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12/27/2022, 10:42:20 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十五話」

志那が遊園地から帰った後、志那を護衛していたアメジストは、冷静な目でカインドを見ていました。
「最初は、志那がカインドと二人きりになって危険だから見張ってはいましたが、状況は変わりましたね…」
カインドは、しばらく一人で歩いていましたが、アメジストを見つけたのか、アメジストに向かって歩いて来ました。
「アメジスト、見つけたぜ」
「バレましたか…力量はそこそこはあるみたいですね」
「そこら辺の弱小グループと一緒にすんなよ?」
カインドは、微かにニヤリとドヤ顔をしました。
「志那は良いんですか?彼女、泣いて帰りましたよ」
「俺、志那はどうでも良いんだけど?泣いても何とも思わないし」
「強がりですか?」
「まさか」
二人は、黙ってしまいました。
「俺、好きな人居るんですよ。好きでもない女と無理に付き合ってもメリットが無いだけ」
「君の言う事は間違ってはいません。ただ、好きだと思う人には異性の影がある物です。気をつけた方が良いですよ」
「アメジストは、志那とヨリを戻せとかは言わないんですね」
カインドは、安堵した表情でした。
「……」
ローズは、アメジストの方を見ていました。
「俺の仲間が来た様ですね…」
「アメジスト、探したぞ!久しぶりだな」
ローズは、二人の所まで近づきました。
「アメジスト、誰だよ?」
「同じグループのメンバーのローズです」

カインドは、ローズを見ました。
「(流石は林檎王子のメンバーだな…かなりの力量だぜ…)」
カインドは、ローズに圧倒されかけました。
「(アメジストも、脱退してなかったらかなり強いって奴か?)」
カインドは、アメジストの方を見ました。
「(現段階で林檎を敵に回すのは危ないな…)」
「何か、許せねェんだよ。健康なアンタ見てるとな!」
ローズは、アメジストに向かって怒鳴りつけました。
「マズい事になりましたね…ローズもセラフィの呪いが悪化してますね…」
「セラフィの呪いって、コレの事か…」
カインドは、全身痣だらけのローズを見ました。

「アメジスト、勝負だ!」
ローズは、アメジストに攻撃を仕掛けて来ました。
「ドリアード召喚!」
ローズは、ドリアードを召喚して、コンクリートの道から大きな木々を生やしました。木からは、大量の妖精が現れて、お客さん達をイタズラし始めました。
「うわー、コレ、絶対迷惑がかかる奴だ…」
カインドは、引いていました。
「このまま攻撃技を仕掛けて来たらマズい。ローズを闘技場に誘導します」
アメジストは、ローズを止めに入りました。
「ローズ、闘技場に移動しましょう。ココだと関係の無い人まで巻き込んでしまいます」
「悪戯妖精を止めるか。超悪神マーリドよ、悪事を働く妖精共に制裁を加えよ」
カインドは、マーリドを呼びました。マーリドは、多数の蛇の頭を出して、妖精を食べてしまいました。
「よ、妖精達が…」
「大人しく、闘技場に移動した方が良いんじゃないですかー?」
「カインド、かたじけない」
アメジストは、カインドにお礼を言いました。

「……何?!事件?事故?」
遊園地をパトロールしていたベージュの肌、茶色の目、緑色の髪色、痩せ型の気弱だけど優しい警察官は、騒ぎになっている人だかりを発見しました。
「大変だ…!皆さん、どうしました?!」
警察官は、人だかりに向かって走って行きました。
「警察の方ですか!実は…」
アメジストは、警察官に事情を説明しました。
「分かりました。僕も参戦します。ちなみに僕はリゲルです」

「(アメジストを幸せな人生を送っていただけで仲間全員で攻撃するなんて、とんだミサンドリーだな。でも、林檎のメンバー達はどう言う理由で攻撃してるんだ?)」
カインドは、何故アメジストが林檎王子のメンバー達から攻撃されているのか疑問に思いました。

