"1件のLINE"
閑散とした携帯に突然入ったそんな通知
貴方からだと気が付いた私は早く見たい気持ちを抑えて空を見る。
大好きな太陽が夜の月に追い出されて
それもまたいいものだな、なんて思ってしまう。
熱い体に暖かい風が吹いて体を湿らせるけれど
それが汗だと気付くまでに貴方はもう一度メッセージを送ってくる
"後ろ見て"
後ろを振り返るとそこには満面の笑みのあなたがいて
恥ずかしそうにプレゼントを差し出して、お誕生日おめでとうと言ってくる。
そうだ、私は何十年か前の今日に生まれたんだ。
何も言わずに繋がれた手に感謝を込めて
そっと手を握った。
月明かりに照らされた貴方は、間違いなく人生で一番素敵な誕生日プレゼントだった。
7/11/2023, 11:32:27 AM