『1件のLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
死にたい
そう思ってきたけれど
首吊りも飛び降りも何もかも
怖くて出来なかった
そんな自分に嫌気がさして
気持ちが悪かった
今日のお昼頃
日が照っていて暑い
汗がダラダラと滴り落ちて
まるでお風呂上がりみたいだ
歩くのも面倒臭い
途端に目の前が傾いた一瞬のことだったけど
自動車のクラクションでこれから起こることなんて容易に想像できた
あぁやっと、やっと死ねるんだ
そう思うとこれまでにない喜びが私を包んだ
嬉しい
でも私は死ななかった
代わりにあるのは誰かに突き飛ばされた感覚と、突き飛ばされた時にできた傷の鈍い痛みだった
なんで?
なんでなんでなんで
どうしてなの?
どうして
どうしてみんなわたしのじゃまをするの?
どうして?
やっとしねるとおもったのに
しょうがないことだとおもえたのに
あきらめられたのに
なんでなの?
強い怒りの中で1件のLINEが視界にぼやけて映った
「ねぇ、後ろ見て!!」
あぁ、あの子は関係ないのに
1件のLINE
それは
良い内容でした?
それとも悪い内容↓でした?
不可解な内容だったりして
笑ったかな?
それとも怒った?
泣いた?
ほっこりしたり、まったりしたり
その文章や絵が楽しいもの、感動をもたらしたなら、しみじみ味わいたいね
怒りや悲しみを感じるものであったなら、少し学んでから、感情を手放そう
皆さんの心が安らかでありますように…!
お題『1件のLINE』
前の主様が亡くなった日のこと。
前の主様——便宜上、以降主様と表記——の持ち物の中にあった、手のひらに収まるくらいの赤い板から突然音が聞こえてきた。
板の表面は光っていて、何か文字が刻まれている。主様の私物を勝手に見るのは良心が咎めた。けれどそれ以上に、文字が浮かび上がる板に興味が沸いてしまった。
主様は以前、その板のことを『フェネスのイメージカラーにしたの』と言いながら見せてくださったことがある。『これはカメラもついていて、この世界のカメラみたいに長い時間じっとしていなくてもいいの』ともおっしゃっていて、何枚か撮っていただいたこともあった。『アルバムがなくても持ち歩けるの』と言い、俺と主様が一緒に写っている写真を表面に貼り付けて、とても大事そうにしていらっしゃった。
その板に、わずか2行ほどの文章が見てとれた。
【お誕生日おめでとう。ずっとずっと、愛してる】
その文字が消えた途端、戸惑って引き攣り笑いの俺と最高に幸せそうな笑顔の主様の画像も消えてしまった。
一体誰からの、誰に宛てたメッセージだったのか。
折しもその日は主様の誕生日であり……主様が俺にくださった、俺の誕生日でもあった。
その時以降、その板は音を鳴らすことも、光ることもなくなった。主様のあの眩い笑顔はもう俺の瞼の裏にしか存在しない。
"1件のLINE"
閑散とした携帯に突然入ったそんな通知
貴方からだと気が付いた私は早く見たい気持ちを抑えて空を見る。
大好きな太陽が夜の月に追い出されて
それもまたいいものだな、なんて思ってしまう。
熱い体に暖かい風が吹いて体を湿らせるけれど
それが汗だと気付くまでに貴方はもう一度メッセージを送ってくる
"後ろ見て"
後ろを振り返るとそこには満面の笑みのあなたがいて
恥ずかしそうにプレゼントを差し出して、お誕生日おめでとうと言ってくる。
そうだ、私は何十年か前の今日に生まれたんだ。
何も言わずに繋がれた手に感謝を込めて
そっと手を握った。
月明かりに照らされた貴方は、間違いなく人生で一番素敵な誕生日プレゼントだった。
「書く習慣」のアプリから
「1件のLINE」の通知
通知がバグったのかな?
