彼とわたしと

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 “鳥のように”、海へ行ったり、山へ行ったり、水中の魚を取って食べたり、夜中にひかる蛍を眺めたい。

 そんなに楽しそうなことが待っているのならば、彼とふたりいっしょに、鳥になってしまいたい。まだ見たことのない素晴らしい景色を、彼と見たい。こんな素敵なところに連れて行けるのはわたしだけだと、視覚と聴覚で実感して欲しい。第一、鳥になんてなってしまえばやることなんて何も無いだろう。だからこそ、最高の暇つぶしを提供できるわたしが、彼の1番になれる。彼にとってわたしは、必要不可欠な存在となる。

今わたしは、「鳥になるなんていう夢物語があれば」という内容で言葉を編んだが、「素晴らしい景色を彼に見せる」という需要は、鳥ではなく、人間であっても成立することだ。前述したことが正しければ、彼の1番になることや必要不可欠な存在になることは不可能ではないし、限りなく近い未来だ。「もしも“鳥のように”なれたなら」という妄想も新しい希望を導き出せたのだから、たまには鳥や魚になる妄想をしてみるのも、いいかもしれない。

8/21/2024, 12:33:27 PM