《何でもないフリ》
瞬きは今の自分にとって遅すぎる程度に。
呼吸は音もしないよう浅く絶えずして。
高さ、テンション、速度、滑舌、大きさの全てに至るまで『いつも通り』の声を。
間は取りすぎず、多少作りつつ。
メトロノームを頭の隅で鳴らして心拍を整えながら。
隙を殺しすぎず、作りすぎない程度に気を張って。
そして、強者の仮面をズラして弱者の仮面を半分見せる。
その上から不透明のベールを着けて、最低限は完成だ。
できればこれらの相手に与える情報を無意識に操作できるようにしてから場について欲しいものだが。
大切なのはディーラーや相手に仕掛けがバレてはいけないこと、ただ一つ。
イカサマとは、そういうものだ。
雑魚には、何かすら悟らせてはいけない。
強者には、何もないと思い込ませてもいけない。
万人に、何でもないフリをして、何かがあると思わせることが必要なのだ。
それの正体を隠したまま。
それを焦りに見せるか、虚勢に見せるか、イカサマに見せるかは己の技量次第だ。
《仲間》
背中を預ける、というのは本当に信頼している人に対してしか行うべきではないと俺は思っている。
自分でも仕事上厄介な性格をしているとは思っているものの、これには理由がある。
過去に幾度も裏切られたのだ。
言ってしまえばそれだけのことだが、本日三回目の裏切りを耳にして、なお、落胆するら気持ちは堪え切れなかった。
通算五十回目。拍手でもしてやろうかな、ホント。しとこう。
「——ひいぃっ……!! ぼ、僕はこんなの知らないッ!」
「はぁ……もういいってそういうの。まーた逃げんだろ、俺一人ここに残して——ってもういねぇ! 逃げ足だけは早いな……」
ぺちぺちと手を叩き、緊迫した状況にそぐわない声で文句を言っても非難の声はない。
振り返った先にいたのは、どこにでも現れる下級魔物でお馴染みのゴブリンさんだ。しかもご丁寧に、血の一滴も流さずに六体とも武器をお持ちだ。俺が退路を任せていた少年は雑魚と判断したのか、皆俺の方を警戒している。
え? なに、ゴブリンの方がよっぽど優秀だって? 俺もそう思う。
「退路を人に任せるの、止めようかな……」
正面に顔を戻して数歩。後ろから、背中からなら簡単に討てると思ったのか魔物の迫る音がする。結構うるさい。
「でもやっぱり誰かを誘う必要があるんだよな……この制度クソだな、マジで。一人でも潜らせろよ、ダンジョンくらい!」
左手で抜刀。背後を一閃して、俺は歩を早めた。この調子じゃあ、日が暮れる。
地を塗らす魔物の血は黒く、人間のそれよりも粘着質だ。それが付着しては堪らない。
「冒険者って楽に見えて楽じゃないし……結局金と権力がものを言うんだから、自由に見えて全然そんなことないんだよなぁ」
冒険者、という職が多くの人に歓迎されている理由は、経済的な理由も多分ある。
様々な人から依頼を受けて、それをこなすにあたって金が動く。王家や大貴族からの依頼であれば豪邸を買えるほどの大金が動くこともあるし、物資が過程で必要となった場合はその依頼の場所ごとに金が落ちる。
そして、冒険者は誰にでもなることができる職業である、というのも非常に魅力的に映るのだろう。
その所為で、俺はこんなにも裏切られているわけだが。
「あーあ、貴族の坊ちゃんとか組むもんじゃないな……どいつもこいつも度胸もなければ技量もねぇし。心が弱すぎる」
さっき逃げた少年も子爵家のナントカ様だ。やたらと長い家名を意気揚々と名乗るより、実力で魅せてほしい。
ならなんで俺が組むのか? それには深いわけがある。
そう、俺が万年金欠という事実があるのだ。
だから、毎日ダンジョンに籠る必要性がある俺は、誰でもいいから今すぐ行ける人を連れてダンジョンに行くしかない。実力不足の権力だけはある冒険者、というのが割とそれに該当するのだ。
やむなく得た、仲間もどき。
「……いつか本気で背中を預けられるような奴が」
仲間ができたらいいのに。
そう思い始めて、ちょうど百日目の夜も更けて行く。
《泣かないで》
昔から、お前には弱かったように思う。
一生のお願い、なんて言葉をお前の口からはもう十数回も聞いた筈なのに。
もちろん、頭が上がらないのはある。
弱みならきっと、誰より握られているだろうし、そのくせお前の欠点も俺は知らない。
愉しいことが好きで、好奇心が旺盛で、時に手段を選ばない、好みのはっきりとしている、イタズラ好きの、悪魔みたいな、最低かつ最悪な奴。
それが俺にとってのお前だった。
真面目な面を被って、笑顔を貼り付けて、猫撫で声で話すお前は、俺以外にとってのお前だった。
