『鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『鳥かご』
鳥かごの中から飛び出した鳥が、
いつかここに帰ってくるのではないかと思い、
せっせと水と餌の交換をしている彼女を
鳥かごの中に閉じ込めてしまいたいと思うのだ。
その鳥は、
鳥かごの中に閉じ込められている。
いや、守られているのか。
何不自由ない
おりの中で寿命をむかえる。
それでも鳥は、外の世界に憧れる。
鳥かご
鳥かごの中に閉じ込められて可哀想。
そう思われても、言われても、
自分がそう感じても、
住めば都、順応していくこと。
それが生き残るために必要なこと。
環境を変えるよりも自分を変える方が、
喜ばれるし平和だ。
年の離れた友達がいた。彼は、不思議な骨董品を集めるのが、趣味の様だった。ある日彼が、友情の証にと言って、空の鳥かごを渡してきた。私が首をかしげていると、彼は、月の出る夜には、縁側に置いてやってくれと笑った。私は、彼が集めてる物の一つなら、これも不思議なことが起こるものなのだろうと思い、ありがたく受け取った。
「鳥かご」
蒸し暑い夏のこと鳥はカゴに入れられ
身動き出来ずにいた
目の前の餌にも届かない
まるで人のようだと思った
社会に囚われて自分の好きな事、希望が目の前に
あるのに手があと少しで届きそうなのに
身動き出来なくて諦めていく
期末テストの返却も終わった。来週から夏休みが始まる。でも俺は憂鬱だった。平均点をギリギリ越えた程度の試験結果、こんなものを親に見せたら、また怒涛の説教が始まるのだろう。
こんな成績でどうするの、大学は最低でもMARCH以上じゃないとお金出しませんからね、ああやっぱり1年生のときから塾に行かせておけばよかったのよ、……
このままじゃまずい、というのは自分でもわかっている。でもなんとなく、本気になれないのだ。勉強も、他のことも。
多分、何をしても拭えない閉塞感のせいだ。何をどれだけ努力しても、見えない壁が、見えない天井が、俺の行く手を阻む、そんなことを繰り返して、俺は諦めることを覚えた。
大学だって、受からなければそれはそれでいい。どうせ、大卒でも高卒でも、社会の歯車になる期間が数年違うだけのことだ。
不意に背中に衝撃を感じた。振り返ると淳弥がいた。どうやら背中を叩かれたらしい。
「暗い顔してどうした? そんなに結果悪かったのか?」
淳弥は学年で五本の指に入るほど成績がいい。正直に答えるのは癪だったので
「お前よりはな」
と答えてやった。嘘はついていない。
「そりゃ、俺と比べるのが間違いだ」
淳弥は悪怯れもせずに言う。……こういうところが、女子からするとたまらなく魅力的らしい。理解に苦しむ。女子だけじゃなく、男子にも淳弥は人気者だ。人当たりの良さとコミュ強、ちょっとのヤンチャ。教師共の信頼も厚い。でも俺は淳弥が苦手だった。それは、小学生の頃の、忘れられない出来事。
当時、俺のクラスでは文鳥を飼っていた。ピーちゃんと名付けられたその文鳥はクラスのアイドルで、休みの日には誰が家に持ち帰って世話をするのか、いつも争奪戦になった。
淳弥は6年生の三学期に俺のクラスに転入してきた。持ち前の性格か、すぐにクラスに馴染んだ淳弥は、早速ピーちゃんを家に連れ帰る権利を得た。
金曜日、一旦友達と帰りかけた俺は、忘れ物に気づき教室に戻った。その時、見てしまった。淳弥が、鳥かごを開いて、そこに手を突っ込んで、ピーちゃんを握りつぶしていた。
俺は、見てはいけないものを見てしまったことに動揺して、走って帰った。
月曜日、空の鳥かごを持って登校した淳弥は、自分の不注意でピーちゃんを逃がしてしまったと担任とクラスのみんなの前で涙を流した。人気者の淳弥を責める人はおらず、卒業までの2ヶ月間、空になった鳥かごだけが淋しくクラスの後ろに置かれていた。