としばらく首を傾げていた
ねえ、好き
なんだけど 午後10:36
付き合わない? 午後11:13
📞 音声通話が終了しました
既読 午後11:54 26:10
お題:1件のLINE
LINEの未読通知が来るたびにドキドキする。
ずっと、1件のLINEを恐れてる。
次連絡あったらどうやって断ろう。
会っても楽しくない人からの遊びのLINE。
切るに切れないのが困りもの。
[先生お久しぶりです。]
高校で初めてのテストが終わってから
初めて中学の先生にLINEを送った
いや、やっと遅れたの方が正しいか
この7、8文字を送るのに1時間かかった
返信欄から打ち込んではこれはどうかと思い消し、打ち込んではやっぱりさっきの方がいいかな消しを繰り返していたら1時間経っていたことに驚いた
この時間帯で良かったのかと不安になった
さすがに定時まで待ったが、、、
お仕事は続いているかもしれない
時計を見たらもう普段はお風呂に入る時間になっていたためお風呂に入って30分ぐらいしたら上がり、髪を乾かしながら携帯を手に取ってインスタを見ていたら
[○○先生:久しぶり元気か?]と通知が来た
驚いた私はすぐにLINEのトーク画面を開いた
時間はちょうどさっきだった
[元気にやっています。先生の方こそお元気ですか?]
知らないうちに指が動いていた一瞬で既読になり
[元気やぞ!高校はどうだ?]
すぐに返ってきた開いたまんまだったの?
[高校は楽しいですよ!!今日初めての定期テストが終わりました科目が中学より多くて大変でした]
またしてもすぐに既読になり
[お疲れ〜高校はな数Bとか数Aあるもんな楽しいなら良かった良かったこの調子で頑張れよ]
文面だけでも励ましになるなこの先生にはもう、会えないのかな寂しいな、、、、
[ありがとうございます!私も応援してます]
そう返事を返した
[おう!ありがとうなじゃあお休み]
元気いいなぁ懐かしいなあー中学戻りたいなあ〜、、、
[お休みなさい]
そう言って会話は途切れた
先やったばかりの会話を読み返していたら、懐かしい気持ちになった、
こういう形で関係を続けて行けたらいいな、、
先生のおかげで今の夢があるんだから最後まで見届けてもらわないと困るよね
先生、ありがとうと心の中で言った。
お題[1件のLINE]
No.43
キミからの
メッセージ
おやすみの
たった一言
待っている
溶け切った
ロックの氷
うたた寝の
ボクの夏は
今夜も暑い
『1件のLINE』
『母さん、明日は好きな子と飯食いに行くって言っただろ?空気読んでよ!』
あ、誤送信だ!
既読スルー…にならないわたしの気持ちは
どうしたらいいのだろう。
明日はメイクも洋服も頑張らないと。
#1件のLINE
1件のLINE
いつだって君は意味深だ
送ってきたのはたった1件のLINE
その後は、僕が何を送っても返事はない
僕は必死に短いヒントから君を探す
あっち?こっち?そっち?どっち…?
不意にパズルのピースがはまって
僕は君を見つける
僕の姿を捉えた君は一瞬嬉しそうな顔をして
すぐに自慢げな表情で
「今日の問題はどうだった?」
って聞いてくる
「難しかったけど、いい問題だったよ」
そう答えると
君は満足そうに僕に飛びついてくる
いつだって君は僕を試すのが大好きで
僕はそんな君が大好きなんだ
「なぁ、今度の土曜空いてる?」
そう送られてきたのは、午後八時五十二分頃だった。
このLINEの送り主は、幼馴染の裕太。
そして、私の好きな人でもある。
私は前にどこかで聞いた、「駆け引き」というものをしてみるために、少し時間を置いてから返信しようとした。すると、
「ちょっとあんたー!家の手伝いはやったの?!」
げっ、ママだ、、、私はその時、返信は後ですればいいよね。と思い部屋を後にした。
その日は忙しく、疲れてしまったせいか、気づけば寝てしまっていて起きた頃にはLINEの事など全く頭になかった。
学校に着くと、皆が私の方を見て何やらコソコソ話している様だった。
「皆?どうしたの、?」
皆は私をまるで”可哀想な人だ”と思うかのような目で私を見つめた。
その時私は教室を見渡して、あることに気がついた。