「ねぇ、一生のお願いだから……早く、立てってば」
誰よりも自分の安全を選んだ上で、俺には後始末も全部押し付ける。不条理だし、最悪だ。
気が付けば犯罪に片足どころか全身突っ込まされそうになったことだってある。災難にも程がある。
それでもお前の傍に居続けたのは、俺も、普通でない人間の、そういう部類に入っているからだろうな。
普通じゃないことを肯定して、綺麗事の様な当たり前だと人々が認識するような事象を、まるごとお前は受け付けずに切り捨てる。
だから、俺も本当の意味で見限られることはない、と確信していた。
「ねぇってば……聞いてる? おーい? こんなにかわいくおねだりしてるのに、聞こえてないの?」
偽善者の放つ、私は貴方がどんな人間でも受け入れるよ、だから私に全部思っていることを話してくれたら嬉しい、なんて言葉が塵芥に見えるくらい。
それくらいには、お前に安心感を抱いていたんだと、今更ながらに気が付いた。
絶対的に、最後は裏切らないという信頼。
そんなものを持っていた俺が悪かったんだろう。
だからこうして、腹から血を流して、口から血を吐いて、地面に頬を付けているのだろう。
歪んだ視界を埋めていた空色が、遮られる。
「……聞けよ。……立て。立てって言ってるでしょ、この馬鹿。早くしてよ」
お前と俺はいわゆる悪友だった……と思う。
それにしては俺の方が不快な思いを多く味わって、お前の方が甘い蜜を吸えたんだろうが。
それでも、相棒だったのかも知れないし、相方だったのかも知れないし、親友だったのかも、幼馴染だったのかも、友人だったのかも知れない間柄だ。
そう思っていたのは、きっと、俺だけだったんだ。
漸く俺は己の体が動くことを思い出して、腹の熱さに灼かれながら、金の光に手を伸ばす。
「アホ、マヌケ、意気地無し。早く立ってよっ……! ねぇってば! いつまで寝たフリしてるわけ? もうそういうのいいから、早くしてよ、時間ない」
それがお前の目だと気が付いて、頬に手を擦り寄せる。うん、いつもと、昔と変わらない温もりだ。
本人は無意識だろうが、俺がこれをするとお前は自分からほんの少しだけ擦り寄ってくる。
なんだかんだ言って、怪我をすれば手当をしてはくれるし、情報収集はそもそもお前の十八番だろ。
時折見せる真剣な眼差しが、いつもの人を小馬鹿にしたようなニヤケ面とは違って、はっとする。
「……ぁ……ごめん、なさい」
珍しく謝るお前の姿を見ていると、なんだか、俺が小動物を虐めたかのような気分になって来た。
元はと言えばお前が悪いんだろう、俺はお前の言葉に従って、時に外れて生きて来たのに。
その俺を軽んじたのは、断じてお前の方からだ。
だから、これはお前にとっての報いだ。
頬にあった、力の入らなくなって来た手を落とす。
「……嘘だよ、全部。ただ、立ってほしいだけなんだってば。謝る、から……謝るからっ……!」
なんで、お前がそんなこと言うんだよ。俺は確かに驚いたけどな、けど、怒った訳じゃない。
謝るなんて、らしくない。いつものように傲岸不遜かつ不謹慎に笑って過ごせばいいと言うのに。
お前の手から落ちたナイフにこびり付いた血は、とうに腹から流れた血と混ざって道にしがみつく。
「だから……さっさと目ぇ覚ませって言ってるだろ」
どうせ元から同じ血だ、混ざったとて固まる時間が前後するだけだろう。
お前はいつもそうやって、肝心なところを誤魔化して生きながら間接的に人をころした。
もう目を動かすことすら精一杯な俺は、せめてもの抵抗にと一言残していくことにしよう。
「なあって……! お願い、だから……起きて……」
こんな時になって漸く俺に抱き着いて、今更だとは思わないのか。不思議なものだ。
それでも、やはり一緒に居たいと思う。
過去の話でも、未来の話でもない。今だ。
今を生きる上で、俺はお前のことが大切だった。
「ごめんなさい……お願い……起きてよ……!」
縋り付くお前を虚ろに眺めながら、無理やりにでも手を動かそうと粘る。
それでも、もう、指の一本も動かない。
さっきまでは俺も機関銃を手にできていたのに。抵抗出来なかったわけではない。
「お願いっ……起きてよ……ねぇ……!」
お前に刺されたくらいで俺は、死ぬつもりなんざ毛頭ない。
そんなふうに懇願されても、上からの命令は絶対だ。それは覆らない。
「ごめっ……お、願っ……!!」
俺はお前が間違えたことを全部今まで背負わされてきた。履歴も犯罪未遂も、なにもかもを。