俺は真相を知っている。でもそれは、誰にも言ってはならないことだと口を噤んだ。このことはしばらく夢に見た。冬なのに汗をかいて飛び起きた。夢の中で淳弥は俺に気づいていた。気づいて、笑っていた。
「こんな成績じゃ、オカンがまたうるさいだろうなってさ」
ため息とともに愚痴る。成績の悩みは淳弥には無縁だろう。
「大変だな」
「他人事かよ」
「実際他人事だし」
「そりゃそうだけど」
「……文句言われるから帰りたくないのか?」
気がつくと、クラスメイトはもうみんな帰ってしまったらしく、俺は淳弥と二人きりになっていた。
「うーん、まあ、憂鬱ではあるよな」
「そういうの、窮屈じゃない?」
珍しく真面目な顔で淳弥が聞いてくる。
「そうだな……ずっと何かさ、気持ちが箱か何かに閉じ込められているような気がする」
俺もつられて真面目な顔になる。
「閉塞感っていうかさ、どの道を選んでも、行き着く先はどうせ一緒なんだろうな、とか思うと、なんか気力がわかないっていうか」
「ふぅん……その箱から出たいとは、思ったことはない?」
「あるよ」俺は即答した。
「あるに決まってる。でも……」
出る方法がわからない。わかるなら、とっくにそうしている。
「じゃあさ、……俺が出してやろうか」
俺は思わず笑った。
「そんなことできるなら、お願いしたいね」
淳弥は笑わなかった。代わりに、右手を、伸ばして、俺の首を、
(お題:鳥かご)
鳥かご、私の通っていた小学校の都市伝説。
屋上に行ってシャボン玉を歌う。
次の日に金の鳥かごが置いてあるという、
誰が置いたのか、なんの為なのか、
それを私達、心霊探偵クラブが調査した。
言われた手順で鳥かごを呼び出す。
成功、3日経つと金の鳥かごは消えていて、そこには、
鳥の死体が残されていた。
頭だけが潰されていて、他は綺麗だった。
クラブの一人が
「じゃあ、血、誰かの血を置いたらどうなるの?」
と、呼び出しに成功した私たちが指を切って鳥かごの中に血を垂らした。
もう、それ以来鳥かごは現れなくなったが友達は屋上に行くと必ずシャボン玉を口ずさむ。
✡
鳥かごほど空洞なものはない。
紡錘形の金網で、高さは50センチメートル。
生きた内容物が逃げないよう、隙間のあって、しかし逃げ場を許さない金属の細い棒がかごの周りを囲む。
中にはヒノキの木の太い台が組み込まれている。
外側に開く小さな扉がついていて、かごのてっぺんには小さな輪っかのついた構造だった。
しかし、もはや打ち捨てられたゴミである。
終末病棟の患者のように、かごの格好は横に寝転んでいる。
主はもういない。ゴミだからである。
主の主もまた、この街にはいない。
この街が廃街となって30年は過ぎようとしている。
理由は不明だが、人間たちが避難した主因の輪郭は、立ち込める自然の力によっていくらか推察することができる。
どこもかしこも家は廃屋となり、平らな道はどこにもない。道はひび割れ、小石にまで頽落している。
時折山からイノシシが降りてきて、いたるところでクソをして、それを放置するという。追い払う者がいないということだ。
主がいなくなったあと、ごみとなった鳥かごには幾つもの不法侵入者がかごの中に居座った。
ヘビ、カマキリ、アリ、リス、ノラネコである。ノラネコが一番期間が長かったが、死期を悟ってどこかへ行ってしまった。
かごの中の木の台座も、それらによる粗相で、今はもう木の破片となり、表面は黒く焼け焦げたようになっている。
防水のワックスは剥げ、触ることを消毒する事も躊躇うほどのおびただしい虫のついた安息の地となっている。
かごは、ゴミ捨て場に捨てたようなのだが、不法投棄しても問題ないほど様変わりしている。
アスファルトは腐り果て、地中から何かしらの植物が生え、緑のツルの侵略をされている。
そこに投げ捨てられた鳥かごは、今や路傍の石よりもはるかに目立たない金属片となっていた。
