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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十一話」

「グラックさん、どうします?」
「ボスからは広告塔として連れ去るか、暗殺しろの指示だからな…」
グラックとポールは少し話して、優人に拘束術を掛けました。
「両方連れ去るぞ」
「了解」
「た、助けてくれー!」
優人は動けなくなり、宙に浮いて、グラックとポールの所に引き寄せられました。
「そこの一般人二人、悪いが男の方返して欲しけりゃ、女の方を渡してくれんか?」
「渡す訳、無いでしょ!大人しく斉木君を返しなさい!」
「キミ、交渉ってのが分かってないね。その女優さんを渡せば、キミのお望みの推しが返って来るんだよ?」
「条件としては、随分優しくしたつもりだけど?」
グラックとポールは、由里を責めました。
「そ、そんな…」
由里は、困惑しました。

「こうなったら…スターフラッシュ!」
由里はスターダガーを使って、星のように眩しい閃光を放ちました。
「ウワッ、眩し!」
「こうなったら、志那達呼んで助け…あ!この場に居ない!」
由里は、やってしまったと言う顔をしました。
「斉木君!今のうちに逃げて!」
「逃げるって…あ、動けた!」
優人は、すかさずその場を離れました。
「由里、ナイスです!今のうちに通報だ!」
章司は、すかさず警察に通報しました。
「問題は、警察が来るまでにどう時間稼ぎするかですね…」
「一般人、そんなに拷問技喰らいたいか?」
グラックは、章司に拷問技をかけようとしました。
「あなた達は、どう言う目的であの二人を狙っているか分かりませんが、こんなに大勢の居る場所で暴れて大丈夫ですか?」
「いざとなったら、この場に居る全員を始末すれば良いだけの話です」

グラックが、カフェ全体に拷問空間を仕掛けようとすると、
「警察や!」
と、ベージュの肌、大きな緑色のツリ目、白いパーマのハーフアップの髪型、中肉中背の姉御肌のデキる女の婦警が突撃しました。
「マズいマズい、サツ来たぞ…」
「みんな!警察が来たから、もう安心し!犯人、捕まえたるで!」
婦警は、持っているブリザードガンで、
「ブリザードスターダスト!」
と、唱えて、グラックとポール目掛けて光る氷の星屑を連射しました。
「マッズ、逃げましょう」
「一時、退散だな…悪い予感がするし」
グラックとポールは、誘拐せずにそのまま去ってしまいました。
「待てや!逃さへんでー!」
婦警は追跡しようとしましたが、グラックとポールはすでに姿を消した後でした。
「アカン…逃げられてもうた」

「由里ちゃん、助けてくれてありがとう」
「章司君、助けてくれてありがとうございます」
「斉木君、一ファンとして当然の事です!」
由里は、顔を輝かせていました。
「困っている人を見たら、助けるのは当たり前じゃないですか」
章司は、少し照れていました。
「章司君って、好きな人居るの?」
「…勿論、居ます。その子は僕と同い年です」
「章司君の想いが届くと良いですね」
由衣花は、笑顔で微笑みました。
「あ、ゴメンなー。犯人、逃げてもうたわ…」
婦警は、申し訳無さそうな顔をしていました。
「そうですか…残念ですね」
「次こそは、絶対捕まえてやるさかい…あ、俺はシリウスって言うんや」
「シリウスさん!私も犯人捕まえる手伝いさせて下さい!」
「僕もお願いします!」
「よっしゃー!アレはケブバガミの幹部やけど、いつかはボス捕まえたるでー!」
由里と章司とシリウスは、意気投合しました。

11/16/2022, 10:45:22 AM