『1年間を振り返る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
かた、と男は筆を置く。仕上がった原稿に、安堵の息が漏れた。
「お疲れ様で御座いやした。茶でも飲んで、ゆっくり休んで下せぇ」
ことり、と湯飲みを置かれ、代わりに仕上がったばかりの原稿を子供に取られる。男が横目で窺えば、真剣に原稿を読み込み、時折何かを書き付ける姿が見えた。
真面目だな、と湯飲みを手に取り茶を啜りながら、男はぼんやりと思う。
原稿を書き終えた今、何をするにも億劫だ。
仮眠でも取るべきかと思いながら、彷徨う視線が無造作に置かれたままの手帳を認めた。
湯飲みを片手に手帳を取る。見るとも無しに頁を捲り、男は懐かしさに目を細めた。
「この一年間、随分と騒がしかったみたいだな」
「そうですねぇ。消える妖より、堕ちた化生の方が多いなんぞ、世も末で御座いやすねぃ」
確かに、と頁を捲る。
この一年間、子供が語る話を殴り書いた手帳には、妖の話よりも化生の話の方が多い。特に妖が堕ちた化生の話が目についた。
「人の認識によって存在が歪み、化生に堕ちるんだったか。それにしては数が多いな」
「存在が歪んだだけでなく、妖自ら堕ちる事も増えてきやした。それだけ妖が人間に近くなってきた証拠でしょうなぁ」
「人に近くなってきた、ねぇ」
頁を捲る手を止め、ずず、と男は音を立てて茶を啜る。
そもそも妖とは何なのか。
人の望みに応え、認識される事で存在を保つモノ。人の認識により歪み、人に害をなすモノ。
人に近くなりすぎて、壊れてしまったモノ。
「人がいなけりゃ、妖も堕ちる事はないだろうに」
「何言ってるんですかい」
人知れず零れた男の言葉は、子供の呆れた溜息によって否定される。
「いいですかい、先生。まず人間がいなけりゃ、手前共みたいな妖は端から存在したりしやせん。人間がいて、求められて妖が存在するんでさぁ」
「お前もそうなのか」
「手前ですかい?」
顔を上げ、子供を見る。
きょとん、と目を瞬かせ男を見返す子供は、そのままつい、と空に視線を向ける。記憶を辿るように目を細め、穏やかに唇が弧を描いた。
「そうですねぇ。はっきりとは覚えていやせんが、声を聞きましたねぃ」
「声」
「えぇ。声です。男か女か。年寄りか子供か。今となっちゃあ誰かなんて分かりやせんが、声がしやした。暗い夜道に、灯りを求める声が」
灯り、と声には出さず呟いて、男は想像する。
遠い昔。夜の灯りなど、手にした提灯以外には月明かりしかない、暗い夜道。
一人きりで歩くのは、さぞ怖ろしかろう。灯りの届かぬ暗がりに、何かが蠢いているようで足が竦むのだろう。
もしも灯りがもう一つあれば。もう一人、誰かが隣を歩いてくれたのならば。
一人でなくば、暗い夜道も心細くはないだろう。
「随分と甘い事だ」
「先生には負けますよ。手前共に与えるだけ与えて、何一つ望んでくれやせん」
「望んだだろう。断られたが」
詳しく覚えていないが、少し前に疲れた頭で何かを望み、断られた気がする。
そう男がぼやけば、子供はあぁ、と原稿に視線を戻しながら相づちを打つ。
「それにはちゃあんと応えさせてもらいやした。きっちり締め切りに間に合わせて、締め切りをなくしたじゃあないですかい」
「屁理屈だな」
男の眉間に皺が寄る。
だがそれ以上何を言うでもなく。湯飲みに残った茶を飲み干すと、そのまま机に伏せ目を閉じた。
「先生。眠いなら座敷に床をしいていやすから、そこで寝てくだせぇ。こんな所で寝たら、風邪を引いちまいやさぁ」
「面倒だ」
「まったく。しようもないお人だ」
ふ、と息を吐き。子供は伏して微睡む男の背に毛布を掛ける。
いつもの事だ、と子供は笑みを浮かべ。
ふと思いついて、男の耳元に唇を寄せた。
「先生。あまり手前共を甘やかしてはいけやせん。欲が出て、堕ちてしまいやすよ」
男は答えない。規則正しい寝息に、子供の笑みが深くなる。
「人間と深く、長く関わるほど、妖というのは意思を持ちやす。情がわく、というやつでさぁ。意思を持てば欲が出る。欲が出れば、望みを持つ。触れ合いたい。離れたくない。失いたくない。永遠を共に」
灯りが消える。
