noname

Open App

 春の遅くに故郷に戻った。期待もなく、求めることも特になく。
 初夏の頃に、懐かしくなり始めた彼らが集う。私は行かず、行きたくもなく。
 盛夏の頃に穴埋め作業。淡々と担々と、つまらない日々とうとうと。
 秋には再び仲間が集う。私は行かず、行きたくもなく。
 初冬の頃、埋めた穴から離れては、また別の穴を埋めに行く。淡々と、坦々と、相変わらずのとうとうと。
 師走の終わりに忘年会。週末ほとんど年忘れ。私は一体何者か、何をしにここにきたのだろう。

 私が触れればすぐさまに、花の全てが色褪せる。
 ただただずっと、楽しいふりをしていた。


【1年間を振り返る】

12/31/2024, 9:00:06 AM