Shamrock / 村雨

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10/29/2023, 9:27:56 AM

[※hrak二次創作/オリ主/Sky×hrak]

《諸注意》
※最早別人(キャラ崩壊)/ネームドキャラの親戚位置に居る設定のオリ主(に辿り着かなかった)/尻切れトンボ/リハビリ品/


※嫌な予感がしたら[次の投稿]をタップ推奨


side:抹消(のつもり)
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 ──子供の頃の話だ。
 今思えば、夢でも見ていたんだろうなと思う。ただそれでも、あのクリムゾンレッドの蝋燭に灯る淡い炎が忘れられなかった。



『──おや? 珍しいな、ニンゲンなんて』


 『迷子か?』と小首を傾げながら、先の見えない暗がりからカンテラを片手にソレは現れた。

 混じり気の無い白い髪と暗い褐色肌のソイツは、顔を覆う仮面の向こうから黄金色の目を覗かせていた。民族衣装に似た身形をしていたせいか、見た目は中性的で声を聞くまで男だと認識できなかった。そのときの俺はと言えば、自分の手も見えないくらいの闇に怯えて身動きが取れなくなっていたんだったか。事実カンテラと共に男が現れるまで心細くて泣きそうになっていたのだし。当時7歳未満の子供だったにしては、まぁ我慢強い方だったと思う。


『うん? ──あぁ、なるほど、"引っ張られた"のか。にしても"裏世界"の方に落ちるなんてお前も災難だったな』

『……うらせかい、ってなに?』

『裏世界は…………ソファの裏とか、束ねたカーテンの中とか、そんな感じの場所……っていうのかな、あれ。……説明ムズイな。──あ、ルイス・キャロルの『不思議の国アリス』とか読んだことはある?』

『ウサギをおいかけて、あなにおちるやつ?』

『そうそう。今のお前は"アリス"みたいになってるってこと。ただ彼女と違って穴の中で迷子になってたみたいだけど。……とりあえず、ここは真っ暗で何も無いし、表に連れて行くよ』


 そう言って俺の手を優しく、けれどしっかりと掴んだ男は、明かりを消したカンテラを背負うと外套を"羽撃かせた"。
 驚いて思わず目を瞑った俺を見て、男はやわらかい声で『目を開けてみな』と言った。言われるがまま目を開けると、一面の星空と月明かりに照らされた青紫色の砂漠が広がっていた。


『運が良いな。最初に見るのが《星月夜の砂漠》なんて』


 『"王子様"の導きかもな』と、男はゆっくりと地面に降りると俺の手を緩く引きながら、砂漠の奥にひっそりと佇むバラの庭園へと足を進めた。



【暗がりの中で】



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【定期】着地点見失いました(タイムアップ)
いつか書き直したい(切実)

星の子の容姿は現時点では特に決めてないです。

9/6/2023, 9:58:31 AM

[※hrak二次創作/成代?/twst×hrak]



『ねぇねぇ、ホホジロザメせんぱぁい』

 背後から伸し掛かってきたデカい図体の後輩は、相変わらず何の基準で付けたか分からない渾名で俺を呼んだ。聞く人が聞けば恐怖に震えるだろう猫撫で声で、何でかは知らないが腕を前に回してこちらに抱き付く他寮の人魚は、これまた猫の真似事でもするように頭を僅かに擦り付けてくる。頭撫でろってか。視線は手元の端末に向けながら反対の手でターコイズ色のサラサラとした髪を梳いてやると、背中に張り付いている後輩は満足そうな声を出した。

『毎回思うけど何でホホジロザメ?』
『んーと……小エビちゃんが『サメも臆病な性格だ』って言ってたんだよね。オレらからしたら天敵って印象しか無いから結構びっくりしたんだけど、イグニハイド寮生のセンパイもそういうところあるじゃん。だからホホジロザメ』
『……分かるような、分からないような』
『あとねぇ』
『まだあんの?』