暗闇の中。くすくす笑う子供の声が響く。
「妖が堕ちるのは、相手に永遠を望んでしまったからでさぁ。手順を踏まず、思いのままに人間の道理を歪めれば、当然堕ちるに決まっていやしょう?」
「手順…道理」
「おや?」
寝入ったはずの男の唇から言葉が溢れ落ちる。男の手が机の上を彷徨い、手帳に触れ引き寄せる様を見て、子供は目元を和らげる。
どこまでも仕事熱心な男に、子供は慈愛を目に浮かべ、幼子にするかのようにその背を撫ぜた。
「はいはい。仕事熱心なのはいいですが、半分以上寝てる今はおとなしく眠っていてくだせぇ。後でまた聞かせてあげやすからねぃ」
すうすう、とまた規則正しい寝息が聞こえ始め。子供は静かに男から離れた。
手には提灯が一つ。男を起こさぬよう、ゆったりとした足取りで部屋を出た。
「本当に、先生は困ったお人ですねぃ」
縁側を歩きながら独りごちる。
困った、困った、と言いながらも、子供の表情は酷く楽しげだ。
外を見る。月もなく灯りもない暗がりでナニかと目が合い、子供はゆらり、と提灯を揺らした。
「先生は今、お休み中でさぁ。静かに頼んますよ」
掃き出し窓が音もなく開く。ぞろぞろ入り込むのは、この一年間、男が書き留めた妖達だ。
手には酒や、食物を持ち。皆、それぞれに台所や茶の間へと移動する。
騒ぎ立てるモノは誰もなく。家の主である男を起こさぬよう、静かに準備をし始める。
「先生が起きた時が楽しみですねぃ。こんな賑やかな年越しなんて」
静かだが、どこか賑やかな室内に、子供は満足げに頷いて、自身も台所へと向かい歩き出す。
しばらくすれば目覚めるだろう男へ、新しい茶と甘味を用意をしなければならない。
「さて、今年もあと僅か。次の年には、どんな話を先生に聞かせられる事やら」
子供の足取りは軽い。
手にした提灯が新しい年のその先を思い、愉快だと言わんばかりにゆらゆら揺れていた。
20241231 『1年間を振り返る』
「一年間を振り返る」(1月1日19時 書き込み)
みなさん、あけましておめでとうございます!
サボりをこじらせてたらいつのまにか時間が結構経ってました。いつも見てくれてる人すみません。
今回は普通に自分語りで書こうと思います。
2024年はこのアプリに出会った年でもあり、17作品ほど物語を書いてきました。
このアプリを始めて 自分にとって物語を書くのは楽しいことだと気づき、それを読んでくれている人がいると思うと嬉しくなります。
ちなみに今まで作った物語の中で個人的に1番好きなのは「太陽の下で」というお題で書いた物語です。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
2025年も最高の年になりますように!
1月に1個
2月に3回
3月に10枚
4月に5本
毎月毎月頑張って
12月には50人
ちょっとはちょっとは
ちょっとはこの世も
ちょっとは綺麗になったかな
‹1年間を振り返る›
「焼き蜜柑って美味しいらしいよ」
「バナナも焼くと美味しいみたい」
「野菜も肉も焼いたら美味しい」
「じゃあきっと土も石も」
「星だって焼いたら美味しいね!」
‹みかん›
1年間を振り返ると成果を出せたような、振り出しに戻ったような、そんな1年間だったなぁ。
自分が決めた目標は達成したけど、それが何かの、または誰かの役に立つのかと自問自答すれば、そんなことはなく自己満足でしかないよなぁと思う。
来年も目標を立て1年間をベースに取り組んでいきたいな。
1年間を振り返る
年始に立てた目標
やりたいことリスト
私なりに大満足で終わった一年だった
自分の機嫌は自分でとる
上手くいった方法
1年間を振り返る。
去年の今頃は、契約社員からの正社員登用で、筆記試験やら面接やらが終わって合否が出た頃だ。
来年からは正社員か。
と実感がわかない。休んだ心持ちがない。
ミカンを食べても甘さが感じられない。みかんジュースを飲んでいるようだ。そんな、慌ただしい年末年始だった。
大学卒業後、
バイト歴が2.0年。
ニート歴が1.5年、
社会復帰に1.5年、
契約社員に2.0年。費やした。
そして正社員登用を経て、今年正社員1年が経過した。
