鳥かご』の作文集

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鳥かご』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/25/2024, 2:01:57 PM

鳥籠


インダスの畔で出逢った

青い花を追いかけて、

七連のマトリクスの向こう側へと

ミラーリングを繰り返し、

この川縁まで訪うたのに




何故あなたに逢えない




青いデイジー


水の中へ沈む小鳥

7/25/2024, 1:59:33 PM

扉が開いているのになぜ旅立たないの
青い空も木々も呼んでいるのに
いいえ私はかごの鳥 温かく平和な鳥かごで
木漏れ日の中の風になる夢を
見るだけでいいの

住み慣れた鳥かごをなぜ出ていくの
心の翼がはばたき未来が呼んでいる
そうよ私はかごの鳥 時の止まった鳥かごから
いつか飛び立ち風になる日を
夢見ているの

#鳥かご

7/25/2024, 1:58:24 PM

今日幸せだったことを書く。

学校を休んだら、すぐに心配のLINEをくれた友人に感謝!
その友人は、私と語るために私が大好きなキングダムを読むと言ってくれて、とても嬉しかったな。
帰り道にお喋りしながら帰れて幸せだった。
あとは、健康でいられたことにも感謝します。
バイトでめちゃくちゃ疲れてるけど、特に熱を出すこともなく、なんとかやっていけてることに幸せを感じる。

これは、いつも不満ばかり溢して不幸せな私が幸せを掴むための物語。

7/25/2024, 1:57:50 PM

何をしても逃げられない。

息苦しい生活から。

私は何回作り笑いしたんだろう。

あれ、、? うまく笑えてる?


私の幸せはどこ、?



【No. 11 鳥かご】

7/25/2024, 1:54:37 PM

捨てられた鳥かごを放課後にみた
檻の中には衰弱したインコがいた
「可哀想」
そう呟いたあと、
今にも瞼が落ちそうなインコの目を見つめる。
その瞳は、僕とどこか似ていた

【鳥かご】

7/25/2024, 1:48:28 PM

【鉄格子より】

いつか、この鳥籠から出たい。
ずっと、ずっとそう思っていた。

私の家は、正直家庭環境があまり良くなかった。
母親は毎晩のように男を連れて来ては、
「あんたは邪魔。外に出てろ。」
と私を追い出した。。
父親は酒癖が荒い。
暴力を振るわれることもあった。
いわゆるアルコール中毒というやつだろう。
私は奴らのおもちゃだった。
私が痛がるのを見るのが好きらしかった。
手を加えるのも。
料理の支度が1分でも遅ければ、
「何をノロノロしてんだこのバカが!」
と、何度もぶたれ、蹴られた。
もちろん、保護者の同意が必要な書類などはサインしてもらえるはずが無かった。

私はずっとあざだらけだった。
毎日のように殴られるので、あざはいつまで経っても消えなかった。
それどころか、どんどん増えていった。
そんな見た目のせいで、私は学校でいじめを受け続けていた。
「あざばっかりで痛そーwww」
「なんていうか、かわいそうだねw」
担任の先生ですら、私を差別した。
親(親だと思ったことはない)による暴力について相談したとき、
「あぁ、えっと、その…、スパルタキョウイクなんだな!」
と返された。
なんだよスパルタキョウイクって。
スパルタという言葉で援護できるものじゃないよ。
こいつ、何もわかってない。
悔しかった。
悲しかった。
何より、もう希望などないと、鳥籠から出られないとさえ思った。

好きな人が居た。
同じクラスだった相木くん。
イケメンだし、勉強もスポーツも出来て、しかもこんな私にも優しく接してくれた。
本気で好きだった。
放課後、体育館裏に呼び出して告白したことがある。
絶対付き合いたい、だって好きだから。
だけど、相木くんからは
「ごめん、その、なんていうか、菜々子ちゃんといるのは、難しいというか、まだ友達のままで居たい…」
と返された。
どうせ、私の家庭環境を知っているから付き合いたくないんだろ。
その後、ずっと泣いた。

こんな私にも、1人だけ協力者が居た。
母方のおばあちゃんだ。
暴力やいじめを受けた私の、いちばんの理解者だった。
保護者のサインが必要な書類は、全ておばあちゃんに書いてもらった。
大学に行きたいと言えば、
「ウン百万ほど貯めてあるよ。菜々子ちゃんの人生のために、大切に使いなさいね」
と、学費まで全て用意してくれた。
おばあちゃんの力では家庭環境をどうすることも出来なかったけど、いつも私の味方をしてくれて、私を唯一人間として育ててくれた。
感謝してもしきれないほど、私に協力してくれた。

