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11/9/2024, 11:31:55 AM

脳裏

脳裏に浮かぶこと、脳裏だから表ではなく裏当たり前だけどな訳で、中身と外見って裏腹だって分かたりして、人は当たり前に多面的で私があなたが見ているその人は、その人の全てではなく、あなたが見た見たいと思った、見えたほんの一面だけなのだと分からなきゃならないね、それが分かるって分かったってこと。

だいたい、脳裏に浮かんでること、裏なんだから裏腹で、外面正義感で正しいことばかり容易く言って、念仏みたいに寄り添うだとか優しくありたいだとか言ってる人の脳裏は正義感でも正しくもなく、自分がそう見られたいという、あざとさや、野心に他ならないね、外面命の政治家みたいなもので(笑)

逆に、外面無愛想でさほど正義感があるようにも見えず言ったら正しくもなく融通利いて、臨機応変で信念無くってノラリクラリな人の方が脳裏は、頑固な程の正義感と勇気と慈愛に溢れていたりするもので、脳裏には綺麗な夕日や朝焼けやお花畑が浮かんでる、そして、「ったく、何が夕日だ朝日だ日付変わるだけじゃんかよ!」と言いながら涙ぐみ、綺麗なお花畑で薄っすら微笑んで深呼吸しているものである、、私はそういう人が好き(笑)


もう直ぐ、あの日が来るけれど、もう何十年も経つけれど、わたし、あの日のあなたの顔を忘れません、無口で無愛想で強面で、でも本当は花が好きで小鳥が好きで文学青年だったあなたの笑顔を私は知っています。

あの日、永遠に目覚めないあなたの寝顔は微笑んでいて、きっと最後に私を怖がらせずに励ますためのものだった、最後に笑顔を覚えておくため、私の涙を止めようとして、あなたは微笑んで逝ったのだ。

私の脳裏には何十年経った今でも、あの日のあなたの笑顔が浮かびます。きっと、あの時あなたの脳裏には、お花畑で先に逝ったお母さんの笑顔が浮かんでいたのかな?いつかきっと、あなたのように微笑みながらあなたたちの待つ場所に逝きたいと思います。

脳裏に私だけの大切な笑顔を浮かべて。


令和6年11月9日

               心幸

11/8/2024, 11:34:28 AM

意味がないこと

ある日、娘が言った。

「こんなに普通の毎日がつまらない…」
「留学したい」
スポンサーは祖父母、彼女は留学し上機嫌の鼻高々でライトアップされたエッフェル塔の動画を送ってきたダイヤモンドフラッシュとか言うらしい、今世界は自分のためにあり昇ることばかり語っている彼女に届くはずもない意味がない言葉をかけてみた
「人は昇っている時ほど足元を見なきゃだめなんだよ」
「お母さんは心配性だな、上見なきゃ昇れないじゃない、昇る時は一気に昇らなきゃ」
・・・ 全く分かっていない、分かっていなかったね、スポンサーいなきゃ昇れなかったその場所は、お前の力なのかい?そこ気づかないといつか大怪我しなきゃ良いがと、心配性の母は届かない意味のない心配を心の中に何時も持ち、日めくりカレンダーを毎夜捲っては手を合わせていた。
「今日も1日何事もなくありがとう御座いました」
そんな母の心配は届くはずも無く、意味のない祈りだと知りつつも、それでも手を合わす母の意味ない祈りであった。

そんな折、彼女の1番のスポンサー自慢の孫娘可愛いの爺婆が相次いで亡くなった、慌て帰郷した彼女は、与えられることが当たり前であった二人の大スポンサーの喪失に気づかずただ幼子が愛する祖父母を喪った悲しみに素直にくれていた、この素直さ計算高さのないところが唯一我が娘の徳であろうと母は思いながらも、娘の将来を考えていた。

そんな、年の瀬久し振りに娘が帰郷し舅彼女にとっては祖父、姑彼女にとっては祖母が居なくなった実家の整理も終わり、仏間で本当に久し振りに二人きりになった。

「あぁ、嫌だっ毎日がつまらない、私は何者かに、きっとなる!特別な何かを…」そう言ってジタバタして、大騒ぎしてみんなに背中を押されて留学して、何年になるかしらね・・二人向かい合わせて、両親祖父母の入った先祖代々の仏壇の前で向かい合わせた。