冬季のボーナスで、まともな金額を見ると、誰かの言い方を借りれば努力が報われたような感じがした。
このアプリを始めたのは、2024.7月頃。
当時はお題に飢えていた。
毎日書くことができずにいた。
それはそうだ。社会人とはそういうものだ。
そんな固定観念に惑わされていた。
社会人特有の雰囲気や忙しさを感じて、まとまった時間が取れずにいた。
スキマ時間が隙間風に吹かれると寂しさが増すように、無駄な時間として切り詰められると途端に心のどこかが薄ら寒くなる。熱を持った何かを失うのが怖かった。
小説や文章というものは、数日かけて書くものだ、という固定観念を破壊してくれた。
毎日ひとつお題が提示される。
それって結構助かるものだと思った。
考えて、ネタを出すのが、まず手のかかる。
自分で書くものを見つけようとする。
すると、視界に限られる範囲内だったり、何か考えたあとの思考の断片をかき集めた何かだったりと、既成事実に囚われない事柄を書けない。
書けないと苦しい。どうして? そういう人なのだと思う。
書くタイミングは、いつも会社帰りの通勤電車だった。
おそらくこのアプリを知らなかったときは、いつもの電車に乗り、いつも変わらない夜の車窓を見、色のないモブキャラたちが押し込められた不快な空間のように見えていた。
でも、毎日書くにつれて、この人物たちが実はモブじゃなくて自分と同じような生物なのだ、と輪郭がはっきりした……ような気がした。
当たり前のことが分散されて再構築された。
生きている透明に包まれて、見えないものを見ようとする。そんなことはできないけれど、それでも、今まで信じてきた当たり前が当たり前なのかと疑問符を投げ、裁断し、本質の一部を削った微細な粉のような見えない何かを手に入れたい。
と、心のなかで定義するようになった。
2024/12/31。=令和六年。
あと六時間で今年が終わるけれど、来年もまた何かあるはずだ。それに備えて、この見えない粉のような何かと格闘したい。
見えないけど掴み取った。
この色は多分、金粉や銀粉なのだ。
揶揄い(再投稿)
その日は雲一つない快晴。教会の任務もヴァシリーの鍛錬も無い完全な休日。起きてすぐに部屋の窓を開けて、私はカーテンを取り外す。
「今日は部屋の掃除!まずはカーテンの洗濯!」
カーテンを持って、洗い場に向かう。用意した桶に洗剤が溶けた水でしっかり洗っていると……。
「ミル?」
その声に振り返れば、同期のスピカがいた。彼は色違いの赤と青の瞳を不思議そうに瞬かせてこちらを見ていた。
「おはよう、スピカ」
「おはよう……何してるの?」
「今日は休日だから、部屋の掃除しようと。その前にカーテン洗っておきたいんだ〜。スピカは?」
「俺は……これから、朝ごはん。その後に任務に向かう」
「……どんな任務?」
「西の国へ行って、潜入捜査。あそこも背教者たちの動きは活発だから。大司教様が内情を調べてって」
無表情で淡々とそう言った彼に私は「そっか」と返す。
彼も私と同じ暗殺者であり、そういった潜入捜査はお手のもの。しかし、単身で敵地に向かうのだから相応の危険は伴う。
「君のことだから、大丈夫だと信じているけど……気をつけてね」
「うん。ありがとう。……良かったら、一緒に朝ごはん食べてくれる?そうしたら頑張れる」
「もちろん!」
「……ありがとう」
彼は言葉少なだけど、とても敬虔で純粋な子。私の数少ない友人の一人だ。その願いを無碍にするわけにはいかなかった。
彼と別れたのち、私は半日をかけて部屋の掃除を進めた。部屋にある数少ないテーブルや椅子を少しずらして、床に水を広げてブラシで擦る。しばらくしてから、布巾で拭っての繰り返し。
終わったら、窓枠の縁を濡らした布巾で拭えば、埃やら砂が沢山取れた。それを見て顔を顰めつつ、バケツで洗う。水が汚くなったら、洗い場まで行って水を入れ替える。
掃除が終わったのは、夕暮れ時。そろそろカーテンが乾いている頃だと思い、中庭の片隅にある干場に向かう。
干場に向かうと、カーテンの前にいたのはヴァシリーだ。風にゆらゆらと揺れる真っ白なカーテンを表情の読めない顔で見つめている。
「ミル」