おばあちゃんのお陰で、私は第一志望の大学に合格する事が出来た。
国内有数の難関国立大学に入学した。
けれど、私の入学式の写真をおばあちゃんが見ることは無かった。
老衰で亡くなった。

大学に入ってからは一人暮らしを始めた。
親(アホ)からは
「俺らの飯は誰が作るんだよ!」
と、怒鳴られた。
けれど、そんなことは知らない。
私はお前らの召使じゃない。

大学の授業は、想像を絶するほど難しかった。
わけの分からない教授の話を延々と聞かされ、
わけの分からない問題をテストに出してきた。
友達がいれば気が楽だったかもしれないが、地方からやってきた私にとって「友達」「先輩」は無縁な存在となってしまった。

親からの仕送りは当然ないので、バイトを始めた。
おばあちゃんが用意してくれたお金では足りないと感じたからだ。
ハンバーガーチェーンで働き始めた。
最初はとてもやりがいを感じた。
初めて自分で得たお金、お客様の笑顔。
それらがモチベーションだった。
しかし、バイトを始めて半年後。
店長によるパワハラが始まった。
「なんでこんなこともできないの?」
「君って要領悪いね」
「こんなこともできないんだぁ、」
「こんなんじゃ生きていけないよね?」
説教を超えたレベルのことをされた。
ビンタされたこともある。
一人暮らしを始めたのに、これじゃああの時と同じじゃないか。
だけど、生活費のためにもバイトを辞めることはできなかった。

就活が始まった。
何十社も面接を受け、その度に
「残念ながら、今回はご縁がなかったということで…」
という言葉を聞かされた。
それでも根気強く続けた。
そうしたら、1社だけ受かった。
事務仕事だ。
よかった。受かった。
そう安堵したのも束の間、激務に襲われることになった。
こなしても終わらない仕事、
長引く残業、
お局の悪口、
上司からの圧、
耐えられなかった。
辞めたいとも思った。
だけど、面接でやっと合格した会社だ。
辞めたときのリスクが大きいことなんて重々承知していた。

終電ギリギリの電車に揺られながら考えた。
鳥籠から出ても、結局楽しくなど無かった。
現に、他の人の顔の疲れ方が証明している。
私だって、この人たちとおんなじようだ。

私は悟った。
私は鳥籠から出ていない。
この世界こそが鳥籠なのだ、と。

7/25/2024, 1:47:21 PM

鳥かご

鳥かごって不自由だと思うよね。自由に飛べないし
でも食事とかは出るもんね。自由には飛べないけどそれ以外の自由はあるよね。
世の中には自由に飛んでるやつが問題起こしてニュースになったり事故って死んだり色々あるけどそれならまだ不自由な鳥かごの中で自由に過ごしてる方がいいんじゃね?って思ったんだけどそれじゃあニートと変わらないよな。
だから今の世の中鳥かごの中にいる人が多いのかな。
でも今は夏で暑いって言うのに僕の財布の中は氷河期で大変だからバイトする為に鳥かごから出ないと行けないんだよね。
今は採用通知が来るのを待ってるけど落ちたかも。

7/25/2024, 1:44:23 PM

鳥かご

鳥籠は、鳥にとっては、牢屋の中だろうか?
私が、もし今、鳥で鳥籠で囚われているなら鳥籠から
逃げたいぐらいだ。


マンガ[ヴァンパイア 騎士]を読んでから
ヴァンパイア は本当に存在するのか?と、調べると
ヴァンパイア 、吸血鬼モデルになった人物が出てきた。

昔に遡ること
血の伯爵夫人と呼ばれる
エリザベートバートリ(1560〜1614年)
今では幽霊城と呼ばれるチェイテ城で、
若い女性600人以上を殺害したとされる連続殺人犯で
吸血鬼モデルにもなった女性

ヴラド・ツェぺシュ(1431〜1476年、ワラキワ公国の君主(今現在ルーマニア)で、ドラキュラ公、串刺し公とも)も吸血鬼モデルになっている)



