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7/17/2024, 4:48:12 PM

遠い日の記憶

大きな夕日を背中に影踏み遊びの子供のはしゃぐ声が聞こえた。

明日もきっとここで遊ぼうって約束オママゴト道具は公園の隅に置きっぱなしで帰った。

それから暫く雨の日が続いて子供たちは公園に集まらなかった、それから夏休みが始まってプールや家族旅行その公園に何時ものメンバーはなかなか集まらない、公園の隅っこに忘れ去られたちょっと隠してあるように置いてあるオママゴト道具は子供たちを待っていた、来る日も来る日も、お盆が過ぎて臨海学校も親戚の集まりもキャンプも花火大会も終わり夏休みの宿題を整理し始めるころ、子供たちの声が公園に帰って来ました。

けれど、その公園は取壊しが決まり立入禁止になっていました。夕立の雨粒がぽつりぽつりと当たりだして、子供たちは公園に背を向けて家路につきました、秋の走りの雨はそれから夏休みが終わる頃まで続きました。

明日は新学期という日、ひとりの女の子が公園に貼られた立入禁止のフェンスの前に立っていました。その女の子は昨日夢を見たのでした
置きっぱなしにしたオママゴト道具が雨に濡れていてとても寂しそうで…その小さな赤いお茶碗が「サ・ヨ・ナ・ラ」って言っていました。

女の子は朝目が覚めて、とてもとても胸が痛くてラジオ体操が終わると公園に駆けつけました
ジャンプしたりフェンスの周りをウロウロしたりして、オママゴト道具を置いた辺りを覗き見ようとしました、するとオママゴト道具が置かれていた場所に大きなショベルカーがありオママゴト道具は見えませんでした。

近所のオジサンが女の子を見つけて

「危ないから、入っちゃ駄目だよ」と注意されましたが、女の子はオママゴト道具のことが言えずに、自転車に乗って帰りました、帰り道なんだかとても悲しくなって理由もわからず涙が出て泣きながら帰りました。

すると、お父さんがその顔を見て
「また、喧嘩でもしたのか?」と聞き
「泣いて帰るなんて情けない」と言いました。

女の子は、お父さんにオママゴト道具のことを話して、その日1日しょげていました。

何か特別なオママゴト道具ではなかったけれど
また直ぐ来るから明日も遊ぶからと持ち帰らなかったオママゴト道具に夢でサヨナラを言われて寂しくなって泣きました。

夕方になってお父さんが帰って来ました。
その手にはなんと、あのオママゴト道具がありました。

女の子は嬉しくなって
「あったの?」と飛び出しました。

赤いお茶碗が3つと赤い蓋のお鍋とヤカンとスコップも3本おもちゃの、お買い物籠の中に入っていました。

工事現場のオジサンたちが、忘れ物のオママゴト道具を捨てずに置いてくれていて、持ち主が取りに来ない様子なので処分しようかと話しているところへ女の子のお父さんは現れて事情を話してそのオママゴト道具を持って帰ってくれたのでした。

オママゴト道具は綺麗に洗ってあってきちんとお買い物籠のなかに入れてありました。

「ものは大事にせなあかんぞ」

お父さんは言いました。

女の子は

「ありがとう」とお父さんとオママゴト道具さんに言ってオママゴト道具をおもちゃ箱に仕舞いました。

それから新学期が始まって秋が来て寒くなって今度はお家の中で女の子たちはオママゴト道具を使って遊びました。

遠い日の記憶のお話でした。

令和6年7月17日

心幸

7/16/2024, 3:22:04 PM

空を見上げて心に浮かんだこと

「綿あめ食べたい」

そういえば、綿あめなんて何年食べていないだろうな…。

梅雨の終わりを告げるように入道雲が雷様を連れて来た。

雷雨もここ最近はゲリラで季節はどんどんなくなって行く気がする。

夏祭り、浴衣姿に花火大会の後の火薬の匂い

蛍狩り、縁側に腰掛けて蚊取り線香の匂い

どこからともなく、ホタルノヒカリ

静かな夏の宵。


あなたのいた夏が好きだった…
空を見上げて心に浮かんだあなたの背中
最後に負ぶさったのは何時だったろう?

景色はハッキリおぼえているの
浴衣姿のあなたの背中
私は金魚模様の浴衣を着ていて
下駄の鼻緒が痛かった

あれが、最後のおんぶだった。

あの日の あなたの背中が

空を見上げて心に浮かんだ

雨上がりの夏の夜
今年も もうすぐ梅雨が明けるよ

お父さん

令和6年7月16日

心幸



7/15/2024, 11:19:07 AM

手を取り合って

6月の花嫁が新郎と共に司祭の前にまかりこし
祝福を受けて集まってくれた新郎新婦を祝う人々を前に誓います。

「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しきときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

司祭は新郎新婦の手を重ね合わせ問います。

「アーメン」
「アーメン」

新郎新婦は手を取り合って、そう応えました。

ハレルヤ
ハレルヤ

美しい夫婦が誕生しました。

この出会いは神様が授けてくれた赤い糸に違いない、私は祝福されたのだ。
この人を逃したら、きっと後悔しかしない、真心込めてそう高らかに告げる新郎なのでありました

・・・・ つづく


終わりにしよう

「終わりにしよう」

あの「誓いますか」「誓います」の日から何夜を共にしたでしょう?数ヶ月?数週間?数日…。


彼は彼女にそう告げました。

「病んでる間も、悲しんでる間もなかったわ。
言えば、今が病めるときで、悲しみのときかしら、富めるときも、貧しきときもなかったは、だって二人で築いたものなんて何もないから、それこそ、これが間違いであったと言う証かしら…」花嫁はそう呟いて、誓いを立てた司祭の告解室で涙ながらに訴えました。