「あんた、もう大スポンサーのおじいちゃんもおばあちゃんも居ないんだから、少しは地に足つけなさいよ」
「ほらきた、お母さんは相変わらず貧乏性ね、今でもまだ、日めくりカレンダーに手あわせて意味のないことしてるの?私はお母さんみたいに嫁ぎ先の稼業をタダ働きみたいに尽くして働いて、つまらない主婦になんてならない、私にしか出来ないことをする」
「よく言うわよ、あんたに私にしか出来ないことをしてもらう為にどれだけの人があんたの背中押したのか忘れちゃあかんよ!人が生きるってことは幸せってことは、平凡な毎日が大事なんだよ」
「だから、お母さん毎日、日めくりカレンダーに手を合わすの?」
「そうだよ、今日1日ありがとう御座いましたってね、あんたの曾おばあちゃん、お母さんのお祖母ちゃんに習ってね」
「へぇ~、今時日めくりカレンダーって、、そうだ、お母さん私結婚するから」
えっ!?今なんと?今の今、私は私にしか出来ないことをするとか言ったばかりでは?それに本当にあのアクセサリーみたいな浮世離れした六麓荘町のボンボンと結婚するつもりなのか?と、口をパクパクさせながら母は尋ねた。

「正気かあんた?」
「そうよ、私は私にしか出来ないことをするために彼と結婚するの、彼、私のために学校創ってくれるって」
「、、スポンサー変更かよ!」
「あんた、上に嫁ぐと苦労するよ」
「大丈夫よ、お母さん、私には出来るから心配しないで、お母さんやお父さんおじいちゃんや、おばあちゃんが掛けてくれた想いやお金に応えるために、私は上に行く、そのための結婚よ、高く売れる私にしてくれてありがとう」
娘は、仏壇と日めくりカレンダーに手を合わせ振り返って笑った。

わかっとんのかーい!

彼女への心配は意味のないことの様だった。

全て実話からヒントを得た、お話です。
寂しいやっかみ等、受け付けておりませんので悪しからず(笑)


令和6年11月8日

               心幸

11/7/2024, 11:10:32 AM

あなたとわたし

わたしは可哀想だと思ってます。まだ若いあなたを、雨は冷たいものそれだけのあたなが風は吹くものそれだけのあなたが、太陽は海は山は季節は全てがひとつ切りのあなたが、冷たい雨はどんな風に冷たいの?熱くなった頭を冷やす雨は冷たくて気持ちいい、学校の帰り道雨に降られて駅まで走った相合傘は秋でも冬でも五月雨みたいに青葉の匂いがしていた、、枯れ葉舞う冬の雨も二人でいれば温かくて、灯りをつけた部屋で雨に濡れて帰るあなたを待っている、迎えに出ようかと玄関に立ちドアを引こうとしたところにあなたが帰ってくる、
「ただいま」
「おかえり、随分濡れちゃったね、寒くない」
慌てて駆け上がりタオルを持ってくる、多分寒くない(笑) そんな雨を知らないあなたは可哀想だと思うの。

眠りにつく前に、恨み言を言うあなたも可哀想だと思います。まだ若いあなた、誰かの死を待って生きるなんて可哀想、
「死ね」
「殺す」…凄く打ち消し否定する負の力に満ちた言葉は、言った人に返る、それが言霊の力
可哀想なあなた、怨み節ならべて、苦しんで苦しんでなんとかそのウラヤマシイ人よりも長く苦しんで恨み言吐いて生きれますように、長生きしてねと祈ってます。

あなたとわたし、わたしあなたでなくて本当に良かったと思ってます。

何故なら、あなたの言葉を受け取ってあなたを憐れんであげることが出来るから、わたしあなたでなくて良かった。

あなたとわたし、別々の人間。


令和6年11月7日

               心幸

11/6/2024, 5:26:26 PM

柔らかい雨

疲れた尾鰭を休ませながら、駅の改札から群れをなし溢れ出す魚たち、傷ついて剥がれた鱗が光っていると優しい歌うたいは歌いました、昨日の電車は酷かった、駅の階段転がり落ちた年寄りと、突き飛ばした若僧の批判罵声、若僧たちの眼が年を取ることを否定しすぎた、悔しさを握りしめ過ぎた拳の中爪が突き刺さる私の敵は私ですと地下から階段を昇ったロータリーでギターケース広げて歌う優しい歌うたいは歌っていました。

今日は少し気が紛れ楽しげに 群れをなす魚たちのように波に紛れて昇って行きました。

霧のような柔らかな雨に全て流せてしまえたらいいけど、心の傷なら隠せやしない、それが一生傷というものだ。

傷ついたり失ったりしたことのない者ほど大きな声で泣き叫び自分の傷を誇示しようとする愚か、本当に傷を知る喪失を知る人なら、寄り添うなんて詭弁を叫ばなくても、霧のような柔らかな雨で黙って傷を庇い保護するように包み込むだけ。

柔らかい雨は絹の衣のようにその傷を隠す。

こんなに、そんな傷ましい毎日、人生の1番辛い時出会ったあなただから、柔らかな雨に全て包まれて抱き締めあえたら一つひとつ遠くに揺れてる街の灯が消える前に連れ去ってよと告げた。