エリザベートバートリに、仕えていた若い処女のメイドから流れ出た血を浴びてから、若いメイド女性を殺めて
狂い、シリアルキラーになったとされている。

私も当時、18〜19歳できそうで、女優の山本美月、
韓国アイドル、ツワイスのモモの体型、顔形では
なくて、それに、セルライトがある理由で、
元彼2人に断られて(多部未華子さん、上白石萌音さんの顔に似てゴメンなさい。そして私の顔が好きなんです)
今だに、処女だけど、もしも、エリザベートバートリの時代に生きて、もし知っていて、彼女に誘拐されていたら、どんなに怖かったんだろう?と、鳥肌が立つ程だ 


そして、アイアンメイデン、鳥籠のような吊り籠もあり、
その吊り籠でも誰かの被害女性が入り、被害女性の
血を出して
エリザベートバートリに被害者の血のシャワーを浴びていた。と書かれていたり………


ゾッとする内容だらけ

7/25/2024, 1:42:08 PM

【鳥かご】

↓思い付いた言葉
狭い檻
自由がない
飛べることも忘れそうな
(自分に出来ることも忘れる)
心臓を守る肋骨
押しつぶされないように
中のものが何処にも行かない安心感
外の世界が見えるのは天国?それとも地獄?

7/25/2024, 1:37:44 PM

鳥かごに、こころだけ置いて外からのぞいている
一切の害悪や視線といった侵入を拒んで
けいれんしたり萎れたりするのを、のぞいている
ローゼラ、ビゴデといった種を定期的に与えて
腐らないように慎重に経過観察しています
そのおかげか、こころはだんだんと凪になって
もうさびれた欝みたいな形をしていたのですが
いまはもう、詩のようなこころもちで
やわらかな、かるいきもちで
しかし電車にゆられてなんでもなく
ポロポロと涙をこぼしていたあの頃の方が
わたしは人間だったのではないかと
不安になってもいい

7/25/2024, 1:37:23 PM

西の空が赤く染まる。

今日も無事に村まで帰って来れた。
仕事仲間のシェパードが、豊かな長毛を靡かせて、こちらを見つめている。

今日の仕事は終わりだ。
今日も1匹の遜色もなく、羊たちを送り届けた。

雇い主に羊の群れを渡し、報酬を貰い、仕事仲間の頭を一撫して別れを告げる。
杖を持ち直し、帰路に着く。
雇い主がこちらに向かって唾を吐き、扉の奥に消えていくのを目の端で捉えながら、僕はまっすぐ歩き続ける。

杖の、緩やかにカーブした持ち手に下げた鳥かごが、ゆらりと揺れる。

正確には、鳥かごの中の鳥かごの中の鳥かごの中の鳥かごの中で狭苦しそうにもがく、漆黒の渦巻きが、揺れる。

厳重に鳥かごの中に押し込められた、この小さな漆黒の闇渦巻きは、狭い狭い鳥かごの中、二対の黒い羽根を交互に羽ばたきながら、ぐるぐるとこの世の負のエネルギーを蓄えている。

これは厄災だ。
かつては僕たち人間を脅かした、“魔王”と呼ばれていた者の、悪意と魔力と力の核。
つまり、人間社会にとっての厄災。

魔王は二年前、勇者によって倒され、肉体を失った。
だが、魔王と勇者の決戦の決着によって表面化した、魔王の無念、勇者とその仲間たちの無念と奪われた平和な生活に対する負の感情を吸った魔王の核は、佇み続けた。

一応、勇者の仲間の聖職者が、最期の力で、厄災の核を抑え込んだらしい。だから、厄災の核はこれほどまでに小さいのだ。

仲間を失い、幸福という犠牲を払って帰還を遂げた勇者は、一年前に国王に疎まれ、他国の人々からは危険視され、無念の死を遂げた。
英雄とはそういうものなのだ、と、僕たちは思った。
…参政権を持つ民には、為政者に納得できるカバーストーリーが流布されていそうだが。

