
と唱えて、大量の水爆弾を信者の分身に直撃させて爆発させました。
「あの人が居ない今、一般人の子達に合わせなくても良いんだよ」
スモークは、煙を出しました。
「バイヤーさん、豚を大分罵っていますが、豚って恐ろしい生き物ですよ?」
スモークの出した煙は、100頭位の豚の群に姿を変えました。
「な、何だ?!」
「豚は雑食動物で、歯は獲物を突き刺す鋭い牙と植物や骨をすり潰し噛み砕く臼歯がある為、人間を噛み砕く事が可能」
スモークは淡々と豚の説明をすると、豚達は信者とその分身達に群がり、食べ始めました。
「ウギャアアアァァぁああアアア!」
「大人の豚は、体重が数百kgにも及ぶので、足で人間を踏み潰す事が出来る」
豚達は走り始め、管理人の動きを止めて、信者を踏み潰しました。
「当然、豚に踏まれると内蔵は破裂する」
信者は動かなくなり、豚達は姿を消しました。

11/19/2022, 10:32:38 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十三話」

「さーて、夜になったわネ」
仕事を終えた管理人は、辺りを見渡していました。
「…誰も居ないわネ。あの小娘が植木を荒らして無いと良いけど」
管理人は、周りを見渡しながら外に出ました。
「注文していた宝石が届いているはず。行かなくっちゃ」
管理人は、周りを気にしながらマンションの外へ出ました。
「パライバトルマリンって、素敵な水の色って言うみたいよねェ?本当かしら?楽しみねェ〜」
管理人は、颯爽と夜の道を走っていました。
「早くバイヤーさんの所へ行かなくっちゃ!えーと、ケブバガミって会社よね…?」
管理人は、頼んでいた宝石を受け取りに行く為、ケブバガミの信者の所へ急いで向かいました。

「…管理人、行ったみたい」
「後を追うぞ」
志那達は、管理人を追跡し始めました。
「年配の女性の割には、走るスピードが速いな…」
「ロード、頑張れ」
「ありがとう。キトンは猫だから、持久走は苦手か?」
ロードは、背中に乗っている猫の姿のキトンに言いました。
「うん、猫だから」
志那達は走っていると、走って来るシリウスとぶつかりそうになりました。
「うわぁー!ビックリしたやん!君達、何なん?こんな時間に大勢で…」
「お巡りさん、うちのマンションの管理人が外に出歩いて行ってしまいました。高齢の方なので、徘徊じゃないかと心配です」
ピエロは、シリウスに事の経緯を説明しました。
「その方って、諏訪井トキヨって名前?」
「お巡りさん、そうです」
「俺、シリウス言うんやけど、諏訪井トキヨって人、物凄く宝石買い込んで無かった?」
「いつも、沢山の宝石を身に着けてましたわ」
アメジストと梨々華は、シリウスの質問に答えていました。
「諏訪井トキヨは、ケブバガミの信者から宝石を買い込んでいるって情報が入って来て、多分、諏訪井は信者に会いに行ったかも知れへん」
「ケブバガミか…三次元国にも居るって事は、かなり大きな組織だね」
アンバーは、ケブバガミは世界中に蔓延っているんだなと難しい顔をしました。
「三次元国に緊急に配属になったからなぁ…アンタら、見た所2.5次元国から来たっぽいけど、今、三次元国は…」
シリウスは話していると、誰かと話している管理人の姿を見つけました。
「居った!」

「バイヤーさーん!コッチですよー!」
「諏訪井様、そんなに大声出されては誰かに見つかりますよ?」
管理人は、ケブバガミの信者と話し始めました。
「アラ、ごめんなさいね。パライバが手に入ったって言うから、つい興奮しちゃって」
「諏訪井様、今回のパライバトルマリンは一級品ですよ?手に入れるのにかなり苦労しましたが、あなたの様なお得意様の為に我々は頑張っていますからね」
「早く、見せて…!」
管理人は、目を輝かせていました。
「諏訪井様、コレがパライバトルマリンです」
ケブバガミの信者がジュラルミンケースを開けると、全長5cm位のパライバトルマリンが入っていました。
「まぁ!美しいわネ…」
管理人は、パライバトルマリンを手に取ろうとした時に
「おばあちゃん!ソレ、危険物や!」
と、間一髪で管理人が宝石に触ろうとした所を止めました。

