黄桜

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僕は、ポケットにしまっていたスマホを取り出すと1件だけLINEを送った。このLINEを、君が見てくれる確証はないけれど、儚い気持ちを抱いて、夜空を見上げる。君は、僕を許してはくれないと思うが、選択を変える気はない。決意を胸に僕は、崖端に立つとそのまま前へ足を進めた。当然、僕の体は重力に従い下へと落ちていく。次に、目が覚める時、僕は人間を辞めているだろう。僕を狂っていると言いながらも傍に居てくれた君と、この夜空を見ることができないのが唯一の心残りになるだろう。それでも、僕はなりたいんだ。最後に、遠くで何かが潰れるような音を耳にして意識が途絶えた。

彼は、夜空に輝く星になりたい。

お終い

秘話

星空の物語とリンクしています。

7/11/2023, 11:14:14 AM