ともかく、そんなこんなで放置された厄災の核。
これを僕が見つけたのは、仕事の最中のことだった。

いつものように、村民や雇い主に半ば追い出されるような形で羊の群れを受け渡され、高原へ向かったいつもの朝。

僕は、二対の羽根で悠々と飛ぶ、この核を見つけたのだ。

僕にとって…周りから畏怖と軽蔑の目で見られ、聖職者からは敵視される僕たち羊飼いにとって、これほど魅力的な拾い物はなかった。

この僕たちにとって厳しい、酷い社会を破壊できる兵器を手に入れたも同然だ。

だから僕は、それを鳥かごの中に拾い上げた。
消滅させなかったことを恩に着せ、しばらく鳥かごの中で飼い殺しにすることにした。

コイツのおかげで、僕の精神はすっかり安定した。
いざとなれば手がある。
それに、コイツのおかげで魔物も肉食獣も寄って来ない。
仕事がだいぶ快適になった。

鳥かごは僕に自由と余裕をもたらしてくれた。

鳥かごの中で、闇渦巻きは、もがいている。
ヤツは逃げたいらしい。逃すものか。

この鳥かごの中にいるコイツは、僕の幸せの青い鳥なんだから。

ヤツの気を削ぐため、鳥かごを揺すりながら帰路に着く。
聖歌なんかも口ずさんでやる。
黒い二対の羽根の動きが鈍る。それでいいんだ。

空が赤く染まっている。
今日もぐっすり眠れそうだ。

7/25/2024, 1:36:16 PM

出たくて出たくて、でもどう足掻いたって出れない鳥かご。

飼い主の手によって丁寧に過保護に育てられた小鳥はいつからか反抗心を持ちました。

飼い主が作り上げたかったであろう、大人にとって都合の“いい子”には育てることができなかったのです。

小鳥は無表情で飼い主の言うことに頷きます。こころのなかでは反抗心を募らせたまま。

ここから出せ。
私はお前の操り人形ではない。
上から目線のその言動、何様だ。

私の人生は私が決める。

その小鳥は壊れかけていた金具を破り外の世界へと飛び立ちました。そこにはただただ広がる解放感がありました。

翌朝、鳥かごから数メートル離れたところで見つかったのは、すっかり弱り果てた傷だらけの小鳥でした。




─鳥かご─ #13

7/25/2024, 1:35:20 PM

きい、と鳥籠の扉が開いた。
そっと顔を出して本当に開いていることを確認して、扉を開けてくれた人を見上げる。
その人はにこりと優しそうな笑みを浮かべて、四角く切り取られた空の向こうを指さした。

「もう飛べるでしょ、お行きなさいな」

確かに痛みはどこもない。飛ぼうと思えば飛べるのだけど。
一向に飛ばないのを見て、その人は不思議そうに首を横に傾ける。
それから呆れた様に笑いながら、そっと鳥かごの扉を閉めた。

「なら、これからも一緒に暮らそうか。可愛い小鳥さん」

応えるように鳴いてみせると、嬉しそうにその人は笑ってくれて。
空をまた飛びたいとも思ったけれど。
今は、鳥かごの中でこの人の笑顔を見ながら暮らしたいと思ったんだ。


「鳥かご/20240725」

7/25/2024, 1:32:43 PM

鳥かごに入れられている鳥達に比べたらいい方だ。そう思えば私の人生もちょっとはマシかな

7/25/2024, 1:31:39 PM

籠の中の鳥を見つめる。鼈甲色の瞳でじっと見つめ返されて、先に視線を逸らした。


……何をせずともご飯が出てきて、鑑賞されて愛でられる。きっと籠の中は快適なんだろう。いや、快適かどうかすら分からないか。あれが普通で、あれ以上下の世界を知らないのだから。



「𓏸𓏸、早く勉強しなさい」

「はい、お母様」

僕の家庭は異常らしい。皆から自由を知らなすぎるなんて言われるけれど、ご飯は出てくるし服も買ってもらえて寝る場所もきちんと存在する。



……鳥かごの中って楽なんだよ。何をせずともやる事を与えてもらえて、干渉されて愛でられる。ここから逃げたいとも思わないし逃げようとも思わない。

鏡の中の自分を見つめる。光を宿していない瞳に見つめ返されて、本当の自分から目を逸らした。


『鳥かご』

7/25/2024, 1:29:17 PM

鳥かご🦜

大空を自由に羽ばたく事ができるのに

どうして…そこにいる

飛ぶ事を忘れたのか 諦めたのか

それとも 今に満足しているのか

そのままで本当に良いのかい?