こちらに顔を向けずにヴァシリーは私の名前を呼んだ。
「ヴァシリー。何でカーテンの前にいるの?」
「庭の片隅にこんなものがあれば、気になるだろう?これはお前のか?」
「うん。今日はお休みだったから、部屋の掃除していたの」
「……そうか」
彼は徐に真っ白なカーテンを取ると、そのまま私のことをカーテンごと抱き上げる。
「わっ!?急に何!?」
「……」
真っ白なカーテンからはお日様の匂いがした。カーテンに包まれた私をヴァシリーは無表情のまま見つめる。
「ヴァシリー?何で急に抱き上げるの?というより、降ろして?」
「……こうして見ると、赤子みたいだな」
「……?」
私が首を傾げていると、ヴァシリーはその口元に笑みを浮かべる。しかし、それは敵に見せる酷薄なものではなく、穏やかなものに見えた。
「私、もう子供じゃないよ」
「そうか?俺からすればまだまだだが?」
……前言撤回。さっきの笑顔は気のせいだと思う。私の目の前にあるヴァシリーはいつもの揶揄うような意地の悪い笑みを浮かべている。
「……ヴァシリーって、幾つだっけ?」
「今年で二十九だ」
「……とりあえず、降ろして」
「断る」
「何で!?」
1年間を振り返る
泥塗れの足跡 いざ振り返ると
後悔と誇りが混じりあう
光と闇は良きマリアージュ
そんな綺麗事 根拠無く信じて
1つ純粋喪って
1つ大人の階段上った
知るとは傷つくと学び
友情は儚く脆いと知った
愛と灯のミラージュを
来年こそ手に入るかな
そしてまた鏡合わせな毎日を憎み望もう――
そしてまた1年を経て同じ後悔をしよう――
この一年色々あったなぁ。
自傷行為ばっかして何度も何度も縫合して
ある時死のうと思って首を切って救急車呼ばれて首縫合したりさ。
それだけ辛かった一年だった。
だけどね、辛い中、一生懸命寄り添ってくれた主治医、見捨てないでくれた看護師さんたち、グループホームの職員、作業所の職員室、デイケアの職員、PS W、里親さん。
辛い一年だった。でも優しさや暖かさを直に触れた一年でもあった。
今だって、縫合までは行かない自傷行為はしちゃうし死んじゃいたい、見捨てるんでしょって思いはたくさんある。
でも。でも、やっぱり優しさでなんとか生きているよ。
笑顔が増えたね。って。
楽しかったことを教えてくれてありがとう。って。
自分では気づかない自分の変化に気づいてすぐに褒めてくれる。
だから。
私は。
辛いけど。
生きるよ。
みんなを裏切りたく無いから。
そして、今度は私がーーーーーー…
ーーーーーー
1年を振り返って
▶60.「1年間を振り返る」
59.「みかん」
:
1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
---
「うふふ、ようやくここまで来たわねえ」
事務室にいる子猫は、
店の帳簿と自分の覚え書きとを照らし合わせながら、
にんまりと上がる口角を抑えられなかった。
花街で生まれ、花街で育った子猫。
ほかの生き方など知らぬが、
たまに訪れる人形のように自由に外を見てみたい。
人形にしか話したことがない、密やかな夢。
花街の女だった母親が病に倒れたとき、
子猫は自らを店へ売り渡した。
子猫の母親は我慢強い人であった。
それでも、それでも最後に、自分の子どもが欲しくなった。
そんな人間らしい愚かさを持った母親を、子猫は愛していた。
母親の身請けに薬代、さらに子猫のそれまでかかった養育費まで、
かなりの金額になった。
この1年間に来た客の顔と収支を振り返り、
そして、
使わないからと言って少し多く包んでくれる人形を思い。
微笑みを優しいものに変えて、
帳簿と覚え書きを閉じた。
昨日仕事納めしてきた。今年も辛いことにも我慢してよく仕事頑張った。仕事ができる人間ではないけど、そこだけは自分をほめてあげたい。
春の遅くに故郷に戻った。期待もなく、求めることも特になく。
初夏の頃に、懐かしくなり始めた彼らが集う。私は行かず、行きたくもなく。
盛夏の頃に穴埋め作業。淡々と担々と、つまらない日々とうとうと。
秋には再び仲間が集う。私は行かず、行きたくもなく。