かろうじてかごだったという形を残すのみである。
この町はもう死んだと同然のものであり、人の姿は一人もいない。時間もまた死んだようで流れていない。
空気は淀み、天気も崩れぎみで、湿度も気温も不快感の先鋭化となっている。
居心地は悪い。不衛生なほどである。
遠くから小鳥たちの鳴き声が春の訪れを予感させている。巣作りのための材料を探している気がする。
小隊を組むように、そのものたちは、鳥かごだったものの近くに降り立った。
横になったかごの上に乗って、ツンツン、と短いクチバシで足元の具合を確かめる。
もはや金属としての抵抗はなく、卵の殻にひび割れるように。金属の細い棒はひん曲がり、やがて折れた。
その幼い攻撃により、紡錘形の形を失いつつあった。
一部をクチバシで取り上げ、小鳥たちは周りの様子を然として確認。そして飛び去っていった。
穴の空いた鳥かごは、まだ形を失わないで残っている。
鳥かごずっと閉じ込められてて何もできないままこのままじゃ私って生きてるのかな鳥はそう思っているだろう
鳥かご
私を閉じ込めているこの空間はまるで鳥かごのようだ
思うように身体が動かない。
どうやって抜け出そうかと考える頭が痛い。
この感覚もどこまで続くのか。
0がなければ1がないように。
鳥かごに閉じ込められた己への試練なのか?
鳥かごから脱出するように。
はじめての感覚でどうすればいいのか、何をすればいいのか、考えると嫌になってくる。
でもどこかで抜け出せそうな、もどかしいこの感じが、ずっと続けばいいのにと思った。
なんといっても、
「もう一回がない」んだから。
#2024.7.26.「鳥かご」
久々のHQ。これはもう書くしかないっしょと1分で書きました。
言葉おかしくても許してね。
今日の気温は本日も今年最高気温を更新していた。
夏真っ盛り。熱中症警戒アラートは全国で鳴り響き、外を出るのも命懸けになったのも当たり前になってきた。人々が自然と涼しさを求めて様々な商業施設や公共施設を利用し始めている。
今の私もフードコートの1席をアイスコーヒー1杯で2時間程粘っている。天気アプリが示す現在の気温は38度。ちょっと人間には危険な気がする。今、遠くで救急車のサイレンの音が聞こえた。やはり危険だと、もう氷も溶け切っているアイスコーヒーを誤魔化すように飲んだ。
お昼を過ぎて暑さも最高潮なフードコートはかなり賑わっている。家族連れや学生の姿も見える。もちろん、私のように占領している人も見られる。お互いに気にしてはダメだがそろそろ移動したほうがいいかと良心が痛み出す。
家の立地とバグのような電気代の高騰と少ない給料のせいで私はよくこのフードコートを利用している。無料Wi-Fiと充電スポットと居座る根性さえあれば今の人間は無限に時間潰しができるのだ。ここのおかげで、私はまだ今年は熱中症になっていない。
クーラーを効かせ、私達を守っているこの商業施設はまるで鳥籠のように私達を閉じ込める。自主的に逃げないようにし、ご飯も与えてくれ、水分も与えてくれる。
だが私達には帰る家がある。もう少し夕方になり、気温が下がってくれたら家に帰るのだ。
早く安心して家でゆっくりしたいが、人類が温めた地球はそうしてくれない。
ぶぶ、とスマホの通知が震える。天気アプリが数分後にゲリラ豪雨の確率があると伝えていた。ガラス窓の向こうを見ると、奥から黒い雲が動いていくのが見えた。気象知識の無い私でもこれは強い雨が降るのが分かった。
まだ鳥籠から出られそうにない。私は観念し、2杯目のアイスコーヒーを注文するために席を立った。
【鳥かご】
翔ける鳥を閉じ込めておくもの
外敵から鳥を守るもの
果たして一体どちらなのだろう
鳥かごの鳥は幸せなのだろうか
『鳥かご』
鉱山の調査から帰ってきた親方の手に提げられた鳥かごの中にはぐったりとしたカナリアがいた。
