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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十二話」

「ココって観光地なのかな?ブランド店の他にお土産屋さんがいっぱいあるね」
「何か、観光が主要産業じゃない?ライブハウスだらけじゃん」
「あの人、オーシャンさんじゃありません?」
梨々華の視線の先には、オーシャンが志那達を待っているかのように立っていました。
「よっ!買い物楽しんでるかい?」
「オーシャンさんは、単独行動ですか?」
「アハハ、まぁ、そんな所や。一人って、何か寂しいモンやな」
「そりゃあ、三次元国に来たばっかじゃ慣れてないし、大変じゃないですか?」
「来たばっかか…そう言やスノーから聞いたんやけど、スモークが前の管理人と戦った時に人の命奪わんかったか?」
「確かに、アレは恐ろしい戦いでしたわね…」
梨々華は、顔を青ざめました。
「やはりな…闇覚醒か」
「闇覚醒?」
「闇覚醒言うんは、愛情が断たれとる状態の時に発動してしまう極地の影響の一つや。君達が彼らに同行しとったから、スカイが制御を掛け取ったけど、今回スカイは拠点で留守番やからな…」
オーシャンは、考え込んでしまいました。
「闇覚醒って、誰でも発動する物ですか?」
「せや。誰だってそうなる危険がある。そうならん為にもなるべく愛情に触れる事やな」
オーシャンは、それだけ言うと何処かへ行ってしまいました。
「カインドって、愛情受けずに育ったのかな…?」
志那は、カインドについて考えていました。
「志那、心配するのはスモークの方じゃなくて?」
「でも、彼らって事はフロンティアウォーカー全員って事じゃん。カインドも例外じゃ無いよ?」
由里は、そう言うと海岸線の方に視線を向けました。
「取り敢えず、海の方に行こうよ。人混みでその話題はマズイから」
志那達は、海に行きました。
「キレイな景色だねー!」
「アレ、誰だろ?」
志那の視線の先には、小柄で痩せた女性が佇んでいました。

「観光客かな?」
「幽霊とかだったらどうするんですの?」
「幽霊って、あの人に失礼だよ…」
志那達は話していると、女性が近寄って来ました。
「この島の人達って、何処に集まって居るの?」
「…えーと、ライブ会場?」
「ゴメン、私達観光客だから、詳しくは分からないかな…?」
「…ありがとう」
女性は、何処かへと行ってしまいました。
「…?」
三人は、きょとんとなりました。
「この島にイケメン達が来るなんて、今日はラッキーデー?」
「推しに会えて良かったー!」
「経営者に見つかったらどうすんの?島から追い出されるよ?」
アイドル達は、楽屋で談笑していました。
「ピエロさん、ハグして下さい♡」
「え…」
会場でピエロに会ったアイドルは、ハグを要求して来ました。ピエロは、固まってしまいました。
「ありがと♡」
アイドルは、ピエロに抱き付きました。
「ピエロさん…女?」
「……」
「この前、ハグしてもらった時には乳なんて無かったのに、何で付いてるの!?」
「この前の配信で言いましたが…体の性を心の性に合わせました。あと、二次元国の情報を知りたがって居る人達が居まして、その人達に教えて頂けると…」
「アンタに何百万かけたと思ってるのよ?裏切りじゃない!大体、あの二次元国の高官もそうだけど、裏切るのが本当に好きね!」
アイドルは、激昂するとスライムの様な物体の鋭い槍の餌食になってしまいました。
「だ、大丈夫ですか?!」
「一体、何がどうなったの?!」
空を見たスモークの視線の先には、女性が体からスライムの様な物体を出して、会場中に突き出していました。
「このままだと、犠牲者が多数出るな…」

12/22/2022, 11:11:36 AM