だから、今回もそれは同じだ。お前が間違えたんだと思うならば、俺を黙って受け入れる他ない。
「……お願いします、神様。どうか、」
神なんてものを信じないし嫌いだと口にしていたお前が、俺の為にそれを言うのか。
他の誰でもなく、俺の為に、厭うものを。
「許さなくて、いいから。お願いだからっ……!!」
ありがとう、なんて。相応しくない言葉だけど、俺は確かにそう思ってしまったんだ。
「……離れていかないでよ、ねぇ」
泣かないでくれ。お前の可愛い顔が見えねぇだろ。
「……うるさい、馬鹿」
(((随分ご無沙汰しておりました、私事ですが謝罪を。また再開して不定期に上げますので、貴方の時間を彩るお手伝いになれればと思います……m(_ _)m
《放課後》
高さのためか強く風が吹き込む三階の廊下は、夕日が反射して眩しく感じられる。
部活動に所属している生徒は活動中、所属していない生徒はとっくに下校済み。
校庭の喧騒もどこか遠く聞こえる。
まさに、絵に描いたような学校の放課後。
「好きです……付き合って下さい!」
そこで告白されるというシチュエーションは、どれだけ使い古されたものだろうか。
そして——告白された側の親友がそれをうっかり聞いてしまうということも。忘れ物を取りにのんびり下足室から教室へ戻り、開けようとしたその瞬間に、妙に鮮明に声が聞こえてくることも。
あとほんの少し力を込めれば引き戸を開くことができた筈の手は、ひんやりとした鉄の引き手に触れたまま動き方を忘れたように止まった。
引き戸の隙間から緊張した空気を感じ、気が付けばそれに呑まれて立ち竦む他なかった。
対して、教室内では一拍置いて、
「……それは、できない」
と謝罪の響きを伴って言葉が紡がれていた。
現実逃避を目論む頭が、ごめんとかじゃないだな、とどこか冷静にそんなことを思う。
「……その、好きになってくれたことは、ありがとう……と、思うんだけど」
「なら……、」
聞き馴染みのある声で、初めて並ぶ音が紡がれていく様を傍聴する自分の立ち位置に困惑しながら、体は思うように動かない。
「悪い、本当。君の想いには応えられない」
はっきり言うなあ、とか。
迷わなかったな、とか。
相手の子を傷付けたくないんだろうな、とか。
部外者としてそう思うけれど、親友のそれは、随分と迷った声色だった。
多分、結構、割と、悩んだんだろう。
「わかり、ました……。急に、言ってごめっ、なさ……っ、ひっ……く……ぅ、あ……」
「! ごめん、泣かせたいわけじゃ、」
親友の口から発される謝罪。
「……あー、忘れ物するとかツイてねぇわ、マジで! わざわざ教室まで戻って来ないとだし」
口を突いて出た言葉は、右手が息を吹き返すのと同時に引いた戸の音と、重なる。
突然現れた乱入者に、二人の視線は向けられる。親友は、この登場に何を感じただろう。
「……あれ、まだ誰か残ってたんだ。えーと、ごめん、取り込み中だった?」
今彼らに気が付いた振りをして、急いで自分の机からノートを抜き取る。
というか相手、一個下の後輩だったのか。
「……あ、いや……わ、忘れて下さい! ごめんなさい、失礼します……!」
「あっ、ちょっ……!」
涙を完全に拭き取りもしないまま、告白をした女の子は逃げるように教室を飛び出して行った。
そこでようやく気を利かせた振りをして、親友の肩を抱く。
「……これってもしかして、告白とかだった? なんか邪魔しちゃってごめん」
「…………あのな、お前が今謝るべきなのは、俺じゃなくてあの子だ」
返答は、手は払わないまでも、鋭い視線。
そうだった。この男、伊達に親友をやっていない。嘘にはすぐ気が付くのだった。
肩を竦めて、学生鞄にノートを突っ込む。
「はいはい。悪かったとは思ってるよ、ホント。告白なんて、勇気を振り絞って頑張った結果なんだろうし……」
「ならどうして、わざわざ入ってきたんだ」
「お前さあ、成り切れないのはわかるけど、寧ろ今の方が残酷だったぞ?」
さっきの、泣かせたくない、という言葉は親友の本心だったろう。
相手を想っての言葉ではない。
そう、自分自身が相手を泣かせてしまったという事実と向き合わなければいけないことが、嫌だから。
「……そう、だな。こんな時にも俺は自分のことばっかりで……」
「いやいや、普通だって! 自分の恋愛の話なんだ、自分本位で考えることの何が問題なんだって話だろ。自分の感情だぜ?」
敢えて軽く言ってみせるが、当然、表情は厳しいままだ。困った親友だこと。
「けど、本当にキレイなままで終わらせてやりたかったんなら、ちゃんと最後まで振ってあげるべきだったろ?」