「もうこの山はダメかもしれん」
親方は鳥かごを僕に渡すと首を振って深く溜息をついた。長年栄えている鉱山で作業員が倒れて亡くなったのは昨日の話。有毒ガスが沸いたのかもしれないという親方の予想はカナリアが衰弱したことと親方が肌身で感じたことで確信となったようだ。作業員の中の下っ端でカナリアの世話を任されていた僕はいつかはここで働くものとばかり思っていた道が閉ざされつつあることと、いつも煩いぐらいに囀っているカナリアがまったく鳴かないことに戸惑っていた。鳥かごから小さく黄色いからだを手のひらに乗せる。ほのかな温かみを感じて声をかけるけれど、その熱は失われつつあった。
魔王にさらわれた伯爵家の姫であり俺の許嫁を救うべく、国王陛下にお許しをいただき兵を訓練し討伐隊を編成し率いてやっと魔王の城までたどり着いた。強大な魔力の魔王を倒すために1年の月日が必要だった。
あの人形め、まんまとさらわれおって。
俺の出世はどうなる。あの女の家柄名誉財産を手に入れて出世する俺の計画が台無しだ。おとなしく俺の鳥かごの中で生きていればいいものを。とっとと姫を連れ帰り婚姻だ。
姫のいる、塔の最上階に俺と2人の兵しかたどり着けなかったが、まぁいい。
魔王はまだ戻ってこないようだ。
「姫、ご無事でしたか。お助けに参りました。さぁ、行きましょう。」俺が言うと、姫は「いいえ。」と答えた。
よく見れば幼子を胸に抱いている。
「そ、その子は?」俺が狼狽えて問うと、姫は答えた。「あの方と私の大切な御子です。私はさらわれたのではなく、身ごもった私をあの方が連れ出してくださったのです。私は望んであの方と結ばれたのです。ですからもうこれ以上、私たちの幸せを脅かさないでくださいまし。」
なんということだ。そんなに前からこの女は俺を裏切り魔王と通じていたのか。
「裏切りもの!子供もろとも殺してやる!」俺が叫ぶと女は「裏切り?許嫁とは名ばかりで私の家や財産ばかりみていた方に、裏切り者とは言われたくありません。ですが、私を殺して気がすむのでしたら、この命差し出しましょう。でもこの子の命だけはお助けください。この子に罪はありません。」
「うるさい!黙れ!魔王の子など!」
俺の剣が二人に突き刺さろうとした刹那、まばゆい光が子供を包みどこかへ消え去った。
俺の剣は女の胸だけをつらぬいた。
「間に合わなかったか!」
魔王は2人の兵士に当て身をすると女の元に向かいその胸にかき抱いた。
「ローズ、すまない、お前を守れず。」
「いいえ、あなたはあの子を守ってくださった。あの子は私の命。ありがとうございます。」
魔王は怒りに震えていた。
「おのれ!」
魔王の雷が俺をつらぬいた。
「あなた、最後の魔力を…。」
「良いのだ。お前のいない世界に用はない。あの子は私たちの子だ。1人でも強く生きるだろう。」
俺は薄れゆく意識の中で、2人が幸せそうな笑みを浮かべ、光の中に消えていくのを見ていた。
お題「鳥かご」
学校帰り。幼馴染みの3人。
俺たちの通学路は、田んぼ、畑、小山、草むら。そんな景色だ。
小山を過ぎたところの草むらになった空き地に、
おっきな鳥かごのようなものがあった。
銀色のフレーム。
3階建ての建物くらいの大きさだろうか。
「わあっ、なにこれ!」
そう言いながら、透子は鳥かごに向かって歩きはじめた。
「こんなところにこんなもの………
朝まではなかったよな。」
と、隣を見たが、
「おーい!」
と、前の方で声がしたのでそちらを向いた。
「これすっげえぞ!かっけー!
おまえらも来いよー!」
大空はいつの間にか透子を抜いて鳥かごの中に入っていた。
それを見て透子も駆け寄る。
「しかたねえな…」
頭をくしゃくしゃして俺もそちらに向かった。
「わあーっ、かっこいい!きれーい!」
中に入った透子がはしゃいでいる。
おれも中に入り中央辺りに来た途端、
ガシャン!
