『鳥のように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
貴女の魂は、舞い踊る鳥のように、自由に軽やかに世界を飛び回ります。
恐ろしいことが起きるのではと怯えたり、不安でいっぱいになったり、そういうことで歩みを止めなくて良いのですよ。
貴女はご自分の思うように、楽しく幸福に、世界を駆け回ってください。
高所恐怖症の鳥はいないのかな。
幼い頃の飛行訓練に失敗して、トラウマになっている鳥は?
車で事故を起こして、二度とハンドルを握りたくないって人はいると思うけど、道で転んだからって歩くのをやめる人はいないか。
むしろ、しっかりと歩けるように精進するだろう。
鳥のように飛んでみたい、とは思わない。
生身で飛ぶのは思いのほか怖いと思う。
空には、人間が作り出した鋼鉄の乗り物だって飛んでいる。
バードストライクなんて、悲惨な最期は迎えたくない。
木の上でゆっくり休んでたら、突然鉄砲で撃たれるなんてリスクもあるし。
魚のように泳ぎたい、とも思わない。
海には、怖そうな生き物がいっぱいいるから。
そっちの怖い方になればいいという案もあるが、得てして彼らはグロテスクだったり悪者顔だったり。
釣られたり捕らえられたりして、食べられる運命ってのも受け入れがたい。
人間って臆病だな。いや、俺だけか。
ただ、すべての動物に対して羨ましいのは、学校や仕事がないってことかな。
もっと限定すれば、通勤、通学がないこと。
この酷暑や台風の中、出勤するのはホントにツライ。
それがない動物達は…いや、鳥だったら満員電車になんか乗らなくても飛んでいけるし、酷暑や台風でも、海の中なら大した被害はないか。
…鳥や魚も、悪くないかもな。
画面の中、生き生きと飛んでいる鳥に目がいった
その瞬間を待ち望んでいたかのように大きく翼を広げて前へ前へと進んでいる。
ここ数年、私は曲がったり落ちそうになったり、飛ぶ気力が無くなってしまったりもう立ち上がる気力は無い。
神様へ、私の努力や思いは今、真っ直ぐに飛んでいますか?人生という空をあの鳥のように真っ直ぐ飛べていますか?
鳥のように
どこまでも飛んで行きたい。
風のように海をわたり、
疲れたときは雲の上で昼寝して。
なんのしがらみもなく空を掛け、
羽を自由に仰がせたい。
その一つを夢に生きていたい。
それより、死んで生まれ変わった方が
早いだろうか。でも、心ある鳥に。
私はなりたい。それで、いて旅をしたい。
鳥のように。どこまでも―
鳥のように
空を飛ぶより
雲のように
空を漂いたい
生憎の渋滞。迎えの車はしばらく来ないらしい。
6人で待ちぼうけ、というやつだ。
廃線したバス停、屋根などはないさびれた長ベンチに、肩を揃えて座っていた。
西からの日差しは雲に覆われているものの、ジメッとした暑さが、どこからか聞こえるセミの鳴き声で増幅する。
「あー…あっつ」
「あついねえ」
「暑いですね!」
「暇」
「ひまだねえ」
「暇ですね!」
「所持品は全て置いていくのが条件の任務だったからね。暇潰しできるものが何もないよ」
「私は煙草は持ってる」
「なんで持ってんだよ」
「いる?」
「いらねぇ…おい誰かなんかしろよ」
「悟は相変わらずの無茶振りだな。しりとりでもする?」
「あー…リンゴ」
「ゴリラ」
「硝子なんでこっち見ていうの?ラジオ」
「えっ先着順なのぉ?じゃあ、おにぎり」
「おにぎり食べたくなってきたよ!陸上!」
「…」
「…」
「……おい、お前の番。おもしろいこと言えよ」
「ハァ……うどん」
「しりとり終わらせんな!」
「七海が真顔でうどんって言うとおもしろいからいいんじゃない?…うどん…っ」
「なんでちょっとツボってんだよ」
「七海、そこは好物のパンで終わらせる方が良かったんじゃないか?」
「なんでですか嫌ですよ」
「えーそうかな…あ」
「どうしたの?灰原」
「ほら!あれ、電線に何匹も並んでる鳥ってくーくんと同じ名前の鳥だよね!」
「あーほんとだぁかわいいねえ」
「かわいいかぁ?あんな詰め寄って並んでるの見ると暑苦しいだろ」
「なかよしって感じでいいじゃぁん!」
「ねぐらへ安全に帰るため、あぁやって集まる習性があるらしいから、言いようによっては仲良しなのかもしれないね」