初冬の頃、埋めた穴から離れては、また別の穴を埋めに行く。淡々と、坦々と、相変わらずのとうとうと。
師走の終わりに忘年会。週末ほとんど年忘れ。私は一体何者か、何をしにここにきたのだろう。
私が触れればすぐさまに、花の全てが色褪せる。
ただただずっと、楽しいふりをしていた。
【1年間を振り返る】
昨日の事の様に一年が思い甦り
映画のワンシーンの様に映した
楽しかった事も悲しかった事に
嬉かった事や辛かった事を想い
後悔しないよう自分を探したい
頑張った事だらけで自分偉すぎる
特に映画たくさん見れた事めちゃよかた
「雪道の歩き方、ちょっとは上手になってきたじゃん」
からかうように言う先輩の息が白い。
いつもなら即座に反論するところなのだが、今は私の荷物を代わりに持ってくれているので、それに免じて仕方なく口をつぐむことにする。
雪が積もり出した頃、雪道に慣れていない私は先輩の目の前で盛大に尻餅をついてしまったのだった。
そんな私を助け起こしながら「ペンギン歩きだよ」と先輩は言った。
曰く、「ペンギンのように歩幅は小さく地面に真上から足を下ろす感じで」とのこと。
最近はその感覚がなんとなく分かるようになってきた気がする。
寮から駅までの道をゆっくりゆっくり歩く。
雪道に集中しているのと寒くてあまり喋りたくないのでお互いに言葉少なになるが、それがなんとも言えず嫌ではない。不思議な感じだった。
こんなに寒いのにこのまま歩いていたいような気がした。
駅に着き、先輩は律儀に改札のところまで送ってくれた。
「じゃあ、また来年!」
笑顔で手を振る先輩を見て初めて、帰りたくないなと思った。帰りたくて仕方なかったはずなのに。
「また来年、か」
新幹線の席につき、窓の外をながめながら、今年はなかなか悪くない一年だったな、と思う。
それは少なくとも、はじめてこの土地にやってきた時には全く思っていなかったことだった。
第一志望の大学に落ち、金銭面を考慮して仕方なく選んだ大学に通うため、故郷を遠く離れたここまでやってきたときには。
新幹線が走り出す。
今年は悪くない一年だった。
しかし、もうすでに来年が待ち遠しいのだった。
『1年を振り返る』
一年を通し
あなたの手を探し
一年の終わりに
手を掴む
一年の初めに手を握り
一年中、振り解き
そんな一年がまた始まる
一年の終わりに
暖かな手の温もりを
感じてください
ありがとうと心を込めて、、
皆様お久しぶりです、わたあめ。でございます。
もう気づけば年の瀬で、2024年が幕を下ろすまで数時間となりましたね。
いかがお過ごしでしょうか。
去年も同じように一年を締めくくる言葉を綴っていたな、と懐かしい気持ちにもなりつつ、あの文字をポチポチと空港で打ち込んでいた日からもう一年経ったのか、と時の流れの速さに驚かされてもおります。
皆様、今年一年を言葉で表すとしたらどんな言葉を当てはめますでしょうか。
私は、“七転八起(しちてんはっき)” という言葉が似合うような一年だったと思います。
果たして起き上がれていたかどうかは分かりませんが、少なくとも七回以上は、転んでしまうような出来事が起こっていた気がします。
転んで、挫けて、泣いて、でも助けて貰って、笑って。
周りの言葉に救われながらも奔走した一年でした。
もちろん失敗の中にも“成功“があり、幸せな時間を過ごした日々もありました。
その“成功“が一瞬の幸せであったとしても、未来の私に必要な時間であると私は信じております。
小説や作品面では、大して更新できず申し訳ありません。
筆を執る時間をとれなかったというのももちろんありますが、言い訳させていただけるのであれば、昨年に書き綴った子達に少しでも再び目を向けてもらいたく、今年は主に過去産み落とした子達を見て頂くことに専念したかったというのもあります。
なので皆様の作品に対する声を聞くことが出来た一年でもありました。
拙い文章ではありますが、読んで頂きとても嬉しく思います。
来年もまた、書き連ねていく所存ですので、少しでもあなたの時間に私の紡ぐ“物語“を映していただけたなら、幸いです。
さて、もう日も暮れて暗くなっておりますので、皆様大切な人と過ごしたり、自分の時間に割き始める頃かと思われます、年の瀬の挨拶はこれくらいに致しましょう。