『ホホジロザメセンパイって、いっつもオレらの考えてること大体察してるでしょ? ──サメってさ、第六感があるんだって』



 ────ほら、センパイにぴったりじゃん。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 ──何で今、思い出すかな。

 目の前にあるのは沢山の貝殻で作られた風鈴。夏休みの自由研究で、クラスの"誰か"が作った"拙い作品"だった。……いや、『拙い』は言い過ぎか。エレメンタリースクール──小学生の作る作品にしては、かなり出来が良くて手の込んだ代物ではあるのだし。我ながら何様だとは思うが、なまじ『前の人生』でいろんな意味でレベルが高い連中と連んでいたせいもあってどうも自然と求める基準が高くなりやすい。良くないことだな。
 ふぅ、と息を吐いて作者を確認した。『誰か』なんて惚けてみたけれど、本当は誰の作品かなんて分かっている。

 名前の欄には、まだ慣れていない筆跡で『爆豪勝己』と書かれていた。

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 あっちはどう思っているか知らないが、俺達は世間一般で言う所謂『幼馴染』というやつで、アイツは『個性』も派手で何でもできる『才能マン』というやつだ。その代わり口も悪ければ性格も残念……というか、みみっちい。別に悪いヤツではないしヒーローに憧れるような可愛げはあるけれど。ただまぁ誰にだって生理的に受け付けない人間ってのは居るもので、カツキ──『爆豪勝己』──は同じく幼馴染の『緑谷出久』に対してはかなり暴力的だった。お前らチビのときは一緒に遊ぶくらい仲が良かったのにな、何でだろうな。まぁ斯く言う俺も緑谷のことは苦手だけど。『良い子』ではあるんだろうけれど、一挙一動から漂う『RSA』臭が、もう、なんか…………俺には無理だった。閑話休題。

 何が言いたいって、"多少"思春期とか反抗期のアレソレで暴力的ではあるものの親から一心に愛情を注がれて育ったそんなヤツが、漫画の一話で出番が終わるモブキャラみたいな俺と何で10年も連んでいるんだって話で。
 ……何を考えているんだろうな、本当に。



 同じような声で、同じような獰猛さで、同じようにときどき甘えを見せてくるカツキは、容姿は全く似ていない癖にどこかあのウツボの人魚を思い起こさせた。
 あぁでも、超が付くほどの気分屋な後輩と違って、カツキは割と静かな方かもしれない。付き合いが長いからかは知らないが、俺やもう一人に対してはそんなに声を荒げたり威嚇したりはしなかった。
 緑谷に関しては論外です、関係修復は自分でガンバレ。イカれてる自覚も無ければ、幼馴染を色眼鏡で見続けている今のお前には無理だろうけど。

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「"ケイ"、お前ピアス開けたんか」
「ん? ──あぁ、うん。でも開けてから学校で付けれねぇってこと思い出したわ」
「ハッ、バカかよ」
「ホントそれな」

 何となく、本当に何となくで開けた。多分後輩が付けていたものとよく似たピアスを露店で見たからかもしれない。ターコイズブルーでコーティングされた、鱗型に加工されている貝殻と銀の金具の三連ピアス。ここまで来ると呪いみたいだな、あのクソ論外。どうしてくれる。

「……そのデザイン似合わねぇな」
「あー、やっぱり? たまたま目に付いて衝動買いしたけどコレジャナイ感が凄くてさ」
「んなジャラジャラしたもんよりシンプルな方がテメェに合ってるわ」
「あら、お前意外と俺のこと見てんのね」
「やるなっつっても平気で未成年喫煙する癖にツラだけは無駄に良いからな」
「ゔ、っ、うーん…………ソウ、ネ。煙草に関してはごもっとも」

 本人は貶してるつもりなんだか何なんだかよく分からないが、カツキから見ても俺の顔は比較的整っている方だと認識していることは分かった。突然ぶち込まれたせいで変な返しをしてしまうくらいには驚いたが。お前それどういう感情で言ってんだ、聞きようによっては『ツラが良いから見てる』ってことになるぞ。言ったら高確率で喚き出すから黙っているけど。耳元でしゃらしゃらと鳴るピアスを外して制服のポケットに突っ込む。指先にライターが当たったが、素知らぬふりをした。

