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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十四話」

「女傑島でもテロが起きるなんて、三次元国は物騒だなぁ…」
志那はマンションの廊下から外を見ていました。
「男って、やっぱりアイドルみたいな女を好きになっちゃうのかな?一般人とアイドルじゃ色んな面でアイドルが勝っちゃうしね」
「志那、何か悲しい出来事でもあった?」
マゼンタが志那の傍に現れました。
「マゼンタさん…ちょっと、女傑島の出来事を思い出してただけです」
「あ…確かにイケメンが美女と美少女ハーレムに囲まれるのは、女性にしてみれはキツイ場面やな…ホンマ、ゴメンやで」
マゼンタは、マズいと言う顔をしました。
「あ、せや。ちょうど、遊園地のチケット持ってんねん。この前のお礼とお詫びを兼ねてのプレゼントや」
マゼンタは、志那に遊園地のチケットを渡しました。
「ありがとうございます…」
「志那、少し笑顔になったな。遊園地のチケットは二枚あって、もう一人はマンションの玄関で待ってるで」
「マンションの玄関?」
志那はマンションの玄関に行きました。玄関では、カインドが待っていました。
「カインドも遊園地行くの?」
「志那、お前も?!」
志那とカインドは、遊園地に行ってしまいました。志那は嬉しそうでした。
「志那の想いが届くとエエな」
マゼンタは、管理人室に戻りました。

志那とカインドは遊園地に入ると、光り輝く幻想世界が辺り一面に広がっていました。
「スゴいキラキラしてる…!」
「志那、ジェットコースターに乗ろうぜ!」
「賛成ー!」
二人は、ジェットコースターに乗りました。ジェットコースターから見る遊園地全体の光景は、まるで銀河を駆け巡る星達の様です。
「空想の世界は、何でもかんでもファンタジーの世界みたい!」
志那は、ココで自分は空想の世界に居る事を思い出しました。
「志那って、可愛いよな!」
カインドは、志那を褒めました。
「エッ?!いきなり何?」
志那は、照れてしまいました。
「(神様、この時間だけは、幸せにして下さい)」
志那は、心の中で思いました。

ジェットコースターから降りた二人は、次は観覧車に乗りました。
「志那の前では、ワルみたいにカッコつけてるけどな…そうでもしないと、気にも留められなくなるだろ?」
「カインド、いきなりどうしたの?!ビックリするじゃん」
カインドは、笑顔でした。
「(零也…カインドと結ばれるなんて、何億分の1しか無い事なんて分かってる。どんなに可愛くなったって振り向いてくれないのも分かってる )」
志那は、切ない顔をしていました。
「カインドは、ケイの事をどう思ってるの?」
志那は、カインドにずっと思っていた事を聞きました。
「人間界の俺は、ケイの事しか頭に無い位ケイが好きだけど、俺自身は志那の事が好きだからな」
「本当はどうなの?私はあなたに取って、ただのクラスメートだし、一人のファンに過ぎない」
志那は、ついに言ってしまいました。
「…仲間達は勿論大事だし、志那達も大事だけど、ケイが一番大事かな?ケイが好きだからに決まってるじゃん!」
「零也なら、そう言うと思ったよ…」
志那は、悲しい顔をしていました。
「(今だけ言わせて「私はあなたが大好き」あなたは私を幸せにしてくれるから…でも、もう言えない)」

「零也、ほんの一瞬だけど、幸せな時間をありがとう。ケイと幸せになって下さい」
観覧車から降りた志那は、涙を流していました。
「志那…」
カインドは、唖然としていました。志那は、帰ってしまいました。
「志那、おかえり…どないしたん?!」
マゼンタは、志那の様子を見て驚いていました。
「カインドは、用事があるから先に帰ってって言ってた。今日はありがとうございました!」
マゼンタが見る限り、志那は笑顔でした。

12/24/2022, 10:28:13 AM