「さすが夏油さん!物知りですね」
「私もそろそろ帰りたいんだけど」
「さすがにそろそろですかね」
「あっ、飛んでっちゃった」
徐々に橙色に近付く太陽。虫の鳴き声も変わっていく。
彼らの後ろ姿もまた、電線に仲睦まじく並ぶ鳥のように見えていることには、まだ誰も気付かない。
【鳥のように】
“鳥のように”、海へ行ったり、山へ行ったり、水中の魚を取って食べたり、夜中にひかる蛍を眺めたい。
そんなに楽しそうなことが待っているのならば、彼とふたりいっしょに、鳥になってしまいたい。まだ見たことのない素晴らしい景色を、彼と見たい。こんな素敵なところに連れて行けるのはわたしだけだと、視覚と聴覚で実感して欲しい。第一、鳥になんてなってしまえばやることなんて何も無いだろう。だからこそ、最高の暇つぶしを提供できるわたしが、彼の1番になれる。彼にとってわたしは、必要不可欠な存在となる。
今わたしは、「鳥になるなんていう夢物語があれば」という内容で言葉を編んだが、「素晴らしい景色を彼に見せる」という需要は、鳥ではなく、人間であっても成立することだ。前述したことが正しければ、彼の1番になることや必要不可欠な存在になることは不可能ではないし、限りなく近い未来だ。「もしも“鳥のように”なれたなら」という妄想も新しい希望を導き出せたのだから、たまには鳥や魚になる妄想をしてみるのも、いいかもしれない。
鳥のように
天に在らば比翼の鳥地に在らば連理の枝
片方の翼しかなくとも
お互いに支えて大空に舞う
自由な鳥とならんことを
鳥のようにどこまでも続くような大空を飛んで行きたかった。だけど、この狭く窮屈な世界から飛び出したいと何度も思うのに、不変で退屈なこの日々に身を委ねている方が確かに生きやすい。いつもの通学路、いつもの駅、何も変わらない風景の中を只々足を交互に動かしているに過ぎない。何の刺激もない毎日のせいなのか自分自身の感動が朽ちてしまったせいなのか分からないが、生きている意味が分からなくなる。ここ最近、ぼーっとしている時間が多くなり、頭の中がどこか靄がかかったみたいにふわふわとしている。疲れが溜まっているのかもしれない、と言ってもほとんど何もしないで過ごしているので疲れがたまるということはないだろう。まあ、何もしないと逆に疲れるとも言うけど。
「家に帰ったら何しよ…」
何も纏まらない頭で帰宅後の予定を考える。も口に出すだけで特に考えはしなかった。
「ただいま〜」
玄関をガチャっと開けて、乱雑に靴を脱ぎ捨てる。しかし、誰も注意するものはいない。今となってはそれが当たり前だ。昔はいたのかって、そりゃまあ俺を産んだ人がいればそういうところもちゃんと教育してくれてたんだろうけど、生憎、記憶の範囲外だ。まあ、俺の両親は俺が4歳のときに莫大な借金を残して、夜逃げしやがった。しかも俺を売った金でな。惨いと思うが、それが両親なりの選択だったのだろう。もう別に過ぎたことなのだからどうでもいい。
お題「鳥のように」(雑記・途中投稿)
鳥……自由の象徴みたいに思われているけど、限界まで体重を落としているから、拒食症みたいな印象がある。野生で飛べなくなったら死ぬんだろうからちょっと違うけど。
兄がやっていた(全く身にはならなかった)進研ゼミ中学講座の漫画連載で「かもめのジョナサン」ってのがあった。
最初が人魚だったはずだから、二年の時かな。
ディストピアみたいな近未来で、書籍の本が廃れた時代。
多分シェルターみたいなところで住んでいて、そこから外の世界を知りたいと思った主人公の女の子(高校生ぐらいと思い込んでいたけど、読者に合わせて中学生かもしれない)が「紙の本って読みづらいんだよな」と言いつつ、小説「かもめのジョナサン」を読むくだりが出てくる。
本当にそこしか覚えていないんだけど、後年検索したところによると漫画の題名が「かもめのジョナサン」だからかなり重要な場面のはず。(進研ゼミの講座の漫画単行本は一冊たりとも発行されていないという悲しい知識をその時に得た)
母が持っているのを知っていながら小説は読んだ事ないんだけど。
しかも高校の時、この漫画の話をして友人に小説を紹介して、私が貸した本で友人が読書感想文を書いたいう変なことがあった。