12/24/2022, 10:28:13 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十四話」

「女傑島でもテロが起きるなんて、三次元国は物騒だなぁ…」
志那はマンションの廊下から外を見ていました。
「男って、やっぱりアイドルみたいな女を好きになっちゃうのかな?一般人とアイドルじゃ色んな面でアイドルが勝っちゃうしね」
「志那、何か悲しい出来事でもあった?」
マゼンタが志那の傍に現れました。
「マゼンタさん…ちょっと、女傑島の出来事を思い出してただけです」
「あ…確かにイケメンが美女と美少女ハーレムに囲まれるのは、女性にしてみれはキツイ場面やな…ホンマ、ゴメンやで」
マゼンタは、マズいと言う顔をしました。
「あ、せや。ちょうど、遊園地のチケット持ってんねん。この前のお礼とお詫びを兼ねてのプレゼントや」
マゼンタは、志那に遊園地のチケットを渡しました。
「ありがとうございます…」
「志那、少し笑顔になったな。遊園地のチケットは二枚あって、もう一人はマンションの玄関で待ってるで」
「マンションの玄関?」
志那はマンションの玄関に行きました。玄関では、カインドが待っていました。
「カインドも遊園地行くの?」
「志那、お前も?!」
志那とカインドは、遊園地に行ってしまいました。志那は嬉しそうでした。
「志那の想いが届くとエエな」
マゼンタは、管理人室に戻りました。

志那とカインドは遊園地に入ると、光り輝く幻想世界が辺り一面に広がっていました。
「スゴいキラキラしてる…!」
「志那、ジェットコースターに乗ろうぜ!」
「賛成ー!」
二人は、ジェットコースターに乗りました。ジェットコースターから見る遊園地全体の光景は、まるで銀河を駆け巡る星達の様です。
「空想の世界は、何でもかんでもファンタジーの世界みたい!」
志那は、ココで自分は空想の世界に居る事を思い出しました。
「志那って、可愛いよな!」
カインドは、志那を褒めました。
「エッ?!いきなり何?」
志那は、照れてしまいました。
「(神様、この時間だけは、幸せにして下さい)」
志那は、心の中で思いました。

ジェットコースターから降りた二人は、次は観覧車に乗りました。
「志那の前では、ワルみたいにカッコつけてるけどな…そうでもしないと、気にも留められなくなるだろ?」
「カインド、いきなりどうしたの?!ビックリするじゃん」
カインドは、笑顔でした。
「(零也…カインドと結ばれるなんて、何億分の1しか無い事なんて分かってる。どんなに可愛くなったって振り向いてくれないのも分かってる )」
志那は、切ない顔をしていました。
「カインドは、ケイの事をどう思ってるの?」
志那は、カインドにずっと思っていた事を聞きました。
「人間界の俺は、ケイの事しか頭に無い位ケイが好きだけど、俺自身は志那の事が好きだからな」
「本当はどうなの?私はあなたに取って、ただのクラスメートだし、一人のファンに過ぎない」
志那は、ついに言ってしまいました。
「…仲間達は勿論大事だし、志那達も大事だけど、ケイが一番大事かな?ケイが好きだからに決まってるじゃん!」
「零也なら、そう言うと思ったよ…」
志那は、悲しい顔をしていました。
「(今だけ言わせて「私はあなたが大好き」あなたは私を幸せにしてくれるから…でも、もう言えない)」

「零也、ほんの一瞬だけど、幸せな時間をありがとう。ケイと幸せになって下さい」
観覧車から降りた志那は、涙を流していました。
「志那…」
カインドは、唖然としていました。志那は、帰ってしまいました。
「志那、おかえり…どないしたん?!」
マゼンタは、志那の様子を見て驚いていました。
「カインドは、用事があるから先に帰ってって言ってた。今日はありがとうございました!」
マゼンタが見る限り、志那は笑顔でした。