「それについては反省してる! けど、あんまりだ、あのやり方は。本当に、」
「へいへい、謝りに行ってくるわ、一旦」
忘れ物は回収したし、と戸に手を掛ける。
「待て」
「ん? なに、早く行かないとあの子帰っちゃうかも知れないんだけどー」
「……俺を想っての行動だったんだろう。それに関しては、ありがとな」
「いーってことよ、親友君や」
笑って茶化して、今度こそ教室を出た。
それから廊下を少し歩けば、階段の手前で座り込む影が一つ。恐らく自分の教室まで戻れなかったのだろう、あの子だった。
「……っ……ぐすっ……はぁ……」
「……あー、ごめんな、さっき。邪魔しちゃったよな、絶対」
「……ッ! だい、大丈夫なので……!」
あいつには勿体ないくらい健気。
顔を伏せたまま声を返す後輩に、どうしたものかと悩んで十秒。
「——ねぇ、君さ、俺と付き合わない?」
「……え?」
よほど驚いたのか、顔が向けられ、視線がぶつかる。涙は止まったようだ。
「あいつに振られたんならもういいっしょ? ね、俺と付き合おーよ、後輩ちゃん」
「……馬鹿にしないで下さい。私、そもそもあなたのことよく知らないし」
「ツれないこと言わずに〜。俺って結構優良物件だと思うけどね?」
「……空気は読めなさそうですけどね」
「痛いとこ突くなぁ、君。で? 返事は?」
「無理ですごめんなさいさようなら」
「スッパリ言うな、本当……じゃ、諦めて帰るわ。あんま遅くならないうちに帰れよ〜」
「……はい」
気まづそうな声を背で受けて、階段を降りる。
告白した直後に、相手の友人らしき人物から告白されるという可笑しな状況。
さて、これでどれほどショックは感じにくくなれただろうか。
「少なくとも、涙枯らして帰るよりはマシだったらいいけど……自己満乙〜」
親友が誰かを傷付けたという事実は、認めたくない。
これはそういう、ちょっと不思議な、あるいは歪んだ友情が成す業なのだろう。
《過ぎた日を想う》
文明が発展し、殊に医学の分野において異様に発達したといっていい現代社会において、傷とは。
どんな手術痕であろうと元の通りにしてしまえる技術が生まれたのは、何十年か前のこと。五年前には、どんな古傷をも跡形もなく綺麗さっぱりとしてしまう技術が生まれた。
そうして、現代社会を生きる人々にとって傷とは一瞬にして治るものとなった。
過去では諦めるより他はなかった古傷さえも、未来で治すことのできるようになったのだ。
——今、老人が一人、息を引き取ろうとしていた。
実に百四十年余りを生きた体は、既に崩壊の兆しを見せている。
医学の発展がもたらした結果が、この寿命の延びた肢体なのだ。
また、この老人の体には数多の傷が刻まれていた。
周囲のものは皆、誰彼問わず治したそれを。この老人は後生大事に抱えていたのだ。
雨の日に時折疼く裂傷、腕を動かした時にやや痛む刺傷、なにより不便でならなかったろう、左目を縦に貫く刀傷の数々を。
どうして傷を治さないのか、と近所の人が老人に聞くと、
「この傷はただの傷ではないからだ」
と返したそうだ。
ではなんの傷なのか、とまた老人に聞くと、
「朋のくれた思い出だ」
と答えたそうだ。
結局それ以上は語ろうとせず、近所の人達は老人の傷だらけな姿を忌避した。
それでも老人はその姿勢を崩すことはなく、生涯古傷を抱えたまま幕を閉じようとしている訳である。
「……優心……遥香、龍斗」
傷ごとに、老人の口は古き朋の名前を紡ぐ。それぞれに、どんなに小さくともそこに思い出を刻まれてあるのだ。
「優奈、彰人……航誠……木乃美」
まるで愛おしいものかのように、老人は傷をひとつ撫でては涙を零す。
もう殆ど動かない体だ、手の動きも既に震えに支配されかけている。
「一花……朝美、恭介……」
殆ど視界は朧げとなり、老人の手は布団の上に落ちた。
そうして、老人はただ——眠りに落ちた。
安楽死というものが病死よりも遥かに増加した現代社会において、老人の死体なぞ埋もれてしまえるありふれたものであろうが。
それでも、老人は決して他の人に埋もれる姿をして亡くなりはしなかった。
古傷を撫ぜ、過ぎた日を想う。
それだけの差が、この老人の死を異なるものへとしたのだろう。
それだけの差が、この老人の孤独な死をあたたかなものとしたのだろう。
体を傷付け欠けさせたまま、心を満たした老人は静かに息を引き取った。
その心に気付く者は、この社会において存在するのであろうか。
人々が失いつつある、不可思議で無理解なことの意味が問われるのは、いつになるであろうか。