「やはり、そうでしたか。」

黙って新婦の告解を聞いていた司祭は思わずそう言いました。

そうして、こう続けます。

「良い勉強をなされました。
これこそが神からの祝福です」

「これからを誓い合う場で、これこそが誓いと思い込む浅はかさ、言った先から誓いが崩れる安っぽさ、そんなに簡単に本物は見つからないし本物にするための誓は生まれながらに本物ではなく、細石の結晶が岩になるような雨と日照りと寒い雪とを越えてなるものであり、そのために誓はあるからです」

「この、神の形示しを、どう取るかがあなたへの祝福です」

「神は、いつもここであなたのことを見守っていますよ」

「神様は、見物がお好きなのね!」

彼女はスカートの裾を翻し告解室を後にした。



「終わりにしよう」

それから巡るひと季節

「病めるときも、健やかなるときも…
 誓いますか?」

「アーメン」
「アーメン」

彼女はまた誓うのでした。

「神様は見物がお好き」


2024年7月14.15日


心幸

7/13/2024, 1:26:44 PM

優越感、劣等感

優越感、劣等感そんなものは50も過ぎるとどうでもよくなるよと、父ちゃんは笑ってる。

最後に笑え、最後に笑えれば大丈夫と私に教えた、父ちゃんは、「あゝ人生に涙あり」という歌が好きだった、ご存知水戸黄門の主題歌です笑笑 あの歌は人生の哲学が詰まっているのだそうです。あの歌を聞くと父ちゃんを思い出します。

人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹もでる
歩いてゆくんだしっかりと
自分の道を踏みしめて

人生勇気が必要だ
くじけりゃ誰かが先に行く
あとからきたのに追い越され
泣くのがいやなら さあ歩け

人生涙と笑顔あり
そんなに悪くはないものだ
なんにもしないで生きるより
何かを求めて生きようよ

父ちゃんは、自分の葬式はこの曲で送ってくれと言っていたので、そうしました。

父ちゃんが死んだのは私が15の朝だったので正直この歌を流すのは恥ずかしかったけど突然で何ひとつ思いつかなかった手向けに、よく父ちゃんが酒を飲みながら言っていた言葉を守ったよ。

父ちゃんに聞いてたかな。

私は、最後に笑えの言葉通りに笑顔浮かべて眠ってる呼んでも叫んでも起きてくれない父ちゃんを見て、駄々っ子みたいに泣いて泣いてばあちゃんに叱られたっけ笑笑

あの時はそんな風に思わなかったけれど
この歌いい歌だよね父ちゃん。

今なら分かるよ。

やっぱり黙っていたら駄目だ
誰かの身内が亡くなって苦しんでいる
人が見る幻影を、それがなんだかわからずに
「怖」なんて平気で言うような子供か大人か分からないようなの育てちゃ駄目なんだ。

何故なら、そんな人の子供そんな人に育てられた子供が虐めをするようになるからだ、嫌われても構わない誰かが言わなきゃ分からんなら言ってやる。

そんな奴は不満ばっかり並べて粗探して「怖い」「傷ついた」「不快」ばっかり数えて他人ばかりに求めて生きようとしているんだろニート!お前を気持ちよくするために地球は回ってない!

きっと劣等感のかたまりで優越感が味わいたいから、文句たれるんだろ、嫌いなものにしがみついて、自分の好きなものだけ見せてくれって口あけて鳴くんだろ。

うっせーわ!

令和6年7月13日

心幸
 








7/12/2024, 3:43:16 PM

これまでずっと

世界が灰色に見えるみたいな雨の降るなか独りバスを待ち私は繊細さんだからぁと言う彼女は、自分の図々しさに気づかないで自分の思ったことだからと、人を貶し子供さえ自分が気に入らないからと野次る、こりゃあ、母親になって子供が自分の思い通りに育たなかったら酷い毒親になりそうだ、彼女は気づかない何故なら自分のことは棚の上だからだ。

誰かが好きなものを貶すのは平気でするくせに反論されると子供っぽい言葉で噛みつく、馬鹿とか下品とか嫌いとかまあ言ってる人間の語彙力のなさを曝け出すような俗っぽい子供の喧嘩みたいな言葉で貶す。そして感想は自由だ!とか言うだったら反論も自由だ!わよ。

そりゃあね、自分の好きなものを貶されれば腹が立つの皆同じにだからね自由だからって、へばりついて粗探して貶してたら反論食らうのよ当たり前に、そんな覚悟もなしに自分の権利ばかり主張して悪口批判を正論だとか正儀の味方気取りで言いなさんなっての。

あなたの嫌いなものにも、それを好きな人がいる。ひつこい批判は暴力や虐め心理と同じだから仕返しされても仕方がないの、それくらいの覚悟をもって意見は言いなさい。自由には責任と覚悟が必要です。何故なら、それが平等だから。

ひとつの意見には必ず反対の意見もある。
正義の反対はもうひとつの正義だから。

意見を言うときは反論される覚悟を持ってなさい、特にアンチコメントする時は!!

これまでずっと曖昧に堪えてやり過ごして来たこと、今日は書き記す。

読書力洞察力の無い子供にはこれからハッキリ言ってやる!!と決意した。

育ちが悪い人ほど品格に拘る下品な人ほど下品が嫌で上品が好きなのは、豊臣秀吉が身分の高いお姫様が好きなのと一緒です。

今夜は、これまでずっと思って来たことを書きました。


令和6年7月12日

心幸



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