12/23/2022, 10:41:31 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十三話」

ライブ会場内は、辺り一面血の海で、無数の穴が空いた遺体がそこら中に転がっていました。
「地獄に落ちると良いわ。今まで時間を奪われる事無く何の恐怖も苦痛も無い人生を送って来た雌共め」
「おーっと、地獄に落ちるのは君の方じゃ無いかな?」
カインドは、女性の前に行きました。
「?!」
「凄惨なる地獄界よ、超悪神マーリドに生贄を捧げる」
突然、空は真っ暗闇になり、大空の中央から大きな穴の様な異界への入り口が開きました。異界から様々な猛獣が合わさった様な巨大な恐ろしい生き物が現れました。
「な、何?」
女性はマーリドを見て驚いていると、マーリドは女性をくわえて顎を突き出す様に空を見上げました。
「た、助け…」
女性は、マーリドに空中で何回も噛まれて内蔵は剥き出しになって全身血だらけになり、出血多量で意識を失いました。
「マーリドよ、良くやった。あるべき世界に戻れ」
マーリドの姿が消えると、空は元の青空に戻りました。
「やっつけた…」
生き残ったアイドル達は、カインドの所に駆け寄りました。
「ありがとうございます!」
「あなたは英雄です!」
「人生最大のモテ期か?」
カインドは少し照れました。
「君達、ココのルール忘れた訳じゃないよね?女傑島は異性間の恋愛は禁止だよ」
突然、中年の小太りの男性が現れました。
「どうしよう…経営者だ」
「バツとして、プライベートショットのネット公開だよ」
「プライベートショットって…アイドル達の恥ずかしい写真の事ですか?!」
アイドル達は、青ざめていました。
「君達に商品価値が無くなったら、タダの力の無いチンパンジー同然だよ?」
「経営者さん、チンパンジーは結構力がありますよ?」
スモークは、チンパンジーの形をした煙を出しました。
「チンパンジーの握力は、人間の顔の皮を簡単に引きちぎる事が出来る」
チンパンジーは、経営者の顔の皮を引きちぎってしまいました。
「ウギャアアアアアァァア!」
「チンパンジーの腕力は、人間の腕をも引きちぎってしまう程だ」
チンパンジーは、経営者の腕を引きちぎってしまいました。経営者は、出血多量で倒れてしまいました。
「私達、開放されたんだ…」
「お家に帰れる…」

「警察だ!」
「来たか…地獄の鬼よ、蘇生術を使わせてもらう」
カインドは地獄の鬼を召喚して、女性と経営者を健康な姿に戻しました。
「テロ及び拉致誘拐の罪で逮捕します」
ベージュの肌、茶色の目、茶色の髪色、中肉中背で頼れるお兄さんの警察官は、女性と経営者を連行して行こうとしました。
「ま、待って下さい!そこの若者に酷い目に遭わされたのですよ!」
「私だって、被害者です!」
「言い訳は、署の方で聞きますから。そこの君達、犯人逮捕にご協力ありがとうございます。ちなみに僕はアルタイルです」
アルタイルは、女性と経営者を連行して行きました。

12/22/2022, 11:11:36 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十二話」

「ココって観光地なのかな?ブランド店の他にお土産屋さんがいっぱいあるね」
「何か、観光が主要産業じゃない?ライブハウスだらけじゃん」
「あの人、オーシャンさんじゃありません?」
梨々華の視線の先には、オーシャンが志那達を待っているかのように立っていました。
「よっ!買い物楽しんでるかい?」
「オーシャンさんは、単独行動ですか?」
「アハハ、まぁ、そんな所や。一人って、何か寂しいモンやな」
「そりゃあ、三次元国に来たばっかじゃ慣れてないし、大変じゃないですか?」
「来たばっかか…そう言やスノーから聞いたんやけど、スモークが前の管理人と戦った時に人の命奪わんかったか?」
「確かに、アレは恐ろしい戦いでしたわね…」
梨々華は、顔を青ざめました。
「やはりな…闇覚醒か」
「闇覚醒?」
「闇覚醒言うんは、愛情が断たれとる状態の時に発動してしまう極地の影響の一つや。君達が彼らに同行しとったから、スカイが制御を掛け取ったけど、今回スカイは拠点で留守番やからな…」
オーシャンは、考え込んでしまいました。
「闇覚醒って、誰でも発動する物ですか?」
「せや。誰だってそうなる危険がある。そうならん為にもなるべく愛情に触れる事やな」
オーシャンは、それだけ言うと何処かへ行ってしまいました。
「カインドって、愛情受けずに育ったのかな…?」
志那は、カインドについて考えていました。
「志那、心配するのはスモークの方じゃなくて?」
「でも、彼らって事はフロンティアウォーカー全員って事じゃん。カインドも例外じゃ無いよ?」
由里は、そう言うと海岸線の方に視線を向けました。
「取り敢えず、海の方に行こうよ。人混みでその話題はマズイから」
志那達は、海に行きました。
「キレイな景色だねー!」
「アレ、誰だろ?」
志那の視線の先には、小柄で痩せた女性が佇んでいました。