名作とか割と読んでいない。
ちなみにかもめのジョナサンは、飛ぶ速さを求めて、体重を落としたり練習したりする、群れの他のかもめ達とは違う生き方を選んだ一羽のかもめの話。
……教訓が露骨で読書感想文は書きやすそうだよなぁ。
高校の時の読書感想文といえば、一年の時に「世界の中心で愛を叫ぶ」(通称:セカチュー)で校内賞を受賞した生徒がいたんだけど。
司書の先生が「あれ、あらすじ間違ってない?」と言っていた思い出。ちなみに未読なので何とも言えなかった。
有名作も大体読んでいない。
人間鳥コンテストとか出てみたかった。……あれ学生だっけ社会人でも大丈夫だっけ。
先月末に出たお題「鳥かご」と重ならないようにと気を使う。
鳥のようにといえばLiaの「鳥の詩」を思い出した。主題歌に使われたアニメ「AIR」は見ていない。
カスラック非登録らしい。良い事だ。
そして如月千早の歌「蒼い鳥」を思い出した。童話の「青い鳥」とはほぼ無関係。
鳥のように生きたいと思ったことがある。
ほとんどの人が一度は思うことだと思う
夢のような大きな青空に
めいいっぱい羽を広げる姿に惹かれるのだろう。
鳥の気持ちになるとするなら
自由で楽しいのかそれとも
刺激がなくて心寂しいのか
人間みたいに感情が豊かではないから
そんなことを考えることもないのかもしれない。
通じる言語がないから知るよしもないけど
そんなことに思いを馳せてみる。
人間でいることが嫌になるときもあるけど
人間でなかった世界線を想像すると
なんかものすごく寂しく感じる
そう思える自分がいるってことは
今が楽しいからなのかも、と
言葉と矛盾する感情に葛藤する。
1度でいいから大空を飛ぶ夢をみたい。
★鳥のように
私は鳥が大好き。
くちばしがなんだか愛おしい。
修学旅行で長崎のペンギン水族館に行ったとき、ミナミイワトビペンギンのぬいぐるみを買ったんだけど、本当に気に入っている。
売り場で見たとき、ビビッときた。冠羽がイケてて、なんてカッチョいいペンギンなんだ!と思った。
進撃の巨人の、マントの形をしたペットボトルカバーを着せてあげると、ぴったりでとてもかわいい。完全に調査兵団の団員である。
たまに、ミニチュアの黒縁メガネをかけてお洒落させてあげたりもする。
かわいいねぇ、君は。
先月、母と二人で初めて千羽鶴を折った。自分の就職祈願のため思いつきで始めたのだが、途中から母も参加しだした。千羽折るのは骨が折れたが、途中から二人とも折り鶴マスターか?ってくらい綺麗に折れる様になっていた。
コツコツ折っていき約一ヶ月。色をグラデーションに繋げて、なかなか美しい千羽鶴が完成した。
願いを書いた短冊も吊るした。母の短冊は「いつまでも健康に元気でいられますように」。長寿の象徴でもあるこの鶴の様に、長生きしてほしいとわたしも思っている。
子どもの頃、よく考えていたことがある。
鳥のように自由に空を飛べたらどんなに素敵なことだろう、と。
私はいま、その夢を叶えている。──割合にして2割ほど、だけど。
「あああああああああ落ちる落ちる落ちる落ちる死ぬ死ぬ死ぬ!!!!!!!!」
「死なない!!!! 平気!!!! 死なせない!!!」
歌姫と呼ばれていた私はライブ中に突如意識を失い、気付いたらこの不思議な世界にやってきていた。そこで自らを魔法雑貨店の店長だと名乗る彼と出会い、目覚めるためにとらわれた「心」とそれを開ける「鍵」を探していた、のだけれども。
どうにも足場の悪い沼のような場所に行き当たり、「こんなときは! てれれれてってれー♪」と調子よく店長さんがどこからともなく取り出した(本当にどこにしまっていたのだろう)大きな翼をリュックサックよろしく背負ったのが失敗だった。
その翼は力強く羽ばたき我々を空へと運び、どこまでも、どこまでも──店長さんの「あれ、おかしいな。こんなに上がらなくていい。下がれ。下がれ!」という声すら無視して高く高く舞い上がり、地上の景色が見えなくなったあたりでようやく上昇を止めた。
そして私たちがひとまず息をついたのも束の間、そこで2,3回大きく羽ばたくと、このポンコツ翼はみるみる下降を始めたのだ!! 下降、っていうかもう自由落下なんですけどこれ!?!!