「おい、行くぞ」
「あ? どこに?」
「テメェのセンスじゃ、また似たようなの買いかねねぇだろ」
「あはは……仰る通りで」


【貝殻】



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リハビリ品。(訳:タイムアップ&着地点見失いました)

成り代わったのは巷で『刈り上げくん』って呼ばれてるあのモブです←

7/5/2023, 9:09:56 AM

[※grbl二次創作/狡知成代/Fate×grbl]



──『空の底』とやらには何があるのかしら? ……なんてね。


 頭上のパンデモニウムを見上げながら、蝙蝠のような六枚羽を広げる。正直二千年も稼働し続けていた身体での戦闘は厳しいものがあった。ましてやそこに異物も取り込んでいるのだから体力の消耗も激しいし、擬似的なバーサーカー状態は精神的にも負荷が大き過ぎた。もう何も考えたくない、泥のように眠りたい。そんな思いで空に身を投げ戦線離脱を図ったのだが……まさか自決と捉えられるとは思わなかった。頭上からどこぞの医者と同じ声で、あの男が言いそうに無い怒号を浴びせられて面食らったと同時に笑いが止まらなかった。いやはや、お前そんな話し方できたんだなぁ、サンディ/■■■。

 まぁ、そんな中でも創造主様の下へ自分の"分身"を送った俺は褒められて良いはずだ。何故って? ──『俺』はファーさんのこと、大嫌いだからね。本当なら勝手にくたばってろって言いたいところなんだが、二千年前にそれをしたら強制的に『死に戻り』をさせられてね。また最初から──"生まれたところから"やり直しをさせられた訳だ。何回、何百回見たんだろうね、ファーさんの顔。正直うんざりだ。
 この世界はどうもアドリブを許さないタチらしい。シナリオ通りに進めないと強引にリセットして強制リトライさせてくる。何回かはルシフェルや空の民が望んだようなルートにも進んだんだが……結局はコアを破壊されて"戻された"。まさか異物混入させてまで殺しに来るとは思わなかったけどね。……ただ、それで心が折れたのは確かだ。抗うのも馬鹿らしくなって、流されるままにここまで来てしまった。

 ──『空の底』には何があるのかしら?
 多分大半の人間は『あの世』とか『幽世』なんて言うのかもしれない。それもきっと間違いではないんだろう。何せバブさんがそこで何かしらの能力を手に入れていたみたいだから。でなければルシフェルに一撃で致命傷を負わせるなんてできる訳がない。
 でもね、俺としてはバブさんのことは嫌いじゃないんだ。寧ろ好ましいと言っても良い。だってあの人、──他の世界線の俺に対してはどうなのか知らないけど──『俺』にはちょっと甘いんだよ。何せ与太話として話したことを信じてくれたしね。何度死に戻ってもバブさんだけは必ず応えてくれる。だから、まぁ……空の民に封印させる方向にしたのは、少し悪かったなと思っている。いくら穴だらけの術式とはいえ、内側から破壊するのにはバブさんでもかなりの時間を使う代物だから。閑話休題。

 さて『空の底』の話だったか。……俺としては『幽世』なんてものじゃないと思っている。だってそうだろ? ──いくら四大天司の力が作用しているからって"島が空に浮く訳が無い"。『俺』の知っている『世界』ってヤツは、踏み締める大地があって、その外側には果ての無い"青い海"が広がっていて、空は眼下ではなく頭上に広がっているものだ。『ソレ』を知っているから、俺はファーさんの終末計画に便乗して世界を壊そうとした。そうすれば、元の形に戻るんじゃないかってね。
 『俺』の予想としては、一度真っさらになったものを元の形に戻そうとして、残り少ないリソースで無理やり人類史を再現しようとした結果、致命的なバグが発生してできたのがこの歪んだ世界なんだと思っている。そこから現在で言う星の民が『汎人類史』の僅かな資料から創り出したのが、俺達『星晶獣』という生体兵器って訳だ。まぁ、どこまで合っているかは分からないけどね。