「観光客かな?」
「幽霊とかだったらどうするんですの?」
「幽霊って、あの人に失礼だよ…」
志那達は話していると、女性が近寄って来ました。
「この島の人達って、何処に集まって居るの?」
「…えーと、ライブ会場?」
「ゴメン、私達観光客だから、詳しくは分からないかな…?」
「…ありがとう」
女性は、何処かへと行ってしまいました。
「…?」
三人は、きょとんとなりました。
「この島にイケメン達が来るなんて、今日はラッキーデー?」
「推しに会えて良かったー!」
「経営者に見つかったらどうすんの?島から追い出されるよ?」
アイドル達は、楽屋で談笑していました。
「ピエロさん、ハグして下さい♡」
「え…」
会場でピエロに会ったアイドルは、ハグを要求して来ました。ピエロは、固まってしまいました。
「ありがと♡」
アイドルは、ピエロに抱き付きました。
「ピエロさん…女?」
「……」
「この前、ハグしてもらった時には乳なんて無かったのに、何で付いてるの!?」
「この前の配信で言いましたが…体の性を心の性に合わせました。あと、二次元国の情報を知りたがって居る人達が居まして、その人達に教えて頂けると…」
「アンタに何百万かけたと思ってるのよ?裏切りじゃない!大体、あの二次元国の高官もそうだけど、裏切るのが本当に好きね!」
アイドルは、激昂するとスライムの様な物体の鋭い槍の餌食になってしまいました。
「だ、大丈夫ですか?!」
「一体、何がどうなったの?!」
空を見たスモークの視線の先には、女性が体からスライムの様な物体を出して、会場中に突き出していました。
「このままだと、犠牲者が多数出るな…」

12/21/2022, 11:06:48 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十一話」

「な、何かすでにチケットあげる前提の話になってるんだけど…」
「良いじゃありませんか。要りませんから」
「じゃあ、あげるねー」
由里は、男性陣にチケットを渡しました。
「いよっしゃあー、アミダ開始や!」
「俺はコレ!」
「俺はコレ!」
「オイ、コレは俺のだぞ」
「良いじゃん、後で横線引くんだし」
男性陣に寄るチケットの争奪戦が始まりました。

ライブ当日、マンションの住人は章司以外全員が女傑島に行く事になりました。
「章司、本当に留守番で良いの?」
「良いですよ。ライブ行けなかったら意味がありませんから。楽しんで来て下さい」
「志那ー!行くよー」
電車と船を乗り継いて、二時間程で女傑島に着きました。
「スゲー!美女や美少女ばっか!」
ロードは、女傑島の街の光景を見て興奮しました。
「本当に女の子ばっかだね!」
「凄いブランド店の数だな…」
女傑島には、ファッションブランドの店が所狭しと並んでいました。
「あ!ひょっとして、パズルじゃない?」
「イケメン達だ!ヤッター!」
女傑島の住人達は、男性陣を見るなり駆け寄って来ました。
「応援してます!」
「好きです!」
「久しぶりのイケメン達ー!」
「オタクばっかりでうんざりしてたんです!」
「サインして下さい!」
「何か、主催者と客反対だけど?」
女傑島の住人達は、キャーキャーと黄色い声で騒いでいました。
「じゃ、クジに当たった私とスモークとカインドの三人でライブに行って来ます!」
「何か、術使ってそうだけど?」
カインドとスモークとピエロの三人は、ライブ会場に向かいました。
「うわー羨ましいぜ!俺も行きたかったなー!」
「俺達は、ファンと交流でもしようよ」
「賛成ー!」
「写真取っても良いですか?」
「ペアで取らせて下さい!」
「スゴい近寄り様やな…」
残りの男性陣は、女傑島の住人達と交流し始めました。

「たまにはこんな天国も悪く無いな!」
「ガバード、嬉しそうだね」
「そりゃあ、可愛いファンの為に一肌脱いでるからな」
「それは、みんな同じだね」
「コレ、女傑島って言うより天国島だろ!」
「アンバーは凄い乗り気ですね」
一方、女性陣は、
「暇だし、買い物しない?」
「あの集団見てたら、病みそうだもんね」
「幸いにも、この島はブランド店が充実してますしね」
男性陣を尻目にブランド街に行きました。

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