黄桜

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8/19/2024, 2:19:26 PM


台風で飛ばされちまった天井に、朝日が刺し昇る。
部屋のものは一部が外に飛んでいった挙句に近くにあった木の枝が折れて居座っている始末だ。

「生きてるだけ儲けもんだな」

そう思わないとやっていられないほど、世間というのは嫌なものでまみれている。見て見ぬふり、聞かぬふり、知らぬふりすることで生きやすくなるのだから人間というのはつくづく逃げ上手な生き物だ。

「カーカー!」

カラスの鳴き声が遠くで力強く聞こえる。まるで、負けない負けないぞと自分の縄張りを荒らして行った台風に対して鳴いているようでクスリと笑みが零れた。

「そうだな…負けてらんねぇな」

再び見上げた空模様は、先程よりも青く澄んでいるように見えた。


空模様の見え方は変わる。

お終い

8/19/2024, 6:01:42 AM

風呂に入ると目の前に鏡がある。シャンプーをしている自分の目を見つめる癖が昔から抜けない。
いつだって鏡に映る自分の目は、光が無くそのせいでどんな表情をしても心底つまらないという顔をしているものだから、いつからか私は表情を作るのをやめてしまった。

「今の目、怖かったよ〜」

「いや人殺しそうな目だね笑」

「すいません!」

家族の前では気を抜いてしまうため、よく目元が怖いとイジられる。好きで怖い目をしている訳ではないが、どうやら私は気を抜くと怖い目をしているらしい。

「〇〇は優しいよね〜」

「〇〇だけは真面目に授業聞いてくれるから、俺助かってるよ。」

「〇〇さん、今日の掃除当番変わって!」

周りは私が気を張っている時の目を怖いとは言わない。けれど、私の目はどうやら誰にでも優しくそして使いやすい目らしい。

本当の自分は家族の前での方だと分かっている。だって、気を抜いて怖い目だと言われても怒りは湧かないから。
でも、家族に怖いと言われるのは怖い。
だって、そうしたら学校の人達のように気を張らなくてはいけなくなる。

「本当の私って何?」

鏡に映る自分にそう問いても、返事は返ってこない。
なぜなら、鏡は私だから。


私は誰かの鏡。

お終い


解説
皆は互いに鏡を目に持っている。
そのため、映ったものは嘘ではないし本物だが時には都合のいいものばかり映す嘘の鏡もある。
私も、皆を都合よく映しているだけかもしれないよという本心と映るものは違うというお話。

6/29/2024, 5:38:41 AM

夏が好きという人たちは、今年初めに夏でやりたい事を頭に思い浮かべて見てほしい。
ちなみに、私はプールに入りたいと思っている。一概にプールと言っても、自宅でのプール、施設でのプール、市民プールといった種類があるが私は自宅でのプールが好きだ。
理由としては、家族でプールの水を使って水鉄砲で水を掛け合う遊びがバカらしくて楽しいからだ。
だから、夏が本格的に来る前にダイエットして理想の体型に作り変えようと思う。
遊ぶだけならダイエット必要ないと思うかもしれないけど、理想の自分でいられる時間って私達が思ってる程長くはないからね。

一緒に、どう?

お終い

6/13/2024, 8:07:21 AM

「私、○○ちゃんって苦手。」

「俺、○○のことワンチャン狙ってんだよね。」

「わたし的には、あいつら潰し合ってくれたら
○○のライバル減って超ラッキーだわ〜」

人間の感情というのは、客観的な視点から見れば意外とわかりやすい。よく漫画とかで三角関係に途中まで気づかないキャラが出てくると思うが、あれは単純にそれに対して割く興味が無くて気づいてないだけだ。

「授業何分からー?」

「30」

「ありがとう」

好き嫌いって感情は、時に元あった関係を壊すきっかけにもなる。最近、この教室でも彼氏を寝盗られた女子が居たが寝盗った側の女子は○○君が好きだからその気持ちには嘘をつけないからしょうがないじゃないと言い訳三昧だった。ちなみに、寝盗り寝盗られ女子は元々親友関係にあったようで、親友なんて肩書きは当てにならないということを私はこの件で学習することができた。

「お前ら、席つけー今日は先週配ったプリント回収
するから各自授業終わりに出してから教室出るように。」

「○○ちゃん、プリント終わってる〜?終わってたら、
写さして?」

「ん、いいよー」

こうしてまた好き嫌いって感情が芽生えては消滅していくのだろうなと思いながら、私はただの名前を知っているクラスメイトに自分のプリントを手渡した。


好き嫌いは、本当に必要か。

お終い






6/7/2024, 8:18:17 AM

最悪だと思う状況は何だと思いますか。私は、今のところ最悪と思ったのは一度だけです。
その一度は、一家心中手前までいった時の事です。今だから言えるが、一歩間違えたら死ぬ状況が1ヶ月も続いていて苦しいと思う事しかできませんでした。
皆さんの、最悪は何ですか?
友人が亡くなったこと、知り合いが逮捕されたこと、親が自分の事を忘れてしまったこと、自分が余命宣告されたこと、不味い料理を当ててしまったこと、高速道路で渋滞に巻き込まれたこと、ここには書かれない最悪が貴方たちの中にあることでしょう。
今一度、一緒に自分を見つめ直すのも最悪を乗り越えるのに必要なことだと私は思います。

最悪の先にある自分を見てみたい。

お終い

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