 空へ身を投げたとき、本当は『かえりたい』って思ったんだ。

 遥か下の『空の底』、『幽世』よりも更に深い場所に沈んでいるであろう『汎人類史』へ。

 かつて俺が"人間"だった頃の世界に、人類最後のマスター達が命を懸けて走り続けた世界に、カルデアに、ただ、かえりたかった。





【神様だけが知っている】2023.07.05



 ──この歪な世界へ己の骨を埋めろと、それが俺への罰だと、そう言うのですか。



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※本家の狡知の堕天司ではありません
中の人はまともな感性を持った型月民(魔術使い)でした
(ただし死に戻りと2000年フル稼働でSAN値減少状態)

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5/23/2023, 5:36:12 PM

[※grbl二次創作/成代/twst× grbl:2]


禍々しい緑の輝き。
手足に巻き付く無数の茨。
首に這わされた生白い指。

『何故拒む? 別離など、永遠に来ない方がいいだろう?』

艶やかな低い声。
傲慢で、他人の地雷を平気で踏み抜く『妖精の王子様』。
"オレ"にとってその存在は嫌悪を抱いてしまうものであった。
他の妖精族や半妖精には普通でいられるのに、その男だけはどうしても関わり合いになりたいと思えないのだ。
寧ろ『近くに来てくれるな』と疎ましく思うことの方が多かった。

────『まだ未熟だから多めに見てくれ』?
人間よりも遥かに長く生きているくせに、未だに人間が何を厭うのか理解していらっしゃらないんですか?
癇癪を起こして天候に影響を及ぼす男を見かけるたびに、いつも腹ではそう思っている。

『終わるよりも、永遠にこの時が続けばいいじゃないか。……なぁ、どうして首を縦に振ってくれないんだ────"ロベリア"』

箍の外れた駄々っ子の指が力一杯食い込む。
ミシミシと骨が軋み、視界は明滅し、口はひゅうひゅうと耳障りな音を吐き出すばかり。

この男はきっと、自分が何をしているかすら分かっていないのだ。
一見すると穏やかな表情で歓談しているように見えることだろう。────人間の首を絞めているというのに。

『■■■■……■■■■、何故返事をしない? 眠るには些か早いぞ?』

その男──『マレウス・ドラコニア』は首が折れて脱力した同級生の亡き骸を腕に抱き、まるでプロムで踊っているかのように揺らした。


 ※ ※ ※


酷い夢を見た。

目覚めは酷いもので、汗で張り付く寝衣が気持ち悪い。
ゼェゼェと息を荒げながら、早鐘を撞くような胸を押さえつつ洗面所へ向かうと、鏡を見て思い切り顔を顰めた。

映っていたのは首を一周する青紫色に変色した手形と、両手首に絡み付くように残った茨の痣。

「オーララ……君も執拗いね。来世にまで付き纏って来ないでくれよ、碌に眠れやしない」


────これだから妖精の『祝福』とか言う"呪い"は嫌いなんだよ。



【逃れられない呪縛】2023.05.24

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いやあの、別に彼のことが嫌いって訳ではないです、本当に。
ただ『ん?』って思った部分がチラッとあったり無かったり……()
あと詳しく言いませんが7章……(震え声)

5/22/2023, 5:40:16 PM

[※grbl二次創作/成代/twst× grbl]


パチン、と指を弾く。
軽快な音とは裏腹に、遠く離れた場所から破壊音が鳴り響いた。
建物が崩れ瓦礫と化し、苦痛と恐怖で叫ぶ醜いならず者共の断末魔。
赤黒い雨が辺りに降り注ぎ、鉄の臭いを漂わせる。