「な、何よ!危険物って…」
宝石は、シリウスの銃弾を当てると黒く溶けてしまいました。
「まぁ…せっかくのパライバトルマリンが…!」
「この銃弾は人に当たっても大丈夫やで。極地の呪いの物なら黒く溶けてまうけどな」
管理人は、呆然として泣き崩れ、怒り狂い始めました。
「ちょっと!何してくれるの?!私がコレを買うのにどんだけお金の工面頑張ったと思うのよー!」
「…お金の工面って、ひょっとして違法的な方法で?」
スモークの表情が変わりました。それと同時に、管理人が改心しない事を一同は悟りました。

11/18/2022, 10:32:15 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十二話」

「今なら、管理人は出かけているよ」
キトンは、管理人の部屋を監視して、管理人が出かけて行ったのを見計らって、志那達に合図を送りました。
「あの管理人の禍々しいオーラは、キツ過ぎます…」
「ピエロ、大丈夫か?」
「じゃ、みんなを呼んで来る!」
志那は、スマホを使って梨々華やカインド達を呼びました。
「志那、何の用ですの?」
「コレから、ミュージアムに行こうと思ってたんだけどな…」
「志那、楽しまないと損だぞ。こんなユートピアみたいな街、そんなに無いからな」
梨々華やカインド達は、コレからどこかに行くかの様なお洒落着の格好をしていました。
「アレ?由里と章司は?」
「二人は呼んだけど、部屋に居なかったよ?」
スモークは、由里と章司に連絡を入れようとしました。
「なら、ちょうど良いですね。その二人は、呪いにかかっている時間が長いから、解くのにかなりの時間が掛かりますし、後回しの方が効率は良いです」

「志那、そいつら誰だ?」
「私の部屋でシェアハウスしている先住民だよ。幽霊のピエロと猫のキトンとカモメのガバード」
志那は、カインド達にピエロ達を紹介しました。
「お前らも、回帰光玉で仲間を失くしたのか?」
「ああ、そういう事だ。お互い、同じ境遇だとはな」
「皆さん、お洒落をしてお出かけって事は…かなり呪いが進んでいますね」
「三次元国で浮かれていると、一文無しになる。ケブバガミが呪いを掛けて悪化させているな」
「呪いは、解かなきゃダメだよ?」
「せーの、カースクリア!」
ピエロ達は、カインド達に掛かっている呪いを解きました。

「…何なんでしたの?」
梨々華はまさかと思い、自分の所持金の残高を見ました。
「ウソ…!こんなに使ってましたの?!」
「梨々華、俺達も同じだ」
「うわっ!どうしよう…」
「不覚だ…」
梨々華とカインド達は愕然としていました。
「…実は、俺達は呪いには掛かっていません」
「言えば、掛かっているフリだ」
アメジストとアンバーは、カミングアウトしました。
「エッ?!じゃあ、今まで何で掛かっているフリなんて…」
「勿論、調査ですよ。秘密裏に管理人を調査していました」
「管理人は、最初から見て怪しいと思ったからだ」
「…流石、林檎は違うね」
キトンは、呟きました。

「管理人を調査して分かった事ですが、毎晩のように誰かと会っている事が判明しました」
「相手は多分…宝石の密売人か何かだろうな」
林檎王子の二人は、管理人の調査報告をしました。
「この国に掛かっている呪いって恐ろしいな…大量出費させて借金地獄にするつもりか?!」
ロードは、顔を青ざめながら恐怖に陥っていました。
「管理人は追った方が良いよ。今までの仕返ししてやるんだから!」
志那は、やる気満々でした。
「…志那は、管理人にこき使わされていましたものね…」
「管理人を何とかしないと、このマンションから出られないし、また呪いに掛かる危険だってあるから、僕は賛成だよ」
「皆で、あの婆さん追跡するぞ」
志那達は、管理人を追跡する事にしました。