「なにが死なせないだこのインチキ魔法雑貨屋!!! もとはと言えば全部あなたのせいじゃない!!?!」
「意外と口悪いねきみ!?!? 追い詰められた時こそその人の本性が出るって言うよね!!」
「はいはいどうせ私は性格悪くて裏垢でアンチとレスバするような歌姫ですよ!! もう死ぬから全部どうでもいいんですけど!!」
「思ったより性格悪いエピソードが出てきてびっくりだよ!!!! こりゃ敵も多そうだ!!!!」
裏垢のこと他人に言ったの初めてだけど本当にもう全部どうでもいいわ。さっきまで霞んでよく見えなかった地面が、もうこんなにも目の前にあるのだから。あと数秒もしないうちに、私はここに叩きつけられて──
「ヘイ!」
やや間の抜けた掛け声と共に、店長さんは下へ向かって何かを投げつけた。それは私たちが地面に落ちるよりも早く大きく膨らみ──、ボヨンと我々を受け止めたのだった。
「い、生きてる……!」
「だから言ったでしょ、死なせないって。この世界で死んだら元の世界のきみも死んじゃうしね。しかし何がダメだったのかなー、前はちゃんと動いたのになー。メンテナンスしてなかったからかな〜?」
──え? いまこの人、なんて言った?
ポヨポヨと余韻で弾んでいた私は思わず店長さんを振り返った。
「ちょっと待てこら、いまなんか大事なこと言ったな!? ここで死ぬと元の世界の私も死ぬって!?」
やば、まだハイになっててさっきと同じテンションで喋っちゃった。
けれど彼は、そんなことまるで気にしてないみたいにケラケラと笑うのだった。なにも大したことなんて言ってない、みたいに。
「あはは、そりゃそうだよ。魂が死んだら器も死ぬ。むしろいまはボーナスタイムみたいなとこだよ」
「このインチキ店長……そんな大事なことを隠していたなんて……」
「隠してなんかないよ、あまりにも当然のことだからわざわざ話してなかっただけさ」
「……その上ポンコツ魔法道具を使わせてくるし。このまま一緒にいていいのか疑わしくなってきたわ」
「それは悪いとは思っているよ? まあ今回のことは僕にも落ち度があるけどさ、まああれだよね。きみは鳥のように空を舞うことはできなくても、鳥のようにきれいに歌うことはできる。それで十分じゃないかい?」
「……なんかそれっぽいこと言って自分の失態を誤魔化そうとしてない?」
「あっはっはっはっはっ。そんな、まさかまさか」
「誤魔化そうとしてるな!?!?!?!!!」
20240821.NO.29.「鳥のように」
「鳥のように飛びたい」
もし超能力が使えるなら何が欲しい?