スッと胸が軽くなった気がした。
別に自分は何かを壊す音を『幸福』と捉えている訳ではないけれど、人攫いと臓器売買を繰り返す醜悪な連中を潰したことで仄暗い爽快感を覚えたのは確かだった。
これは決して善行などではない。
そもそも人の命を摘み取っている時点で自分は罪人と大差無い。
ただ目先で降りかかる理不尽が不快で、善人を喰い物にする存在を許せなかっただけであり、全てが身勝手な自己満足でしかない。

──何せ自分は、どうしようもないことに『ヴィラン』としてしか振る舞えないのだ。

この行為を容認しろとも、許せとも言わない。
いずれ"オレ"は全ての罰を受けよう。


だから、いずれ出会う見知らぬ貴方。
どうか必ず、この命を終わらせておくれ。



 ※ ※ ※


子供の頃、家族で砂浜を歩いていた時に巻き貝を踏み砕いてしまったことがある。
その音がやけに大きく聞こえて、当時の自分は思わず身を竦めた。
すぐに聞こえた両親の心配そうな声で何とか肩の力が抜けたものの、心臓は鼓動を早めたままだった。
今思えば、それは予兆だったのかもしれない。

両親に答えようと振り返った瞬間、何かが破裂したような音が響き、鉄と洋墨が混ざったような異臭がした。

最初に目に入ったのは呆然とした様子の母だった。
何かの飛沫を被ったのか顔や服は赤く染まっていて、視線は一点に固定されていた。
その視線を辿った先に父の姿は無く、居たのは────インク瓶を模した頭部を持つ化け物だった。


『──ぁ、』


思考が停止した。
漠然と『あの化け物に父が殺されたのだ』と認識はしたものの、『何故?』という問いが頭を占めていた。
何故父は死んだ?
何故アレはここに居る?
何故、何故、何故、何故────。

そこまで考えて、母の絶叫と何かを砕く音が耳に届いた。

母は四肢を末端から潰されていた。
"オレ"の、目の前で、化け物が振り下ろす鶴嘴で、足で、丁寧に、均一に、ぐちゃぐちゃ、に──────。



『にげ、な……さ、ぃ……ろ、べり、ぁ』




それから先は、覚えていない。
辺りに広がるインクが混ざった血溜まりと、無数に散らばるガラス片から、自分はあの化け物を殺したのだろう。

あの日から、自分の周りでは不幸が起きる。

死に希望を見出す者。
先に逝った最愛の後を追う者。
────インク瓶頭の化け物に突然変異し、自我を失い、多くの人を手にかけた者。


言葉を尽くしても死を救いとする子供は意志を曲げることは無かった。全てを忘れてしまう前に最愛の人の許へ逝きたいという老人も同様に。
──だからせめて、苦しむことなく眠れるよう即効性の毒を用意して、その最期を見送った。
自我を無くした彼等を皆殺しにした。
──化け物としてではなく、人間として終わらせてやるべきだと思ったから、手加減は一切しなかった。

一般人を喰い物にする者共を潰して来た。
──他人の幸福を貪り悦に浸るその態度に虫唾が走ったから。

全て、壊して来た。



忘れないように、彼等の声を、音を、"クラポティ"へ録音する。
他人から見ればこれも悍ましいコレクションに見えるだろう。
けれどオレは、この行為を止める気は無い。

これは彼等が居たことを証明するための物だ。
明日を迎えることなく、彼岸へ渡った彼等が遺して逝ったものだからだ。



だからオレは、"オレを終わらせる者"が現れるまで、この行いを止めることは無いだろう。


────だって『ヴィラン』を倒すのは、いつだって『主人公/ヒーロー』だろう?





明日か、数ヶ月後か、数年後か────。
いつか"オレ"のもとへ訪れるであろう"見知らぬ貴方"。

出会ったのならどうか必ず、この命を終わらせておくれ。





【昨日へのさよなら、明日との出会い】2023.05.23




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いずれ支部の方に加筆修正して投げるかもしれない(予定は未定)

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