「裕太が、居ない、、、?」
裕太以外の皆は全員居るのに、裕太だけが、居ないのだ。
そして、裕太の机の上には、
綺麗なベゴニアが置かれていた。
「はッ、どんだけあんたメンヘラなのさ、、、泣」
題名「愛の告白」
#1件のLINE
一件のLINE
あなたから思いがけない
ラブレター💌が届いたの
涙溢れて…
あなたは色んな経験を
たくさんしてる…
人一倍苦労してるのに
…
そんな顔も見せず
いつも笑わせてくれて
楽しませてくれて
ほんとうにステキな人
です…
一時はあなたの涙…
あなたの影から見える
ものを感じて…
しんぱいして
でも
あなたはいつも
迷惑かけないように
だいじょうぶと言うの
だいじょうぶじゃない
のに…
いつもありがとう…
あなたは大事な人
いつも笑わせてくれて
楽しませてくれて
ありがとう
弱音もいっぱい
言ってくれて…
ありがとう
ありがとうでいっぱい
いっぱい
感謝…感謝…
姉と行こうねって話してた予約制のカフェがあった。帰省のタイミングがわかったら言うねって言って、連絡したのが今日。そうしたら、「もう受付終わっちゃったよ」って怒ってるスタンプと一緒に送られてきた。
一緒に行きたいって思ってくれてたんだろうけど、連絡が遅かった自分が悪いってわかってるけど、モヤモヤしてしまった。遠くにいて、ただの文章とスタンプだから相手がどんなテンションなのかわからないのが怖い。
ここ最近、また人が怖くなってきてしまっている気がする。それが気のせいじゃないって分からされることが多くなって、どんどんそんな自分が嫌になってくる。なるべく家族に心配はかけたく無いけど、正直色々なことが辛い。言えない。誰かに話したいけど、人を前にすると話したいことが全部飛ぶ。こんなこと重いよなって、こんな事で相談されたく無いよなって考える。どうすればいいんだろう。
2(1件のLINE)
出会ってから一年、付き合いだしてから二年。の、計三年。
人生というスパンで見れば決して長いとは言えない長さだ。しかしながら人ととなりを知るには充分な時間だと、男は思う。
決していい加減で浅い付き合いをしていたつもりは無い。態度でも言葉でもそれを示してきた筈だ。
男は明確に好意を言葉で伝えたり、態度で示したりするのは元々不得手な方だった。それでも自分の思いを伝え示したのはひとえに手離したくなかったからだ。言い寄って来る者は過去に何人もいたが、男の心に触れたのはその人ただ一人。
先程スマートフォンを鳴らした一件のLINE。画面に表示された通知には謝罪と、さよならの文字。
嫌いになったとか、他に好いた奴が出来たというならば納得はいかないが別れに頷きもしただろう。しかし最後に男が見た相手の顔は、自分は男に相応しくないと泣いた顔だった。引き止めるまもなく電車に飛び乗った相手に追うことも叶わない。電話もLINEも応答が無かった。
そして、先程の別れの言葉。
相手の心が離れての別れなら、しょうがない。しかし、そうでないのなら……。
なぁ、知ってるだろう。俺の、お前へ向けた一途さと気持ちの重さを。
この通知音はスタートの合図だ。男と、その想い人との追いかけっこの。
男はLINEのトーク画面に一言、返信を送る。
「必ず捕まえる」
僕は、ポケットにしまっていたスマホを取り出すと1件だけLINEを送った。このLINEを、君が見てくれる確証はないけれど、儚い気持ちを抱いて、夜空を見上げる。君は、僕を許してはくれないと思うが、選択を変える気はない。決意を胸に僕は、崖端に立つとそのまま前へ足を進めた。当然、僕の体は重力に従い下へと落ちていく。次に、目が覚める時、僕は人間を辞めているだろう。僕を狂っていると言いながらも傍に居てくれた君と、この夜空を見ることができないのが唯一の心残りになるだろう。それでも、僕はなりたいんだ。最後に、遠くで何かが潰れるような音を耳にして意識が途絶えた。
彼は、夜空に輝く星になりたい。
お終い
秘話
星空の物語とリンクしています。
「ひとまず1件メッセージが来れば良いんだな」
これは汎用性高いお題じゃないか?某所在住物書きは喜々として、早速物語を組み始めた。