わたあめ。の稚拙な文章をここまでご一読頂きありがとうございました。
それでは、良い年越しを。
#1年間を振り返る
1年を振り返る
12月31日
今年は本当に忙しかった
子供の受験に、職場の人員減による勤務
なんとか乗り越えることができたのも
家族が健康でいてくれたから
ありがとう
#一年を振り返る
2024年、どんな1年だっただろうか。
楽しかった、と言う人もいれば、辛く、苦しかった、
と言う人もいるだろう。
僕は……楽しくて、小さな事に幸せを感じた一年でも
あったけど、それ以上に辛く、苦しい一年でもあった。
僕には親友と言っていいほどの友達がいる。
そいつと、夜更かしして、リア充みたいな会話をして
そいつの言葉にときめいたり、その時間を幸せに思った
りと、それなりに幸せだったと思う。
もう1人、そいつと同じくらいに大切な友達がいる。
その子は、ほんとに面白くていつも画面越しでも、
対面でも笑わせてくる。それも、こちら側をどことなく
励ましたり、明るく優しく包み込むように。
2人と話すだけで、傍にいるだけで、とても幸せな
気持ちになる。
そんなことと、反対に辛く、苦しかったこともある。
家庭環境と、人間関係だ。
僕には下に弟と妹が2人いて、両親と共に5人暮らし。
母はヒステリック気味で、小さい頃から、些細な
ことでよく怒鳴られたものだ。
最近では、それを我慢していた父が痺れを切らし、
よく喧嘩をするようになり、離婚まで考えている程だ。
母は、僕たちが高校を卒業するまでは離婚しないと
言い張り、喧嘩は毎回不完全燃焼で終わる。
また1つ、問題なのが弟と妹だ。
2人は、性格が瓜二つで、毎日どんぐりの背比べを
している。
そんな、性格が瓜二つの2人だからか、妙なところで
意気投合してしまい、2対1で僕を攻めることがある。
妹は母からの遺伝のせいか、ヒステリック気味で
口がとても悪く、弟は陰湿ないじめや心を引き裂く勢い
の言葉を放つ。
僕は、両親が喧嘩をしていても、弟達が喧嘩をして
いても、いつも仲介役だ。
そんなんだから、友達の家に宿泊したりと、一日家を
空けると、必ず両親が大きな喧嘩をしている。
だから、極力、家を空けることは避けている。
といっても、家にいること自体もストレスで、
自分の中にある、何か黒く重いものが溜まっていく。
僕は小学生の頃に、当時、親友だった人に裏切られ、
誰かもわからない人に靴に画鋲を入れられるなど、人間
関係や精神に深い傷を負った。
そして、解離性同一性障害という精神障害を患った。
いわゆる、多重人格ってやつだ。
日常生活に直接的に害をもたらす訳では無いが、
多重人格とは別で、離人症状というものも出ているため
これは日常生活に支障を来たしている。
自分にとって辛いことや苦しいことを忘れてしまう、
そんな、言う人からすれば都合のいい障害だ。
それでも、この症状を持っている以上、無意識に
物事を忘れることや自分から自分では無いような感覚を
無理に感じさせられるのだ。こちら側としてもいい迷惑
にもなる。
この1年で、何度――。
死にたいと――。
友達に助けを求めたいと――。
思ったことだろう。
辛くて、苦しくても、誰かにこの気持ちを相談しては
相手に背負わせてしまうと、助けを求めてはいけないと
自分に思い込ませた。
でも、あの2人と居ると幸せで――。
ここで死んでも死にきれない……。
何度、そう思ったことか……。
まぁ、そんな1年だったよ。
たくさんの人との出会い、そして別れ
毎年のことだけど、今年はより多くの方と出会えた
良い出会いもあれば、嫌なこともあったけど
それも含めての出会いなのかな。
来年は色々変わることもあるけど
少し落ち着いたら、自分の為に時間を使っていきたいと思う
それは仕事もそうだけど、新しい出会いがあれば
それが良いなって思う。
仕事も頑張れている分、私生活を充実させたいね
出会い…まぁ、あればだけどね
中々この歳になると、難しいだろうし
じゃぁ、どこで出会いがあるかだよね
それは来年になったら考えよう
みなさん良いお年をお迎えくださいね。