そう問うとほとんどの人がそう言う。
理由はきっと他に思いつかないから
もし人間以外の生き物に生まれ変わるのなら、私は鳥になりたい。空を飛ぶ乗り物とか道具はたくさんあるけれど、鳥のように自分の肉体で動力を生み出して飛ぶことと比べると、やはり空との間に隔たりがあると思う。私は純正な自分の力で空を飛びたい。
『鳥のように』
鳥のようになって見たい。みんなのように、人気者になりたい。
それは、みんな思う事なのかな。
嫌な事から、飛び去りたい。
鳥のように。
でも私は・・・鳥みたいに飛べないのかな。いや、私は出来るんだ。
ちょっとだけがんばろうかな。
羽ばたいて行くために。
終
野鳥の群れが空を塗る
色を残さず流れる筆先は
忙しなく吹く風を一身に受けて
縦横無尽に青の中を旋回し
時には思い出した様に地面へ戻る。
日が暮れる迄の時間を
そうして過ごす鳥達に
少しばかりの羨望を視線に混ぜ
地面から飽きるまで眺め上げていた。
風の音に耳を慣らし
羽根を残して空を旅する
個々の音楽に誇りを持ち
寄り添える伴侶を探す為に
様々な場所で羽根を休め歌う。
ロマの民を想起する生に
そう自由であったならばと
身勝手で蒙昧である己の先行きでは
到底なれやしないと値踏みした。
ー 鳥のように ー
鳥のように
鳥のようになりたい。
それは誰しもが思ったことだろう。
空を飛びたい。
羽を使って大空を駆け抜けたい。
この2つの願いを両方持っているのは、
私達がよく見る鳥だ。
鳥になりたい。
そう願った人は少なからずいるだろう。
では、鳥は我々人間のようになりたいと思ったことがあるだろうか。
おそらくないであろう。
なぜなら人間は、いつも何かに縛られているから。
人間関係、家族、金銭、あるいは人生。
鳥たちからみると、人間は【可哀想】なのか。
いっても、鳥の気持ちはわからない。
だって鳥は言葉を話さないから。
人間は、言葉さえも縛られている。
暴言、愚痴、悲しみ、本音
【言ってはいけない】とはなんなのだろうか。
自分の気持ちを言葉表すことが、そんなに悪いことなのだろうか。
時には、言葉一つで人生が崩壊してしまうときだってある。
こうして今も画面に打ち込んでいる文章を、
厨二病、気味悪い。
そう思う人もいるだろう。
でも、地面に縛られていることが悪いとも限らない。
人間は、地面にいるからこそ、
ベッドで寝れて、座ってご飯を食べれる。
そもそも、【自由】とはなんだ?
本当の【自由】はあるのか。
それとも、言葉だけなのか。
人間はいつも【自由】を求めている。
その対象が鳥になることもあるだろう、
けれど、果たして鳥は【自由】であるのだろうか。
鳥のようになれたとして、果たしてそれは幸せなのか?
それは誰にもわからない。
鳥のように
「もし鳥になれるならなにになりたい?」
「あ、鳥限定なのね……」
私の双子の弟は生き物をこよなく愛している。だから、突然こんな質問をされても「まあこいつだしな」ですんなり受け取ってしまうのだ。
「んー……」
空を飛んでみたいと思ったことはある。これ、結構経験された方も多いんじゃないだろうか? せっかくなら鳥みたいにね、バサバサッと翼をはためかせて飛べたらどんなに気持ちいいかなーって思うことはあるけれど。
「鳥を選べとはいままで言われたことなかったなぁ」
私だって動物は好きだよ。弟ほどじゃないけど。ちなみに、犬か猫かだったら犬だ。猫もかわいいし好きだけど、犬はなんかもう心臓がキュンどころかギュンッてなる。要は大好き。
迷いに迷う私とは反対に、後輩はもうすでに決まったらしい。
「オレ、フクロウがいい」
「ヘドウィグ?」
「シロフクロウかわいいよな。メンフクロウも好きだけど」
あ、これ私たちがセーブしないと弟が延々と語るパターンか? たしかにどっちもかわいいけどさ。
「ちなみに、なんでいろんな鳥のなかでフクロウ選んだの?」
「単純に好きなだけ」
「そうなんだ。まあ、君、フクロウに似てるもんね」
「……褒めてる?」
「なかなか人に懐かない感じは解釈一致するぞ」
うん、弟が全部言ってくれた。後輩は髪が白いからますますヘドウィグ……じゃなかった、シロフクロウっぽい。
「んー、最近気になってるのも加味してコザクラインコかな」
「色いいよな。あとはかわいい」
「ほんとだ。鳥ってカラフルな奴多いよね」
ピンと来なかった後輩は早速スマホで調べていたし、弟はなんか腕組みしてうなずいている。後方ナントカ面って奴? こいつ、本当に動物好きなんだな。全肯定じゃん。
あとで、鳥みたいに空を飛びたいならもっと別の鳥のほうがよかったんじゃないかと思い直したよ。インコってなんかペットとして大事に籠に仕舞われるイメージ強いもんな。
「そういうあんたは? どの鳥になりたいの?」
「シマエナガ」
「「かわいい」」
てっきり鷹とかかっこいい鳥が来るのかなと思ったら、私たちが挙げた鳥のなかで一番サイズも小さい奴がきた。しかも、全員一致の「かわいい」認定の鳥。意外すぎる。
「あいつになったら人にチヤホヤされそうだから」
「「そっち?」」
かまちょらしい理由だなぁ……。
(いつもの3人シリーズ)