「初めて送った文章。仕事系通知。『電話番号登録してたけど君誰だっけ』の確認、『チケットご用意できました/できませんでした』の当落告知、怪しいグループからの招待あるいは指示通知。等々」
1件挟めばお題クリアだもんな。簡単よな。物書きはひとつ、実際に受け取ったことのある1件の詐欺メッセージの話を組み始める。
「……簡単なハズなのにムズい」
特に面白い展開にはならず、結局挫折した。
――――――
昨日申請したリモートワークが通った。
私の職場はグレーに限りなく近いブラック。
ノルマとか根性論とか、無能なジジババが勤続年数で上に行く年功序列とか、過去の負の遺物を詰め込んだ給料良いだけの職場だけど、
それゆえに、コロナの第二波三波で早々に酷い職場内クラスターを出してた。
おかげで早くからリモート体制が整って、申請も通りやすくなったわけだ。
アツモノ懲りてナマス吹く、とかいうやつだと思う。
総務課で事務方やってる有能なジジ、寺武方さんが言うには、リモートは、仕事効率上がるひととバチクソ下がるひとで二極化してるフシがあるらしい。
で、その仕事効率を更に上げるため、それから今週の電気代を節約するため、
5対5想定の電気代と、まかない代を茶封筒に入れて、エアコンシェアのため職場の先輩のアパートに向かってる途中。
『おはよう 昼メシのリクエストは何かあるか?』
スマホのグルチャに、1件メッセが届いた。
『肉→豚モモブロック
野菜→ネギ 生姜 ナス ピーマン
他→備蓄白がゆ 低糖質パスタ 糸こん 等』
ピロン。返信編集してる間に、もう1件。
1人分作るのも2人分作るのもさして変わらないからって、先輩は低糖質低塩分の、ヘルシーまかないとスイーツを出してくれる。
なんでこれで独身なんだろう。
なんでこれで恋人いないんだろう。
すべては先輩の初恋相手が、先輩の心をズッタズタのボロッボロに壊して、先輩を人間嫌いの寂しがり屋にしちゃったせいです(先輩の友人談)
本当に、なんてことをしてくれたのでしょう。
『備蓄白がゆ is 何』
こっちはご飯たかりに行く身分なので、先輩が作ってくれるものなら何でも食べます。
て返信しようと思ったけど、白がゆってのが気になる。部屋に炊飯器が無い、かつ低糖質志向な先輩だから、てっきり、白米食べない系だと思ってた。
『防災の非常食として備蓄していたものだ。普通の白がゆだよ。ただ、賞味期限が来月でな』
『おいしくなる?』
『アレンジは可能だ。スープの素を入れて温めれば、短時間でおじやだか雑炊だかになるし、トマト煮のレトルトと卵をぶち込めばオムライス風が食える』
『白がゆ意外としっかり非常食』
『で、昼のご希望は』
ピロン。再度メッセが来る。冷雑炊食べたい系の返信して、スマホをバッグに戻して、私は先輩の部屋への道を急いだ。
しっかりエアコンの効いた、防音防振の先輩の部屋でガッツリリモートワークして、
お昼は、豚バラの冷しゃぶと生姜少々と、フリーズドライの卵スープを利用した、冷雑炊になった。
「1件のLINE」
お友達の申請
あなたから
無視してやったわ
わたしから
罪悪感とか理由はどうでもいい
私をこれ以上かき乱さないで
なれない手つきでお互い登録し合った
あの頃とは随分変わってしまった
ブロックしたのは
あなたから
たくさん泣いた
なんでって悩んだ
だからお友達には
もうなれない
やっと立ち直ったの
あなたから
1件のLINEも受け取ったことないの
LINEのアプリ入れたことないから
しゃーない
ガッコ関係もシゴト関係も
LINEグループとかなくて
ここまで来ちゃった
でもここに来て
懸賞だったりお店のポイントだったり
LINE経由のものが増えてきてさ
そろそろデビューしちゃう?
と思いながらも
やっぱ面倒って感じる
相手もいないのにね
LINEのやり取り面倒そうって思ってるの
たぶん自分こそが面倒な人だよね
なんかゴメン
#20【1件のLINE】
特徴的な音がする。
今となっては耳に馴染んだその音も
今日ばかりは無駄に胸をざわつかせる。
既読にするか否か。
目を閉じて
ひとまずの深呼吸。
大丈夫。
受け止めてみせる。