入り口が閉まった。
「えっ」
と言うやいなや、鳥かごが浮いた。
しまった。
なんてばかだったんだ。
おれたちは動物の罠みたいに捕まってしまった。
宇宙人に………
「鳥かご」
いつも通り、地下鉄のホームから電車に乗る。
人混みに紛れながら、誤って肩を相手に当ててしまうふりをする。
その隙に、掏(す)る。
それが、俺の日常。
電車に乗ると、すぐにターゲットを見つけた。
身なりの良い、アジア人の青年。
革製のバッグ、ホワイトのシャツに、ネイビーのスリーピーススーツ、
ブルーのネクタイを締め、袖の裾からはシルバーの腕時計が覗いていた。
彼の服装は、明らかに周囲から浮いていた。
電車の中では、決して掏らない。
ターゲットが降りた駅で掏る。
なぜなら、降りた時に気が抜けるからだ。
大丈夫だったと…、掏られなかったと。
警戒が緩む、その時を狙う。
ターゲットが電車を降りる。
俺は、彼の後ろを歩く。
俺は、いつものようにターゲットの肩の当たったふりをする。
その隙に、財布を掏ろうとした。
バッグから手を抜く瞬間、腕を掴まれた。
そこからは何が起こったか、分からない。
視界が回転し、気がついたら、彼は俺を馬乗りにして、
顎にピストルを突き付けられていた。
『殺される。』と思った。
そして、彼は電話していた。
アナウンスからして、救急番号に電話を掛けていた。
そこから、記憶が無い。
気づいたら、病院のベッドの上だった。
そして、ベッドの隣には彼が居た。
「すみませんでした。」と、彼は謝ってきた。
何故、謝られているのだろうか。
悪いのは、掏る側だろう。
呆然としていると、札束と連絡先を渡された。
「すみません。航空券の関係で、もう病院を出なくては行けません。
何かありましたら、この連絡先に電話して下さい。」
彼はそう言うと、足早に去っていった。
俺、いや、私は彼を見誤っていた。
身なりからして、裕福だから安全な籠の中で育った鳥だと、思い込んでいた。
否、彼は富裕層で貴族だ。籠の鳥に間違いは、無い。
しかし、何か感じた。
金持ち特有の余裕と品の良さに相反するような、
異質なものをピストルを向けられた、一瞬感じた。
容易く人を殺せる側、特有の言葉表せられないほどの何かを感じた。
関わってはならない、本能的に感じるほどの恐怖に駆られた。
彼は、何者なのだろう。
一体、どんな風に生きれば、ああ成るのだろうか。
小さい頃、家にインコがいた。
幼いながらわたしは、この子を外へ出してあげたい、大空に解き放ちたいと思っていた。
インコは結局、あの部屋の中で、あの鳥籠の中で一生を迎えた。
今の私は社会人となり、会社と自宅を往復し、地下鉄に揺られる日々を送っている。
ふと思うのは、私は自由なのか、ということだ。
自由とはなんなのか、どこかに行けることなのか、何にも縛られないことなのか、何かを決められる権利を持つことか。私にはまだ、自由というものはわからない。きっと、死を目の前にしている老人でさえもわからない。
社会という鳥籠に、日本という鳥籠に、人生という鳥籠にそして、自由という鳥籠に私は囚われているのかもしれない。
鳥籠は悪いことだけではない、そこには慢心的な安全が満ちている。心を落ち着かせることができる。
狭い世界は自分の存在を少し大きくしてくれる。
それなのに、私は自由に囚われている。安心に囚われている。つまり、私にとってはどこでも鳥籠の中なのだ。そこは狭く、不自由だか、安心とある種の自由があるのだ。きっと死ぬまで私は何かの中で囚われている。
お題「鳥かご」(雑記)
ぎゃー、昨日電波悪かったせいか、書いた文章全部飛んだ!!