11/16/2022, 10:45:22 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十一話」

「グラックさん、どうします?」
「ボスからは広告塔として連れ去るか、暗殺しろの指示だからな…」
グラックとポールは少し話して、優人に拘束術を掛けました。
「両方連れ去るぞ」
「了解」
「た、助けてくれー!」
優人は動けなくなり、宙に浮いて、グラックとポールの所に引き寄せられました。
「そこの一般人二人、悪いが男の方返して欲しけりゃ、女の方を渡してくれんか?」
「渡す訳、無いでしょ!大人しく斉木君を返しなさい!」
「キミ、交渉ってのが分かってないね。その女優さんを渡せば、キミのお望みの推しが返って来るんだよ?」
「条件としては、随分優しくしたつもりだけど?」
グラックとポールは、由里を責めました。
「そ、そんな…」
由里は、困惑しました。

「こうなったら…スターフラッシュ!」
由里はスターダガーを使って、星のように眩しい閃光を放ちました。
「ウワッ、眩し!」
「こうなったら、志那達呼んで助け…あ!この場に居ない!」
由里は、やってしまったと言う顔をしました。
「斉木君!今のうちに逃げて!」
「逃げるって…あ、動けた!」
優人は、すかさずその場を離れました。
「由里、ナイスです!今のうちに通報だ!」
章司は、すかさず警察に通報しました。
「問題は、警察が来るまでにどう時間稼ぎするかですね…」
「一般人、そんなに拷問技喰らいたいか?」
グラックは、章司に拷問技をかけようとしました。
「あなた達は、どう言う目的であの二人を狙っているか分かりませんが、こんなに大勢の居る場所で暴れて大丈夫ですか?」
「いざとなったら、この場に居る全員を始末すれば良いだけの話です」

グラックが、カフェ全体に拷問空間を仕掛けようとすると、
「警察や!」
と、ベージュの肌、大きな緑色のツリ目、白いパーマのハーフアップの髪型、中肉中背の姉御肌のデキる女の婦警が突撃しました。
「マズいマズい、サツ来たぞ…」
「みんな!警察が来たから、もう安心し!犯人、捕まえたるで!」
婦警は、持っているブリザードガンで、
「ブリザードスターダスト!」
と、唱えて、グラックとポール目掛けて光る氷の星屑を連射しました。
「マッズ、逃げましょう」
「一時、退散だな…悪い予感がするし」
グラックとポールは、誘拐せずにそのまま去ってしまいました。
「待てや!逃さへんでー!」
婦警は追跡しようとしましたが、グラックとポールはすでに姿を消した後でした。
「アカン…逃げられてもうた」

「由里ちゃん、助けてくれてありがとう」
「章司君、助けてくれてありがとうございます」
「斉木君、一ファンとして当然の事です!」
由里は、顔を輝かせていました。
「困っている人を見たら、助けるのは当たり前じゃないですか」
章司は、少し照れていました。
「章司君って、好きな人居るの?」
「…勿論、居ます。その子は僕と同い年です」
「章司君の想いが届くと良いですね」
由衣花は、笑顔で微笑みました。
「あ、ゴメンなー。犯人、逃げてもうたわ…」
婦警は、申し訳無さそうな顔をしていました。
「そうですか…残念ですね」
「次こそは、絶対捕まえてやるさかい…あ、俺はシリウスって言うんや」
「シリウスさん!私も犯人捕まえる手伝いさせて下さい!」
「僕もお願いします!」
「よっしゃー!アレはケブバガミの幹部やけど、いつかはボス捕まえたるでー!」
由里と章司とシリウスは、意気投合しました。

Next