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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第六十五話」

志那が遊園地から帰った後、志那を護衛していたアメジストは、冷静な目でカインドを見ていました。
「最初は、志那がカインドと二人きりになって危険だから見張ってはいましたが、状況は変わりましたね…」
カインドは、しばらく一人で歩いていましたが、アメジストを見つけたのか、アメジストに向かって歩いて来ました。
「アメジスト、見つけたぜ」
「バレましたか…力量はそこそこはあるみたいですね」
「そこら辺の弱小グループと一緒にすんなよ?」
カインドは、微かにニヤリとドヤ顔をしました。
「志那は良いんですか?彼女、泣いて帰りましたよ」
「俺、志那はどうでも良いんだけど?泣いても何とも思わないし」
「強がりですか?」
「まさか」
二人は、黙ってしまいました。
「俺、好きな人居るんですよ。好きでもない女と無理に付き合ってもメリットが無いだけ」
「君の言う事は間違ってはいません。ただ、好きだと思う人には異性の影がある物です。気をつけた方が良いですよ」
「アメジストは、志那とヨリを戻せとかは言わないんですね」
カインドは、安堵した表情でした。
「……」
ローズは、アメジストの方を見ていました。
「俺の仲間が来た様ですね…」
「アメジスト、探したぞ!久しぶりだな」
ローズは、二人の所まで近づきました。
「アメジスト、誰だよ?」
「同じグループのメンバーのローズです」

カインドは、ローズを見ました。
「(流石は林檎王子のメンバーだな…かなりの力量だぜ…)」
カインドは、ローズに圧倒されかけました。
「(アメジストも、脱退してなかったらかなり強いって奴か?)」
カインドは、アメジストの方を見ました。
「(現段階で林檎を敵に回すのは危ないな…)」
「何か、許せねェんだよ。健康なアンタ見てるとな!」
ローズは、アメジストに向かって怒鳴りつけました。
「マズい事になりましたね…ローズもセラフィの呪いが悪化してますね…」
「セラフィの呪いって、コレの事か…」
カインドは、全身痣だらけのローズを見ました。

「アメジスト、勝負だ!」
ローズは、アメジストに攻撃を仕掛けて来ました。
「ドリアード召喚!」
ローズは、ドリアードを召喚して、コンクリートの道から大きな木々を生やしました。木からは、大量の妖精が現れて、お客さん達をイタズラし始めました。
「うわー、コレ、絶対迷惑がかかる奴だ…」
カインドは、引いていました。
「このまま攻撃技を仕掛けて来たらマズい。ローズを闘技場に誘導します」
アメジストは、ローズを止めに入りました。
「ローズ、闘技場に移動しましょう。ココだと関係の無い人まで巻き込んでしまいます」
「悪戯妖精を止めるか。超悪神マーリドよ、悪事を働く妖精共に制裁を加えよ」
カインドは、マーリドを呼びました。マーリドは、多数の蛇の頭を出して、妖精を食べてしまいました。
「よ、妖精達が…」
「大人しく、闘技場に移動した方が良いんじゃないですかー?」
「カインド、かたじけない」
アメジストは、カインドにお礼を言いました。

「……何?!事件?事故?」
遊園地をパトロールしていたベージュの肌、茶色の目、緑色の髪色、痩せ型の気弱だけど優しい警察官は、騒ぎになっている人だかりを発見しました。
「大変だ…!皆さん、どうしました?!」
警察官は、人だかりに向かって走って行きました。
「警察の方ですか!実は…」
アメジストは、警察官に事情を説明しました。
「分かりました。僕も参戦します。ちなみに僕はリゲルです」

「(アメジストを幸せな人生を送っていただけで仲間全員で攻撃するなんて、とんだミサンドリーだな。でも、林檎のメンバー達はどう言う理由で攻撃してるんだ?)」
カインドは、何故アメジストが林檎王子のメンバー達から攻撃されているのか疑問に思いました。

12/27/2022, 10:42:20 AM