お題の更新前に気づいて良かった……。日中、このアプリはほとんど立ち上げないのに。
現住所の夏祭りとおまけの花火大会で、全然ネット繋がらなかった。
頑張って書き直そう……。泣きたいけど。
鳥かごといえば、pixivで連載されている連作四コマの中で、アルバイト仲間から「はとさん」と呼ばれるお嬢様のフリーターが出てくる。
連作四コマはレンタルビデオ店で働く専門学校生を主人公に、重い過去話を織り交ぜた恋愛ものなんだけど。
はとさんのあだ名の由来は、噂話を拡散するから。噂話とは言っても裏付けはちゃんと取って、正しい内容を拡散するというポリシーがあるらしく、あまり悪くは言われていない。店長さんから伝言板扱いされているし。
そんな店長さんから「最初にそのあだ名を聞いた時、嫌がらせを受けているのかと思った」と言われて、はとさんは「伝書鳩は仕事で空を飛べるから」好きだと返す。
実家にいた時、彼女は陰でカナリアと呼ばれていた。綺麗な話しか耳に入れないように情報を制限されていたから。
父に反抗して実家を出て、一人暮らしとアルバイトを始めてからその陰口はなくなった。一人で立つようになったから。
ネットで無料で読める縦スクロール漫画「夫を味方にする方法」(休載中)でも、主人公が結婚する前はカナリアと呼ばれていた、と出てきた。
調べたら「歌などで実態以上にひ弱な印象がついており、『籠の中の鳥』の着想元と誤解される」とWikipediaに載っていた。
カナリアは名前から想像がつく通り海外から輸入された鳥で、『籠の中の鳥』の表現が出てくるのは十八、十九世紀頃から。だからカナリアとは無関係であるらしい。
金糸雀と漢字で書いたらローゼンメイデンが出てくるけども。
さて本題、『鳥かご』の話。
私が高校の時、地元の秋祭りで、兄弟がひよこを釣ってきてから飼っていた。
秋祭りと呼ぶのは正しくはないのだけど。秋の収穫を祝う祭でも神に感謝する祭でもなく、秋の終わりに寒くなって引きこもる前のお祭り。本来は十月末の日付固定だったのに、少子化で宵宮のだんじりを曳く人手が足りなくなったせいか、私が地元を出て一人暮らしを始めてから11/2〜3の文化の日に変更された。
ひよこの頃は発熱電球(と呼ぶらしい。ひよこを育てるのに使う温かい豆電球)で温度を確保して、若鶏になってからは、うさぎが入るようなケージを買ってきて家の中で飼っていた。
実家は全員が二階で寝るのだけど、その二階に行く階段の手前にある廊下にケージを置いていたから、人が通るたび、鶏が動いて床に敷いていた古新聞がガサガサと鳴っていた。
雄鶏は朝でも夜でも好きな時に鳴くと知った。「動物のお医者さん」はファンタジー。
一軒家だからたまに庭に離していたから、動物図鑑でしか知らなかった「飛ぶ鶏」が見られたのは良かったと思う。実質飼い主の父に似て肥満体だったから、早々に飛べなくなったけど。でぶ鶏。
まあ、運動量が圧倒的に足りていないのは知っている。
私が農業高校(園芸科)に通っていたから、私が卒業するまで、高校から鶏の餌を少々貰ってきていた。(もちろん先生の許可済み)
いつか鳴き声を録音して合成音声歌唱に使おうと思っている間に死んでしまったのだけど。
鶏が死んでケージが空になってからも、ケージを処分するまで前を通るたびにカサカサと音が鳴っていたから、何だかまだ生きているような気がしてしまう。
そう言ったら、弟も同意していた。
鳥かごといえば、そんな変な思い出。
十姉妹とか飛べる小鳥が入っているような小さいかごではなかったけれど、私の中では鳥かごは鶏の思い出。
鳥はもう飼うこともないと思うけど、いつか一人暮らしじゃなくなった暁には猫を飼いたい。
魚も良いなとちょっとだけ思ったけど、水を換えるのが大変だから無理だ。たまに夜店の金魚はすくいたくなるけど。
「鳥かご」 2024/07/26
鳥かご って鳥を中に入れるものにしろ
すごい 美しい と思う
物語に出てくるよね
主人公が引き籠っていたり 閉じ込められている事を
"私は鳥かごに入れられている" とか
言ったりする人間にも使われる 1つの言葉
鳥は鳥かごから羽ばたいて出ていくよね
↑みたいな使われ方をした時
人もいつしかこのかごの中から羽ばたいて出ていく
ことを表しているのかな笑 とか思ってる
一見 微妙な言葉でも 考えてみると いい言葉