夜の静けさに打ち明けるから、私のすべて、目を背けないでいて、あなたについて行くと決めたからと呟いたあの日、柔らかい雨に抱かれて二人朝を迎えた。

あの柔らかな朝を忘れない、、と、老人は消え入りそうな記憶の中で、「もう一度、瞳が見たかった」と呟いて、その人の冷たくなった小さな手を握り締めていた。


令和6年11月6日 

               心幸

11/5/2024, 2:55:59 PM

一筋の光

ある日、極楽の池のほとりを散歩していました、もう下界のことは忘れかけている頃の話でした、はるか下に現世という地獄のような世界があり、それを覗き込んでは、恐怖していました。

ふと見ると男が血の池でもがいているのが見えました。

男は、その世界で、殺人や放火など、多くの凶悪な罪に手を染めていた、それがあの世の世界に来ると真っ赤な血の池でもがいているように見えるのでありました。

そんな男も決して完全無欠の悪魔ではないものである、一寸の虫にも五分の魂決めつけてはそれこそいけない、一筋の光があったのでした。

男は、子供の頃から犬猫小動物や昆虫が好きな少年で、それらをたいそう大切にしろと言う子供でした、母親は結婚はとうに破綻し父親の違う子供を何人も産み家には寄り付かず、まだ少年だった男に兄弟姉妹の世話を押し付け、たまに来ては昼間から酒の匂いとキツイ香水の匂いと煙草の匂いの入り混じった匂いを漂わせ金を置いてまた出て行くのであった、男は子供たちを忘れずにそうして月に一回でも金を渡しに来る母親の悪いところばかり探すお決まりのパターンの少年期で、やがて少年も年を取り、そんな暮らしに嫌気がさして兄弟姉妹を置いて、母親同様家出をしたのでした、誰が悪者か?の堂々巡りは、またにして、今宵は、その男の話の話をしましょう、家出の後は外道一直線の男の人生で、いいとこ無しで、他人様の返り血だか自分の血だか分からない血の池で溺れている現在の様子でありました。

そんな男のある日の出来事をお釈迦は想われたのでした。

ある少年の日、その男は道端の小さな蜘蛛の命を思いやり、蜘蛛を踏み潰そうとした男から蜘蛛を逃がして助けてやったのでした。

そんなことが、あったから天上界におられた、お釈迦様が、その男を私たちのいるところに救いあげてやろうとしたのでした、私たちはどうなるのかと下界を眺めておりました、するとお釈迦は地上に向かって一筋の光のように輝く金色の蜘蛛の糸を垂らしました。

現世の血の池で罪に溺れていた男は顔を上げると、一筋の光のような金の糸がするりと垂れているのに気づき、これでこの苦界から抜け出せると思った男は、その蜘蛛の糸を掴んで一生懸命上を目指したのでした。

現世の世と、私たちのいる場所とは、たいそう離れているため、疲れた男は途中下を見渡して休もうとしました、しかし下を見ると魑魅魍魎さっきまで、罪の血の池で罪にもがき罪に苦しんでいた男に、罵声を浴びせ唾吐きかけ石を投げて裁いていた者達が、目の色変えて真っ暗な血の池の辺から、うまそうな話なら自分もと現世に差す一筋の光のような金色の蜘蛛の糸にしがみついて幾人もの現世の人々が行列のように繋がっていたのでした。

このままでは重みで糸が切れて俺までまた現世に落ちる、「やめろ!下におりろ!この蜘蛛の糸は俺のものだ!」と大声で叫んだ瞬間、蜘蛛の糸はプツリと切れた、彼らはまた、再び現世の世に落ち上を目指し弱い者はさらに弱い者を叩き、罪人は血の池に溺れもがき、それを見ている者たちは、自分はそれよりはましと安堵し石を投げて叩いて憂さを晴らす現世の暮らしに落ちたのでした。

全てを見ておられたお釈迦様は、「まだまだ現世が必要だったようだ…」と呟いて立ち去りました。


この世は修行の場とは仏教の教え、修行とは天からお釈迦が垂らした糸に気づき感想し己の道を行くことなのだそうです、他人のことは捨て置きなさい、自分がどう生きるかです。


天上天下唯我独尊

「唯、我、独(ひとり)尊し」
天上天下に、ただ一人の、誰とも代わることの出来ない人間としての、この命そのままが尊し」

この言葉の本当の意味を知っていれば、男は現世から真っ直ぐお釈迦様のところへ上ってこれたのかも知れません。

まだまだ修行が必要の様子で現世に帰って来た男は今日もまた罪の血の池で溺れもがくのでしたが、きっと湧いてきた血の池の辺りで男に石を投げ裁いて唾を吐きかけ野次っていた魑魅魍魎よりも、ひょっとしたら、お釈迦様は、この男を救いたいと思われるのかも知れません。

「南無阿弥陀仏」とは、確かそんなようなこの世の地獄を歩く人に差す一筋の光のような言葉だと聞いたことがありました。

創作「蜘蛛の糸」 作 芥川龍之介
リスペクトオマージュ♪


令和6年11月5日 

                心幸   


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