そして 君はどうだい

鳥かごの中の鳥のように

日々の忙しさを理由に

夢を忘れてないかい 諦めてないかい

まさかとは思うが 

今に満足しているのかい

飛べなくなる前に

まず 飛んでみようではないか

すべてはそこから

始まる気がしないか❢

7/25/2024, 1:29:15 PM

「広い芝生で、飛びたいのに」
私の心は、籠の中。記憶がある時から、ずっとここだ。

時々私より背の高い人達が徘徊してきて、罵声を浴びさせる。
鳥籠の中の私は、何も抵抗できない。

もうひとつ、隣に籠があって、私に少し似た、鳥が佇んていた。
その鳥はその人たちから、「愛」を与えられているらしい。
私がそっちを見ていると、背の高い人達と目が合って、汚物を見るかのような目で、私を軽蔑した。

何回もその瞳を見る度、足にツタのようなものが絡みついて、私を動けなくしてくる。
籠を開けて、逃げない限り、私はこのままだ。あの鳥もきっと、私と同じ未来になる。

私たちは、生まれた時から何重もの鳥籠の中で、飛び回っている。



お題 鳥かご

7/25/2024, 1:28:11 PM

鳥かご

「自分」という容れ物の外の世界を知らない。
「今」という時間に縛られ続けている。
他人はどこまでも理解不能。
まるで社会という檻に閉じ込められたようだ。

お前はいつだって自由に見えた。
俺にある縛りがお前にはない。
だから、羨んでしまったのだろう。
手を伸ばして。
そっと、羽を広げて。

あの空に少しでも近づけるように。

────────────────

自創作 赤い祝日 より

7/25/2024, 1:27:39 PM

鳥かごの絵が描いてあるカレンダー

その鳥かごの鳥達は

外側からとまっているので

閉じ込められていない

なので眺めていても

息苦しくならない

お気に入りのカレンダー



✴️99✴️鳥かご

7/25/2024, 1:25:24 PM

2024年某日 地球上空。
 そこに不気味に漂う物体があった。
 UFOである。

 彼らの目的は何か。
 それは地球侵略である。
 彼らは枯渇した貴重な鉱物資源を求め、地球に狙いを定めたのだ。

 今日もUFOでは、地球侵略のための会議が行われていた。
 綺麗に整列された宇宙人の前に、貫禄がある宇宙人がやって来る。
 このUFOの船長――つまりボスである。
 彼はこの地球侵略が成功すれば、さらなる昇進が約束されていた。
 それゆえにこのUFO内のどの宇宙人よりも、やる気に満ちていた。
 ボスは集まった宇宙人をゆっくり見回しながら、言葉を発する。

「では諸君、時間になったので始めよう。
 我々は地球侵略のため、かねてより進めていた地球人の調査の結果が出た。
 博士、前に出てくれ」
「はい」
 博士と呼ばれた宇宙人が、列の前に歩み出る。
 彼は若いながらも分析班の班長であり、かねてよりボスの命令で地球の研究をしていた。
 
「それでは、我々分析班の報告をさせていただきます。
 調査結果を分析した結果、我々は『地球侵略は不可能』と結論しました」
「なに!?」
「何かの間違いだ!」
「そんなはずは……」
 宇宙人から同様の声が漏れ始める。
 だれも想像だにしなかった結論だったからだ。
 そしてそれはボスにとっても同様であった。

「どういうことだ。
 地球と我々の技術差は歴然。
 このまま攻め込んでも蹂躙できるはず。
 調査も念のためにしているにすぎん!」
「はい、ボス。
 それを今から説明いたします」
 ボスが怒気を含みながら、博士を問い詰める。
 しかし博士は少しも怯えず、淡々と説明する。

「先行調査で報告された、『地球人には、我々にはない友情という概念を持っている』を覚えていますか?」
「うむ、そういう報告があったのは覚えている。
 しかし、『アレは弱者のなれ合い』と言うことで結論されたのではなかったか?」
「その通りです、ボス。
 あの時点では、そう結論付けられました。
 ですが調査を進めて、驚くべき事実が判明しました」
「ほう、なんだ」
「地球人は、深い友情で結ばれたものは『合体技』なるものを使えるようになるのです」
「がったい……わざ……?」
 ボスは、理解できないとばかりに、オウム返しに言葉を返す。
 そしてボス以外も、他の宇宙人たちは聞きなれない言葉に首を傾げていた。

「その、なんだ。
 合体技というのは?」
「友情の深まった地球人が二人以上集まると使う事の出来る、不可能を可能にする現象です」
「よく分からんな」
「具体例を示しましょう。
 仮に地球人の現存兵器では、傷すらつけられない生物がいたとしましょう。
 普通なら為す術もありません。
 しかし合体技を使えるものがいれば、打ち勝つ可能性が出てくるのです。
 この合体技を我々に向けられれば、被害は少なくないでしょう……」
 UFO内でざわめきが起こる。
 今まで何の障害にもならないと思われた地球侵略に、大きな不安要素が出てきたからだ。

「なるほど。
 これは地球侵略を行うに当たって、大きな障害になるな……
 しかし不可能とまで断じるのは無理がないか?」
「ボスの言う通りです。
 合体技だけだったら、不可能とは判断しませんでした」
「まだあるのか?」
「はい」
 博士は持っていた報告書をめくる。

「友情が深まると、合体技のほかに『身体能力の向上』『限定的なテレパシー能力』『卓越した連携技能』『トレーニング効果の向上』……」
「いろいろあるのか……」
「これら一つ一つの影響は小さいですが、全てが積み重なると無視できなくなります。
 そしてこれが重要なのですが、『戦いの中で友情イベントが発生すると、その戦いに勝利する』というものです」
「友情イベント?
 なんだそれは?」
「色々なパターンがあるのですが、簡単に言えば『お互いの友情を確かめ合い、さらに友情を深める』ことです」
「よく分からんが……
 これは絶対に勝つのか?」
「絶対とまではいきませんが、我々が確認したパターンでは、ほとんどの場合が当てはまります」
「ううむ」
 ボスは腕を組んで、考え始めた。

 最初は楽な仕事だと思って進めた地球侵略……
 ここにきて新情報が出てきて、危険度が跳ね上がってしまった。
 ボスは自らの地位のため、今後の計画を考え直す必要が出てきた。

 ボスは考える。
 このまま進めて成功しても、もし被害が多ければ自分の責任を問われるだろう。
 しかし、引き下がっても臆病者呼ばわりされるだけ……
 ここまま進める……
 それとも撤退か……
 ボスは重要な決断を迫られていた。

「ボス、この件について提案があります」
「言ってみろ」
「我々分析班も、地球に派遣してください」
「なぜだ?」
「正直に言えば、我々分析班は、調査班の報告に懐疑的です。
 いくら新しく発見された生物とはいえ、意味不明過ぎます。
 それならば自分たちの目で確かめたいと思います。
 それに現地に行く事で、分かる事も多いでしょう」
「ふむ、確かにな。
 いいだろう、行ってこい」
「ありがとうございます」

 博士は、ボスに対し恭しく礼をして、その場から立ち去るのであった

 ◆

 博士は会議の後、まっすぐ分析班の研究室に戻る。
 会議の結果を報告するためである。
 博士が部屋に入ると、分析班のメンバー全員から視線を向けられた。
 彼らは沈黙し、自分たちの班長の言葉を、待ちわびていた。
 
「諸君……
 地球に派遣されることが決まった。
 早く準備をしたまえ」
「「「いやっほおぉぉぉ」」」
 部屋の中で待機した宇宙人たちは例外なく、喜びの雄たけびを上げる。
 彼らは、地球への派遣の準備をするため、我先へと自室へ戻っていった。
 分析班のメンバーは地球に赴きたかったのだ。

 事の発端は、地球に赴いた調査班から、地球人たちの
 色々な娯楽品が入っており、分析班は大いに興味をそそられた。
 その中でも特に興味を惹かれたのが、ゲーム類である。
 彼らは、自分たちの文化になかったゲームに嵌まり、いつしか地球に行きたいと思うようになったのだ。

 博士に、ボスを騙したつもりは毛頭ない。
 ただ話した内容は、地球の事ではなく、地球のゲームの話だっただけである。
 もちろん十分に分析した結果なので、嘘ではない。

 飛び出していった部下たちを見送り、博士は部屋で一人呟く。
「地球人は滅ぼすには勿体ない。
 手を組むだけの価値がある」

 もし手を組むことが出来れば、お互いに大きな恩恵を得ることが出来る。
 そうすれば、誰も見たことがないいゲームを作る事も可能だろう。

 しかし言葉で言うほど簡単ではない。
 異なる文化が手を取り合う。
 それはいばらの道だ。
 しかし――

「それでも、我々は成し遂げる。
 我々と地球人との、『合体技』でな」

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